(風間)
今沖縄の新聞で大人気の4コマ漫画…
人間関係を作るのが苦手。
注意力が散漫。
特定のものへの強いこだわり。
テーマは…
作者は…
漫画のエピソードは全て実体験に基づいています
平岡さんは6人家族
実は…
長女は整理整頓が苦手。
一つのものを大量に買い込んでしまう母親
最近のお気に入りはキウイです
今はそれぞれの特性を認め合える平岡家。
しかしそれまではトラブルの連続でした
なぜ普通にできないのか。
禎之さんは声を荒げ子どもたちを叱り続けてきました
自分たちは火星人。
普通の人と違ってもいいと気付いた時平岡家は大きく生まれ変わりました
生きづらさを抱えながらも前向きに生きる家族の物語です
今日は家族5人が発達障害の平岡さん一家をご紹介します。
そして家族といえば安藤さん。
はい。
実はですね来年2月に私も1人新しく家族が増えます。
おめでとうございます。
ありがとうございます。
(拍手)今日のゲストの方々が…後で皆さん分かると思うんですけど火星人だという事で本当でも家族増えるって感覚が未知との遭遇でしかないという今そんな不思議な思いでいっぱいです。
安藤さん自身も今気になるところなんじゃないですか?家族のお話。
楽しみです。
そんな今日紹介する平岡家。
こちらなんですけれども。
この動物に例えられたそれぞれの家族たちが。
まずはですねお母様ワッシーナ。
そしてこの長女ニャーイ。
イラストを描いたニャーイさんなんですけど…すごい個性豊かな。
これだけ見てもどんな方たちだろうっていうね。
平岡家の一日は朝から規則正しく始まります。
毎朝6時30分。
父親の禎之さんがまず行うのは…。
すぐ気付くので。
家内がすぐ気付いて…母親の成子さんは特定の音に敏感です。
そのため心地のいい音楽がないと家事に集中できません。
(換気扇の音)
(スイッチを切る音)そして朝一番の大仕事は…。
寝起きが悪い次男を起こす事です。
何をするにもマイペース。
忙しい朝の時間でも周りの事にまで気が回りません。
お〜い。
トイレの中ではまた眠ってしまうそうです。
一方弟とは対照的で決まった行動パターンをとるのが会社員の長男。
そのため急な予定変更は大の苦手です。
全く個性が異なる兄と弟。
毎朝慌ただしく過ぎていきます。
成子さんは家事を確実に行うためにさまざまな工夫を凝らしています。
一番注意しているのは集中力を保つ事。
気が散りやすいため目につくものはできるだけ布で覆います。
もし布がなかった場合は…。
例えばこの本を開けました。
そして「あっあの本は何だったかな?」と見てるうちに「あれ?これってこういう色なんだ」ってなると「あっそういえばこういう色の生地があったな。
どこにあったっけ?あの生地は」って捜していくうちに「あっ私はこの生地でああいうものが作りたかったんだ。
10年ぐらい前に。
よし今やろう。
えっミシンってどこだっけ?」って捜してミシンを捜してここでカタカタカタカタってやってるうちに「あっ日が暮れてる。
何をしようとしたんだっけ?」ってなるんですね。
この日料理をしようとした時思わぬ事が起きました。
かつおぶしを買い忘れていた事を思い出したのです。
そこで急きょ買い物に行く事に。
しかし成子さんにとって大きな音やまぶしい光はストレスになります。
少しでも刺激を受けないようにするため僅か100m先のお店にも車で行きます。
ほかのものに目移りしないように集中力を高めます。
ところが最初に手にしたのはアスパラガスでした。
かつおぶし。
すごい。
かつおぶし。
今度はハマグリに。
かつおぶし。
なんとかかつおぶしを手にする事ができました。
買い物にかけた時間は15分。
しかしどっと疲れが出て動けなくなってしまいました。
こうした日常を少しでもなんとかしてあげたい。
禎之さんは成子さんと一緒に解決策を考えました。
それがこちらのボード。
一日にやるべき事を貼り出しそれぞれにかける時間も決めました。
できた時はプレートを裏返します。
視覚的に表す事で自信につなげました。
だからなるべくできたできた。
禎之さんに温かく支えられ成子さんはつつがなく暮らせています。
今日はスタジオに平岡禎之さんと成子さんにお越し頂きました。
ありがとうございます。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
やっぱりちょっと買い物大変そうでしたね。
一日のエネルギーっていうか配分を朝で大抵してるので予期しない外出とかになるともう既に車で言えばガソリンがない状態。
