(三津谷さん)
ひっそりと佇む母と子
防空壕の中で震える親子です
(部員の声)お母さん!お母さ〜〜ん!!
(部員達)万歳!
これは青森空襲を題材にした私達の舞台です
嫌だお父さんと一緒がいい。
70年前私達の町は一夜にして焼け野原になりました
その2世代下の私達高校生がこの夏心を込めて演じました
聞いてください私達の涙の訳を
私は青森中央高校2年の三津谷友香です
所属している演劇部は全国大会で3度の日本一を獲得しています
一つみんなに…。
この春顧問の畑澤先生があることを私達に問い掛けました
7月28日が何の日か今言える人?
(畑澤先生)7月28日が何の日か今言える人?いない?OK分かった。
青森空襲があった日です。
(部員達)あ〜。
(畑澤先生)そして7月28日に我々で何かやりたいと思っています。
いつもは私が書くんだけども私ではなくて誰かにやってほしい。
私達の住む大好きな青森の町
平和なこの町に70年前悲劇が起きました
アメリカ軍のB29爆撃機62機が青森市に飛来しおよそ8万3000本の焼夷弾を投下
市街地のおよそ9割が焼失し死者は1000人を超えたのです
(畑澤先生)普段歩いてるこの町がかつて焼け野原になったことがある。
その痕跡が全く残ってないかっていうとそんなわけでもないっていうようなことを知るっていうことは大事なことっていうと軽くなっちゃうんだけど何か知るべきっていうかな。
青森空襲のお芝居の「私書きたいです」っていうのを考えておいてちょうだいみたいなふうにしてました。
今表明したい人っていますか?
脚本担当に手を挙げたのは歴史に興味のある詩乃にいつも明るい真美
そして玲雄先輩です
(畑澤先生)じゃあ3人で後でまた話はしましょう。
はい。
(畑澤先生)要はだから今まで7月28日が何だかということに興味もなく知識もない同じ年代の高校生達をどう心を動かすかみたいなところだと思うから。
頑張れ。
(詩乃さん)はい。
とはいえ空襲は70年も前のこと
(鐘の音)
(玲雄君)うわ〜平和だ。
(鐘の音)
(詩乃さん)平和の鐘が。
(鐘の音)
(真美さん)平和ですね。
遠い過去の出来事にどうしても実感が湧きません
(詩乃さん)ちょっとでもこう情景を思い浮かべれるようになれば。
あぁ入り込めるんじゃないかみたいなね。
(真美さん)行ってお話聞いていろいろまとめるみたいな。
そこで空襲を経験した祖母を持つ先輩の家を訪ねることにしました
失礼します。
(真美さん)失礼します。
秋田和子さんは11歳の時に青森空襲を経験しています
飛行機の音がう〜んってしたと思ったらこうバババって…。
(和子さん)熱くて熱くて熱くて。
焼けて熱いところで…。
そういうのをホントに鮮明に覚えてるものなんですよね?
