(あさ)亀助さん。
ほんまはうちな…。
(亀助)はい?ほんまは人並みに旦那様のそばにいててお世話したりいつかややこを育ててみたいて思う事もあるんだす。
え?せやけど何やろ?今は気張れば気張るほど旦那様から離れてしまうみたい…。
旦那様は一つも悪い事あれへんのだす。
うちが旦那様の優しさに甘えてますのや。
お母はんは「胸張って生き」て言うてくれはったけどこのままやったら…このままやったらうち嫁失格やなて。
あ…嫌や。
堪忍!いや堪忍なんて何も…。
堪忍。
亀助さんにけったいな事聞かしてしもたな。
けったいなんて何も…。
忘れとくなはれな!さあ今は炭坑炭坑。
坑夫さんの事だけ考えな!いいや若奥さんかて人の子だすがな!そないにいつも真剣に坑夫の事ばっかり考えんかて!いいや。
うちは坑夫さんの事も家の者みたいに大事に思てんのやさかい。
(カズ)ああた…。
・「朝の空を見上げて」・「今日という一日が」・「笑顔でいられるように」・「そっとお願いした」・「時には雨も降って」・「涙も溢れるけど」・「思い通りにならない日は」・「明日頑張ろう」・「ずっと見てる夢は」・「私がもう一人いて」・「やりたいこと好きなように」・「自由にできる夢」・「人生は紙飛行機」・「願い乗せて飛んで行くよ」・「風の中を力の限り」・「さあ心のままに」
(亀助)「おふゆちゃん大阪はどないだすか?今頃は道頓堀で大歌舞伎の船乗り込みとかやってる頃だすやろか。
こっちはそないな華やかさとは無縁の男の世界だす。
おふゆちゃんには思いもつかへんやろけど炭坑は何百尺いう計り知れへん地ぃの底で働くのだす。
わても自然にキリリと気の引き締まる覚悟で…」。
(物音)わ〜っ!はぁ…何や若奥さんかいな。
びっくりしたがなぁ。
おはようさん。
おはようさんだす。
まだ暗闇ではありますが朝がやって来ました。
炭坑の朝は早いのです
・
(サトシ)おい起きろ!ほれ!さっさと起きて山に入れ!起きんかい。
何ブラブラしようとか!日が明けるったい。
腰が痛かとです。
今日は休ませち下さい。
ああ?何ちゃきさん!今頃になって仮病ば使いよって俺をごまかす気かこん横着者が!ああの…体きつかったら今日は…。
(大声で)よそ者が邪魔しよんなあが!そげんなまやさしか事すりゃ山ん坑夫たちゃすぐにみんな甘えてスカブラすっぞ!バカたれが!ス…スカブラ?
(治郎作)若奥さん余計な事しなんな。
へ?あっ…。
ブラブラすんな!早せえ!すんまへん親分さん。
そやけど…。
スカブラっちゅうのは怠けるっちゅう事っちゃ。
ヘヘッ。
俺でん分かる。
あん坑夫は怠け癖のついとっとたい。
やけんサトシが厳しゅうしよるったい。
坑夫も坑夫たい。
人んよか納屋頭だと逆になめられて押しが利かん。
確かにサトシはようけピンハネしとる。
ばってんできの悪か納屋頭じゃあなか。
山には山のやり方があるったいうかつに変えられんとよ。
親分さんも改革はせん方がええ思いはりますか?いつかはせんといかんのかもしれん。
けんどそれが今かどうかは…分からん。
うちは今や思うんだすけど。
(福太郎)ちょっ…姉御!やめちくれんね。
怪我でんされたら困るばい。
みんながこないして働いてんのにうちだけ何にもせぇへん道理がありますかいな。
それに怪我して困んのはうちも皆さんもおんなじだす。
ハハッ。
さすが姉御たい。
(伊作)岡出し姿も板に着いてきたごとある!よりようけの石炭を採った組の坑夫さんには加野屋からじかにご褒美を差し上げます。
これは皆さんのための新しい制度だす。
みんな平等にええ思いしてこの炭坑で働く事にこの先生きてく事に夢持ってもらいたいんだす。
(ざわめき)納屋頭さんのお仕事も何ものうなる訳やあらしまへん。
皆さんにはこれからも現場仕切ってもろてそのお手当も加野屋が十分にお支払いしよ思てます。
どうか分かっとくなはれ。
今ん話はどげん意味なん?