その状態で出るのですごいストレスはありますね。
結局予定外の変更なのでほとんどパニック状態なんですけど表情ではよく分からないんですよ。
実際頭の中は本当にもう酸欠状態でもう死にはしない死にはしないって言い含めるっていうのかね口癖になってはいるんですけどそうやって自分を本当に落ち着かせないと本当にパニック状態で。
そしてなぜ自分たちを火星人というようになったんですか?よく多くの本では「外国人に接するように接して下さい」っていうふうに発達障害の方たちの事を。
確かにそうだなと思うんですけれどもやっぱり外国人だけでは説明のつかない本来人間が自然に備わるものっていうのが備わってない。
やっぱりちょっと違う星かなって。
その方が納得いくかなっていう。
それで火星人と。
じゃあ禎之さんは地球人?そうですね。
唯一のただ一人の地球人なんですけど。
じゃあもう国際結婚どころか宇宙結婚って事ですね。
(「ハッピーバースデートゥユー」)
(拍手)誕生日を祝ってもらっていたのは長女と次女。
2人の特性は対照的です。
「321」の意味ないから。
(笑い声)次女はじっとしているのが苦手なのに対し…。
長女は急ぐのが苦手。
行動は常にスローペースです。
バラバラな特性が豊かなハーモニーを奏でる平岡家。
しかしそれぞれの特性が障害によるものだと気付くまではトラブルが絶えませんでした。
禎之さんが子どもたちの行動に問題があると感じたのは小学校に入ってから。
一つの事に集中し過ぎてしまう長女。
「いつまでやってるの?」。
後ろには長〜い列が。
次男は授業に集中できず毎日のように居眠り。
「起きなさい」。
しつけができていない。
追い詰められた禎之さんは時には子どもに手を上げるようになっていきました。
一方子どもたちはなぜ怒られるのか理由が分かりませんでした。
長女の愛さんは親の期待に応えられない苦しみから何度も死のうと考えたと言います。
そんな子どもの思いを知らないままお父さんのしつけは厳しさを増していきました。
そして6年前。
次男が中学校でパニックを起こし脱走します。
失意の中病院などに相談。
思いも寄らない事を指摘されます。
資料を読むと4人の子ども全員に当てはまる事ばかりが書かれていました。
そして更に妻の成子さんも発達障害だと分かりました。
禎之さんは家族との関わり方を変えようと決めました。
しかしこれまで叱ってばかりいた子どもたちとどう向き合えばいいのか。
禎之さんがたどりついたのが発達障害の人を支援するNPOでした。
こんにちは。
こんにちは。
当時沖縄には発達障害のある人を支援する施設は限られていました。
禎之さんはここで初めて具体的なアドバイスを受けます。
お父さんの態度が180度変わった事で子どもたちは失っていた生きる自信を取り戻していきました。
そういうのをみんなでやっていければいいかなと。
お父様がそれを知ってからの努力ってそんな口で言えるような軽いものではなくてすごいものだったと思うんですけれども僕は。
あの…3日間眠れなかったんですね本当に。
ず〜っと涙が止まらなかったのと資料を読めば読むほど思い当たる節がいっぱいあったので。
…で3日目の夜というか4日目の朝1人で家を抜け出してどうしても眠れないので外に行ったら非常に月がきれいで満月の月を見てる時どうしたらいいんだろうって途方に暮れたんです。
原因は分かった。
子どもたち全員もこうだという時に…。
ある資料で人口の1割ほどいる可能性があるっていう資料を思い出した時にこの問題で悩んでる人とか苦しんでる人はものすごく多いんだって気付いてそれでよって結局この問題を自分たちの問題だけではなくてどうにかして発表して今いるいろんな悩んでる人たちと共有してみんなで乗り越えていけるんじゃないかって思った時に初めて気が楽になったんです。
逆に成子さんはそれが分かった瞬間どういうお気持ちでしたか?私も当事者なのですごい解放感というのとまるで母国に帰ったような。
何十年ぶりかに帰ったようなすごい解放感であっいいんだこのまんまで。
私と同じようにデザインされた人たちも世の中にはたくさんいるんだっていう事が分かったのと同時にやっぱりデザインされたとおりに生きていけばいいんじゃないか。
それを無理に…例えば鳥が鳥なのに魚になろうとしたりする必要はない。
私は今まで多分そういう感じだったんですね。
これはすばらしいプレゼントですしそういうふうにしてみんなで楽しく味わっていきたいなってすごくその時に思いました。
