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11月初旬のある悪天候の日、パリのオルリー空港で航空機の離着陸が一時的にできなくなる状況が発生した。その原因は23年前にリリースされた、古色あふれるOS「Windows 3.1」が稼働するコンピュータシステムのクラッシュにあった。
現地時間11月7日、パリで最も利用客数の多い空港の1つであるオルリー空港では、DECORと呼ばれる古いコンピュータシステムが機能停止に陥ったため、飛行機の離着陸が数時間にわたって中断された。DECORは、航空管制システムとフランス気象局を接続するためのシステムだ。
現在の大学生のなかには、このシステムよりも若い人たちがいることを考えてもらえば、その古さを実感できるはずだ。
確かに、国家のインフラを構成する重要なシステムのなかには、何年にも、場合によっては何十年にもわたって使用され続けてきているものもある。重要なインフラシステムは、どのようなものであれ、ほとんど障害を発生させずに、ほぼ100%の稼働時間を維持する必要がある。
今日でも現役として使用されている重要なネットワークやシステムのなかには、ひどく陳腐化しているものもある。しかし、それは必ずしも悪いことであるとは言えない。
フランスの航空管制局労働組合の1つで幹部を務めるAlexandre Fiacre氏がVICE Newsに語ったところによると、今回障害が発生したシステムは、「Windows XP」やUNIXをも含む4種類のOSが稼働する、「いずれも10〜20年前の」さまざまなマシンで構成されているという。
Le Canard Enchaînéの記事によると、フランスの運輸大臣が同空港の機材を「2017年までにアップグレードする」と約束したという。しかしFiacre氏は、「最短でも」2年から4年はかかるだろうと述べている。
ここでの大きな問題は古くなったソフトウェアではなく、そうしたソフトウェアを退役させるまで誰がメンテナンスし続けるのかという点にあるのかもしれない。Fiacre氏によると、同システムの主要なメンテナンス担当者の1人が2016年に引退する予定だという。
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