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 東京電力は26日、福島第一原発で炉心溶融した3機のうち唯一、建屋が残った2号機について、建屋の上部全体を解体すると発表した。来年夏以降に本格的な解体を始め、2018年度に終える計画だ。建屋内の放射性物質が飛散しないよう対策を取るとしている。

 原発事故で1、3号機は水素爆発で建屋が吹き飛んだが、2号機は免れた。そのため、建屋内に放射性物質がとどまっているとみられる。飛散しないように、建屋上部を一部だけ解体することも検討したが、解体後に始めるがれきや核燃料を取り出す作業のしやすさも考えて、上部全体を外すことにした。

 解体時には、建屋内に飛散防止剤を散布するなど、放射性物質が舞い上がらないようにする。さらに重機で建屋を切断する際に飛散を抑えるカバーを設置することも考えるという。ただ、建屋上部の空間線量は13年時点で、高いところでは毎時800ミリシーベルト以上もあり、作業が順調に進むかは不透明だ。

 2年後には、使用済み燃料プール内にある615体の核燃料を取り出す方法を決める。実際に取り出すのは20年度をめざしている。(熊井洋美)