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美浜原発:3号機の20年延長申請 関西電力が規制委に

毎日新聞 2015年11月26日 21時29分

 関西電力は26日、運転開始から38年が経過した美浜原発3号機(福井県)の運転の20年延長を原子力規制委員会に申請した。福井県に同日、報告した。老朽原発の延長申請は関電の高浜原発1、2号機(同)に続き3基目。原発の運転期間は原子炉等規制法で原則40年と決められているが、安全性が確認されれば、1度だけ最長20年延長できる。ただし、美浜3号機は課題が多く、期限の来年11月までにすべての審査が終わって延長できるかは不透明だ。

 美浜3号機は、1976年12月に営業運転を開始。関電は今年3月、再稼働に必要な安全審査を規制委に申請済みで、延長するには運転開始から40年を迎える来年11月までに、安全審査と延長審査の両方に合格することが必要だ。

 関電は8月に規制委から指摘を受け、美浜3号機の耐震設計の基準となる基準地震動を引き上げた。その影響で資料提出が遅れて審査が停滞しているうえ、ケーブルを難燃性のものに替える必要があるかなど、期限内の合格には課題が多い。

 規制委は美浜3号機の審査を、既に審査を進めている関電大飯原発3、4号機(同)より優先させることで期限切れを避ける可能性を示唆している。26日、記者会見した関電の八木誠社長は「いずれも経営上重要な原発。バランス良く(審査を)進めてほしい」と話した。【古屋敷尚子】

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