は〜い。
(取材者)こんにちは。
あっこんにちは。
よろしくお願いします。
実家から車で20分の所に暮らしています。
去年結婚し6月には赤ちゃんも生まれました。
育児と家事の両立は新米ママなら誰もがぶつかる壁。
加えて愛さんには大きな不安がありました。
そんな愛さんに手を差し伸べていたのが両親でした。
嫁入り道具の一つとして持たせてくれたのが禎之さんお手製の愛さんの解説書。
どんな特性があり困った時にどうすればいいのか書かれています。
これを夫や周りの人に見せれば理解につながりどんな時に助けが必要かも分かります。
結婚後も2人は定期的に愛さんを訪ねています。
お母さんの優しさありがとう。
わあすご〜い。
取り出したのは…成子さんも使っているあのボード。
やるべき事を貼り出せば家事が滞らなくて済むのではと考えたのです。
今愛さんが最も困っているのが洗濯。
(禎之)3日間忘れる訳ね。
ついつい干すのを忘れてしまうため干すという事を強調したボードを作りました。
小さな工夫が大きな自信につながります。
新たな一歩を踏み出した愛さん。
笑顔あふれる家庭を築いていきたいと前に向かっています。
長女の愛さんにもお越し頂きました。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
お父様が昔は怒って怒って今からでは想像つかない…怒ってたんですけどお父様の接し方が変わった時って覚えてますか?もう本当にガラリと180度ですよね。
今からすると見えないかもしれないですけどやっぱり日頃の小さい事は母に怒られてそれが積み重なると…何だろう?最高裁判所というかお父さんが大魔神になって大魔王になってドカ〜ンって怒るんですね。
でも今までは怒ってたはずなのに褒めるようになったんですね。
最初何か裏があるのかなと思って…。
まあでもそうですよね。
急に変わったらね。
そうそうそう。
だったのでびっくりしちゃったんですけどでもやっぱり人は誰でも褒められるとうれしいじゃないですか。
それで自分自身も変わっていくのを感じてまた家庭内…家庭内って自分の家で父母のけんかもすごいあったんですね。
でもそれがなくなったんですよ。
すごく私含めの兄弟が生き生きと個性が伸び始めてすごい家の中が潤ってきたなというのは覚えてます。
家族って本当にチームワーク一つですごく変わるなって。
友情関係もそうですけど。
それがマイナスに連鎖し始めるとマイナスにしかひっくり返らない。
でもこのひっくり返し力がそこまで追い詰められたからこそバネになって反対側にバタンと…。
だから我が家の場合はできない事はやらなくていいっていうのをモットーにしてるんですけどそれは責任回避って意味ではなくてやっぱりできないところはやらずに済ます方法としていろいろな工夫をしていく。
ある種火星人と地球人のバイリンガルみたいなそういう生き方をしてもらえればいいなと思ってはいます。
連絡帳です。
はい。
サンキュー。
何?これ。
生きてるだけでこの子はうれしい。
このマイナスをどういうふうにするかっていう。
2015/11/23(月) 13:05〜13:35
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV ブレイクスルー File.17「発達障害と共に生きる家族」[字][再]
家族6人の内、父親以外の5人が発達障害の平岡家。障害がわかったのは6年前。それまではトラブルの連続だった。発達障害はプレゼントと思えるまでになった軌跡をたどる。
詳細情報
番組内容
沖縄那覇市で暮らす平岡家は家族6人の内、父親以外の5人が発達障害。障害があるとわかったのは6年前。それまでは、周囲からもしつけができていないと言われるなどトラブルが続いた。発達障害と判明後、父親は訪ねたNPO法人で様々なアドバイスを受け、家族は生きる自信を取り戻し、絆を深めていくことになった。現在は発達障害はプレゼントと思えるまでになった軌跡をたどる。【出演】風間俊介(俳優)、安藤桃子(映画監督)
出演者
【出演】コピーライター…平岡禎之,平岡成子,松田愛,【司会】風間俊介,安藤桃子
ジャンル :
福祉 – その他
福祉 – 高齢者
福祉 – 障害者
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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