(和子さん)やっぱり本当にその頃は怖かったからそれだけは頭の中にずっと入ってて…。
どうもはじめまして。
はじめまして。
富岡せつさんも11歳の時に空襲を経験しました
(せつさん)その時の様子を考えるととてもかわいそうだなと今でも涙出て来て…ごめんなさい。
3人で相談して脚本は詩乃がまとめることになりました
じゃ君がひとまずやりたいっていうか伝えたいことを書いて来たらいいと思う。
はい。
(詩乃さん)ただいま。
詩乃は部活がない時はお母さんの仕事を手伝います
明日部活あるの?部活。
ない。
ない?うん。
休み?休み。
何するの?ハハハ…。
(桂子さんの声)普段はぼそぼそ言っている感じなんですけど演じるよりも何か裏方が好きみたいなので。
みんなのために動きたいとは言ってます。
詩乃が脚本に手を挙げたのもそんな気持ちからでした
この日3人は青森空襲を長年にわたって記録している団体を訪ねました
これが今までやって来た発行して来た証言集の綴りなんですよ。
見せてもらったのは私達の世代へと残されて来た空襲体験者の手記
毎年体験者から聞き取り調査をし証言を残して来たのです
そこに見つけたのは…
…という言葉
(今村さん)当時防空法という法律があって落ちて来た焼夷弾については火を消しなさいと町を守る義務があるんですよと。
当時の県知事は防空法に従わなければ断固たる処置をとると避難を禁じました
青森市は7月28日までに家に戻らないと配給を停止すると通告
その期限は皮肉にも空襲のあったその日だったのです
よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
渡部計三さんは二十歳の時に空襲を経験しました
私の経験っていうのはそんなに深くはないと思うんですけれど。
結局…。
逃げ道が何もないもんですから…。
そういうのの中では生活して行きたくないなって思いました。
今の高校生活とは全く違うあの時代
戦争とは一体何だったんだろう
はいおはようございます。
(部員達)おはようございます。
脚本が上がったのは上演の6日前
空襲で引き裂かれた親子の物語です
(亜純さん)ねぇお母さんお父さん元気かな?
子役は2年の亜純
母親は私友香が演じます
疎開した浪岡から真っ赤に火の手が上がる青森を見ていました。
そこに証言集の手記を入れることにしましたが…
(部員)戦争や空襲のないことの喜びを心からかみ締めました。
どうしようかな。
えっとさちょっと3人で話をしよう。
はい。
はい。
先生は物語はいいけれど手記の選び方に問題があるというのです
語りは俺緩過ぎると思ったわけ。
幸せ過ぎる。
あの頃のことっていうのは思い出したくない。
もっともっと人の心えぐらないと。
明後日の朝までに第2稿をウソでも上げないと間に合わない。
もう一度3人は体験者の手記と向き合います
そして今度は…
お母さんどこに行くの?
私達出演者があの悲劇と向き合う番です
お母さん!お母さ〜〜ん!!
上演3日前台本は間に合いました
・その前の動きから続けてやってみましょう・大丈夫いつも通りすぐ解除になるから。
早く頭巾着けて行くわよ。
うん。
(玲雄君)はい危機感がないんだよな。
母だって大丈夫いつも通りって言ってるけど内心違うよね。
待ってお母さん!
戦争で両親を失ってしまうあずみ
エ〜ン。
え?ん?
体験したことのない感情をなかなか理解できずにいました
その感情に近づくために先生はある指示を出しました
自転車の人行ってちょうだい。
・はい・
出演者も空襲を経験した人からじかに話を聞くように
案内されたのはアメリカ軍が攻撃区域の中心とした場所
町の真ん中のこの場所から町外れまで見通せるほど焼き尽くされたというのです
(渡部さん)黒くなってしまってね…。
そこには平和観音像が立っていました
その像の裏にあったのは…
おびただしい死者の名前
聞いててかなり…心構えが必要だなって思って。
もっと自分なりに調べたりとかして伝えられることを今の人にも知らない人とかも結構いると思うんで伝えられたらなって思いました。
(鐘の音)
上演前日
脚本を書いた詩乃はピアノを担当することに
(部員)町は次々と火災が広がりまるで火の海のようでした。
(畑澤先生)もう少し追い詰められてくれ。
怖いよね?この時によみがえっている感情は恐怖だよね?ちゃんとその空襲の日に逃げ惑っている親子に見える年寄りに見える奥さんに見えるっていうことをちゃんとやろうよ。
(部員達)はい!
私達は話し合いました
(部員)書いてるじゃんこの人の情報がそれを…。
亜純も70年前のあの日に必死に近づこうとしています
お母さん!帰って来たんだね。
(畑澤先生)上意識しろもっと上意識しろ!上から来る上から来る!
(部員)避難したと思います!
(畑澤先生の声)今高校生にとって大事なのは…。
(畑澤先生の声)とにかくこういう…。
そこから考えればいい。
お母さ〜ん!あずみ〜!
