生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは「くらしきらり解説」です。
きょうは加速するか?がん対策というテーマでがんについて取り上げます。
今や2人に1人が一生の間にがんになる時代ですがそんながんの対策を加速するプランが新しくまとまったそうです。
土屋敏之解説委員に聞きます。
まずは新しいがん対策はどういうものなんでしょうか?土屋⇒がん対策加速化プランというもので政府が年内に策定するとしているものなんです。
映像が出ていますけれど先週の金曜日に厚生労働省で開かれた会議です。
医療関係者や患者団体の代表などが集まった協議会でこのがん対策加速化プランの案がまとまりました。
これまでも、がんの対策は行われていたと思いますけれどなぜ過疎化プランが今改めて始まっているんですか。
ひと言で言うとこれまでのがん対策では十分な成果をあげていないと分かってきたからなんです。
国のがん対策というのは今から8年前これはちょうど第一次安倍内閣のときに作ったんですけれどがん対策推進基本計画というのを作って、それに沿って進めているんです。
その中には大きな目標としてがんで亡くなる人を大幅に減らすということを掲げたりしています。
がんで亡くなる方は年々増えていますよね。
実際には今も増えています。
ただこれは高齢化による影響も大きくて社会で高齢者の数が増えますとどうしても亡くなる方も増える傾向があります。
その影響を補正していれば70歳なら70歳でのがんの死亡率というもので見れば長期的にはやや下がる傾向にはなってきています。
そこでそれを年齢調整死亡率という言い方をしたりしますけれどそれを10年間で20%も減らすという目標を掲げて進めてきたんです。
これが残り10か年計画のうちあと1年数か月ということになって、ことしの段階であと20%減というのは達成が困難だということが分かってきましてそれで安倍総理がこの対策を加速するプランを作るということで急きょ検討が行われています。
それが今回、厚労省の協議会でまとまったという流れがあります。
それで急ごうということなんですね。
中身はどうですか?具体的に提言された内容です。
がんの早期発見とか予防とか治療、そしてがんになった方の生活に関わるものまで多岐にわたっています。
一つ一つ詳しく見ていきます。
まず職場でのがん検診を強化することがあります。
がん検診は大きく2つ受け方があるのをご存じですか?1つは自治体が行っているがん検診です。
主に主婦の方とか高齢者の方なんかがこちらを利用している方が多いと思います。
もう1つが職場のがん検診です。
サラリーマンなんかは胃のバリウム検査であるとかあるいは大腸がんの便潜血検査、職場を通してお知らせが届いたりということが多いのではないかと思います。
ところがこれまで国が制度を作ってきちんと把握していたのは自治体の検診のほうだけで職場のがん検診は基本的に企業の自主的な取り組みに任されていました。
企業によっては制度の有無自体も含めて非常にばらつきがあるんです。
がんで亡くなる人を減らすためにはきちんとしなくてはいけないということでとにかく早急に実態を調べてどんな検査項目が必要かというようなことを決めるガイドラインつまり、手引きを策定していこうということが盛り込まれています。
次に、がんの予防ということに関していうとやはり重要なのが喫煙率の低下です。
たばこを吸う人を減らすということなんですが今も日本では成人の喫煙率は20%弱あってこれは下がらない下げ止まっているという状況なんです。
今回、これを強化するためにはたばこ税を増税する引き上げるということが必要だという意見あとは逆に、たばこをやめたいという方については禁煙治療を保険で受けられる範囲を拡大していこうということが盛り込まれました。
たばこ税のさらなる増税なんですね。
こうした医療の枠の中にとどまらない対策を打ち出しているということが1つの特徴なんです。
治療に関していいますと医療機関を患者さんや家族が簡単に調べられるシステムを作る必要があるとしています。
これは例えば、子どものがんとか患者数が比較的少ないがんは全国でも治療できる病院の数がとても少ないですしどうやって見つけていいか分からないということもありますね。
そこで医療機関を検索できたりあるいは、医療の実績を比較できるようなシステムを作っていこうということを提言しています。
いい病院を探すことができるんですね。
治療に関していいますともう1つ、抗がん剤での副作用であるとかあるいは治療を行ったことによって伴う後遺症例えば治療後にリンパ節の周りがひどくむくんでしまうリンパ浮腫というもので苦しんでいらっしゃる方が多いんですけれどこうした、がん治療そのものだけではなくてがん治療に伴う副作用や後遺症の治療ということはこれまで医療機関によってまちまちでした。
かなり違いがあったんです。
そこでそうした副作用、後遺症、治療についてもガイドラインを作っていこうということになりました。
一定の基準は必要ですよね。
がんの手術も大変ですけれど術後の治療もなかなか大変ですよね。
がん治療は治療することに伴ってがんそのものもありますけれど仕事を続けられなくてやめてしまうということも多いんですけれどがん治療そのものに非常にお金がかかりますからそこで仕事が続けられないということになりますと二重に大変なわけです。
そこで治療中ですとか治療後も何らかの形で仕事を続けられるようにということでハローワークと病院が連携して就労支援をすることを強化したりあるいは雇う側の企業の支援を求めることガイドラインも作ろうとしています。
そうなりますと精神的にはずいぶん安心ですね。
いろいろ対策がありますけれどこうしたもので成果があがりそうですか?今回かなり踏み込んだ議論が行われています。
まとまった内容自体は一つ一つもっともなものだと思いますしぜひこれは積極的に進めていってほしいと思います。
ただ、あえて言いますとこうした対策の必要性は以前から指摘はされていたんです。
でも、それが十分進まなかったのには例えば、たばこ税の問題であるとか就労支援のように厚生労働省だけでやるといってもなかなか垣根があってできないということも多いわけです。
ですから今回は国として垣根を越えて本当に推進できるのかということが今度こそ問われていると思います。
ぜひ協力してほしいですね。
もう1つ、指摘しておきたいのはがん登録の問題です。
耳慣れないかと思いますけれどこれまでに日本のがん対策がなかなか十分に進まなかった背景にはがん患者さんの実数すら実は把握できていなかったんです。
よく患者の数が出ますけれど○○がんの患者数が全国で何万人と言われていますけれどそれは推計だったんです。
例えば欧米はもちろん韓国などでも基本的にはほぼすべてのがん患者を登録して国が把握する仕組みがありましてそれに基づいてそれぞれの患者さんのがんの状態治療についてどうだったかそれを結果をまとめて次の対策に生かすということをしています。
日本にはそういう制度がなかったわけですようやく来年の1月から法律ですべてのがん患者を医療機関が届け出るということが義務づけられまして全数が把握できる制度がこれから動き出します。
なぜ重要かといいますと例えば治療手段別の効果であったりあるいはがんの種類によっては地域に違いがあるのかということが正確に把握できればそこをねらって重点的な対策ができますしがんどうして見つかったかという経緯も報告するようになっていますのでそこを分析するとがん検診のありようを改善することにもつながっていきます。
いろんな使い道があるんです。
こういう仕組みを作るうえで患者さんの個人情報の漏えい対策というものをきちんとやらなくてはいけませんしそういった対策を取られることは前提のうえですけれども今後の対策に生かしていってほしいと思います。
今日は…2015/11/25(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「加速するか?がん対策」[字]
NHK解説委員…土屋敏之,【司会】岩渕梢
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【出演】NHK解説委員…土屋敏之,【司会】岩渕梢
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ニュース/報道 – 解説
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