(紀作)ピンハネがのうなるっちゅう事か。
そりゃえらい儲けが増える事になるばい。
え〜もし異論がないみたいだしたら早速…。
みんな!だまされたらつまらんぞ。
みんな平等なんちうまい事言うて…この世に平等なんちあるか。
その証拠に掘っとるのは俺らやいうのに立場が強いんは銭持っとるあんたら加野屋さんたい。
世の中銭たい!銭持っとる者が強いとたい。
みんなだまされたらつまらんぞ。
こいつら俺たち弱い者を少ない銭で働かしちボロ儲けしよ思うとるとたい!そんな…うちは皆さんのためにて…。
(大声で)何が平等か!お前んだち金持ちの理屈を勝手にこん山に持ち込まれてたまるか!
(福太郎)そうちゃそうちゃ。
俺だちにゃ俺だちのやり方があるったい。
そうたい!お前だちゃ加野屋と俺とどっちがお前だちの味方やち思う?お前だちがこいつらの言う事聞く言うならどげんこつなるか…覚悟しとけよ!そそ…そげなか…金持ちの話聞く訳なかろう!そうちゃ。
納屋頭の言うとおりたい。
やっぱり…。
(宮部)言ったとおりっちゃ。
誰も聞きゃせんて。
なんちゅうこっちゃ。
何でだす?何でだす!?今のままでほんまにええんだすか?何で勇気出して今を変えようとしはれへんのだす?うちは…うちはみんなにその日暮らしやのうて夢持って働いてもらいたいて…。
夢なんかいらん。
そんなん金持ちのみるもんちゃ。
おい行くぞ。
へぇ。
(ため息)
(亀助)「若奥さんがみんなのためにと考えた申し出は坑夫たちの耳には届きまへなんだ」。
(正吉)う〜ん苦労かけてるなぁ…。
(ふゆ)「まだしばらく帰られへん」て書いてあります。
(うめ)ほんなら新次郎様のお三味線の会が…。
おあさ様えらい楽しみにしてはったのに。
(新次郎)ハッ。
わての道楽なんぞどないでもよろし。
あさはお家のために頑張ってくれてますのや。
そらそうだすけど…。
ええのやて。
けどふゆちゃん宛てに手紙まで書いてくるやて亀助もなかなかやりますなぁ。
新次郎様…。
(ため息)あんたおおきに。
(新次郎の鼻歌)
(美和)・「港入り新造船」
(拍手)
(大久保)さすがかつては大阪で一番といわれた芸子だ。
おおきに。
美和と申します。
どうぞよろしゅう。
(友厚)よろしゅう。
私は…。
五代友厚様。
大阪の恩人さんだすなぁ。
大阪の人間で五代様のお名前を知らん者はいてしまへん。
お〜さすがじゃのう!美和。
この男は大阪の恩人であるだけでなく日本の恩人じゃ。
五代友厚がおらなんだら日本の金銀は外国に全部かすめとられておった。
大げさな。
戻ってきてくれ五代君。
東京に来て我が国の大蔵になってくれ。
(ため息)
そしてあさは学問だけではどうにもならない現実の壁に突き当たっていました
2015/11/25(水) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 あさが来た(51)「炭坑の光」[解][字][デ][再]
あさ(波瑠)は、炭坑の仕組みを変えたいと炭坑で働く人たちの前で話すと、突然サトシ(長塚圭史)が…。大阪では、新次郎(玉木宏)と五代(ディーン・フジオカ)が…。
詳細情報
番組内容
九州の炭坑であさ(波瑠)はある悩みを亀助(三宅弘城)に打ち明けると…。亀助もある思いを持っていて…。そしてあさは、炭坑をよりよくするための新しい仕組みについて、坑夫たちに話す、すると突然サトシ(長塚圭史)があることを言いだす。大阪では、ひとり夜遊びに出かける新次郎(玉木宏)が…。そして五代友厚(ディーン・フジオカ)は大久保利通(柏原収史)からある提案を受け…。
出演者
【出演】波瑠,玉木宏,ディーン・フジオカ,三宅弘城,友近,柏原収史,野々すみ花,清原果耶,楠見薫,北原雅樹,平田理,中山義紘,富田靖子,長塚圭史,山崎銀之丞,梶原善,風吹ジュン,近藤正臣ほか
原作・脚本
【作】大森美香
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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