明日はいよいよ本番です
上演当日はあの日と同じ雨でした
70年目の7月28日
私達が向き合った「青森空襲」の幕が上がります
♪〜♪〜い〜が?家ば空っぽにして逃げたり山ん中さ小屋建てて閉じこもったり。
い〜が?断固ったる処置?なぁ!見とけ防空法!えっ?じゃもう遅いから。
ねぇお母さん。
お父さん元気かな?元気だよきっと。
いつになったら帰って来るかな?もうすぐ帰って来るよきっと。
ホント?ウゥ〜〜!警戒警報発令!警戒警報発令!速やかに電気を消し防空壕に避難してください!防空壕に避難してくださ〜い!起きて!爆弾?あずみ達死んじゃうよ!大丈夫だから!ほら立って!行くわよ!うん!ド〜ン!キャ〜!ドド〜ン!キャ〜!ド〜ン!キャ〜!お母さ〜ん!あずみ〜!お母さ〜ん!!あずみ〜!!ドッカ〜〜〜ン!あずみしっかりしろ。
あずみ。
(ピアノ)♪〜お父さん♪〜帰って来たんだね!お父さん!お父さんって♪〜強いんでしょ?♪〜早く戦争終わらせてよ!たくさん爆弾降って来て♪〜周りも真っ赤で♪〜みんな死んじゃった!♪〜♪〜あずみお父さんに戦争を♪〜終わらせることはできない。
♪〜ごめんな。
♪〜あずみお前だけでも♪〜逃げ切ってくれ。
♪〜お前は強い子だから。
♪〜だから逃げ切ってくれ。
嫌だ♪〜お父さんと一緒がいい。
♪〜♪〜それは…ダメなんだ。
♪〜何で?どうしてダメなの?お母さん!帰って来たんだね。
お母さんどこに行ってたの?あずみちゃんとお母さん…ちゃんと逃げて来られたんだよ。
お母さんとの約束ちゃんと戻った。
お父さんにも会ったのその時にね…。
お母さん?どこに行くの?待って…。
お母さん…お母さん!お母さ〜〜ん!!♪〜パパパパ〜パラッパパ〜パラ〜ラパッパッパ♪〜パパパパッパラパッパパ〜パラッパッパッパ♪〜パ〜パパパパパパ♪〜♪〜
(拍手)このお話は青森空襲を知らなかった私達が見て聞いて調べて感じたことや考えたことをお伝えするために作りました。
…ことなんじゃないかなっていうふうに思いました。
ありがとうございました!
(部員達)ありがとうございました!
(拍手)ド〜〜〜ン!お母さん!
この夏私達が心に焼き付けたことは…
昭和20年7月28日。
(部員達)7月28日を私達は決して忘れない!
原発事故で帰れないふるさと
被災者の心をつかんだ歌があります
♪〜花は咲けども
反骨の農村バンドが福島に寄せる思いとは…
2015/11/23(月) 01:05〜01:35
読売テレビ1
NNNドキュメント「演じる、高校生 ぼくらの町は焼け野原だった」[字]
今年の7月28日、青森中央高校演劇部は「青森空襲」を題材にした演劇を上演しました。高校生自らが取材を重ね、作り上げた渾身の舞台とは。生徒達の夏に密着しました。
詳細情報
番組内容
「青森空襲」から70年目の7月28日。演劇「7月28日を知っていますか?」が上演されました。これは県立青森中央高校演劇部が「青森空襲」を題材に自分たちで作り上げた舞台です。脚本担当の是川詩乃さんらは、体験者へのインタビューを重ね70年たつ今も尚、その傷が癒えない事を実感します。番組では、高校生たちが空襲の悲劇を自ら取材し、伝えようとする姿を追いかけることで、戦争を語り繋ぐ新しいあり方を模索します。
出演者
【ナレーター】
三津谷友香(青森中央高校2年 演劇部)
制作
青森放送
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
ステレオ
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32725(0x7FD5)
TransportStreamID:32725(0x7FD5)
ServiceID:2088(0x0828)
EventID:7301(0x1C85)