NHK高校講座 物理基礎「弦楽器の音を調べる〜弦の振動〜」 2015.11.25


ギターやバイオリンといった…弦をはじいたりこすったりするとそれぞれ特有の音を出します。
一体弦楽器の音はどのようにして決まるのでしょうか。
(2人)こんにちは。
弦楽器はギターを少々。
ちょっとした弾き語りぐらいならできるかな。
黒田有彩です。
弦楽器は経験値ゼロ。
熊谷知博です。
え〜全然弾いた事ないの?う〜ん指で押さえて弦をはじくっていう仕組みは理解してるけど弾いた事はないんだよね。
そっか。
ではこのギターを使って一緒に弦楽器の音について調べていきましょう。
うん。
では3つのポイントはこちら。
どうして弦をはじくと音が鳴るのか。
それにどうして音が高くなったり低くなったりするのか。
そして「倍振動倍音」?何の事なんでしょうか。
まずは弦楽器の音の出し方の基本をギターを使って説明します。
弦楽器は弦を押さえて…。
(ギターの音)はじく。
このように…弦の振動が出す音をこの胴で更に大きな音にしているんです。
今回弦の振動についてお話頂くのは大津豊隆先生です。
(2人)よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
弦楽器が出す音を学習する上で思い出して頂きたいのが進まない波…実は…ではまずギターの弦が振動する様子を見ていきましょう。
(ギターの音)真ん中が膨らんで腹ができているように見えます。
ギターの弦では振動が小さいのでゴムひもを使って調べます。
振動を起こす装置にゴムひもをつなげます。
スイッチを入れ振動数を上げていくと…。
ある振動数になったところでゴムひもが振動を始めました。
腹が1つの定常波ができています。
弦にできる定常波は弦を伝わる波が両端で反射を繰り返して右に進む波左に進む波が重なり合ってできていました。
またこの場合弦の両端は固定端になっています。
ですので弦楽器に定常波ができてる時その両端は節になります。
あの映像の中である振動数にならないと定常波ができてなかったけどあれってどういう事なの?ほら例えばブランコを押してあげる時揺れに合わせて押してあげないとやみくもに押したって揺れは大きくならないよね。
あ〜なるほど。
それと同じでそれぞれの弦にマッチした振動でないと定常波は起きないの。
その定常波ができる時の振動数を…固有振動数は弦楽器だけに限らずあらゆる音が鳴るものにあるものなんだよ。
そうですね。
例えば楽器以外にもこちらに五百円玉がありますけどもこれを床に落としてみます。
(五百円玉が床に落ちる音)いかにもチャリ〜ンというコインらしい音がしましたけどもドカッとはしませんよね。
これはコインが固有振動数を持っているからなんですよね。
このようにどのような物体にも固有振動数があります。
(机をたたく音)これも固有振動数と言えますよね。
では続いてその固有振動数の変化についてです。
弦はその長さや太さそれから糸の張力などの違いによって固有振動数が異なります。
そして振動数が異なると音の高さが変化します。
では高さの違う音の出し方の基本を説明します。
まずは弦の太さです。
弦の太さは上が太くだんだん細くなっていきます。
続いては弦の張力です。
張力を強くしていくとだんだん高い音になります。
逆に緩くすると低い音になります。
最後は弦の長さです。
(ギターの音)音は高くなります。
こうして弦を押さえてメロディーを奏でたりコードを弾いたりしているんですね。
前回……という事を学習しました。
弦楽器の場合も振動数が大きいほど音が高いんです。
すなわち…では先ほど黒田さんが実演してくれたとおり……という事を確認してみましょう。
まずは弦の太さと振動数の関係を確かめてみましょう。
太さの異なる2本のゴムが張り渡されています。
それぞれの端に同じ重さのおもりが付いています。
細いゴムの反対側を引っ張って張力をかけます。
太いゴムにも同じように張力をかけます。
おもりの重さは同じなので2本のゴムの張力は同じです。
ではゴムを振動させて違いはあるか確かめてみましょう。
スローモーションで見てみましょう。
ゴムが振動する回数を比べてみて下さい。
続いては弦の張力と振動数の関係を確かめてみましょう。
今度は同じ太さのゴムにして張力をかけます。
上のゴムには2つのおもり。
下のゴムには1つのおもりを付けます。
上のゴムには2倍の張力がかかっています。
この状態で振動させて違いはあるか確かめましょう。
スローモーションで見てみましょう。
弦が細い方が振動数が大きい。
そして張力が強い弦の方が…。
(徐々に高くなるギターの音)振動数が大きいという事が分かりました。
あとは弦を押さえる所によって振動数がどう変わるかだよね。
うんそうだね。
では確かめてみましょう。
今回は実験ではなくてこれまでに学習した事柄を使います。
こちらに波の速さを表す式……があります。
覚えてますか?この式を使って弦の長さが短い方が振動数が大きい事を確認しましょう。
(ブツリン)波の速さの式……を長さの異なる弦に当てはめて考えてみよう。
波の速さvは同じ弦を使っているから同じだよね。
弦の長さが短い方が波長λの値は小さくなる。
という事は弦の長さが短い方が振動数fは大きくないと波の速さは同じにならない。
つまり……という事が式から確かめる事ができるんだね。
ここまでは弦楽器の音の基本について学習しました。
うん。
弦には定常波ができていて振動数を変える事で音の高さを変えているって事なんだよね。
そう。
じゃあ次はどうして同じ弦楽器でもギターはギターの音ウクレレはウクレレの音がするのか。
音色の違いについて確かめてみましょう。
うん。
…という事を前回学習しましたよね。
こちらはギターとウクレレの波形です。
このように…定常波は1つじゃないって事だよ。
うん。
先ほどの映像では腹が1つの定常波ができるところまでを確認しました。
ではその続きを見てみましょう。
固有振動に達して定常波ができたところから更に振動数を上げていきます。
一旦定常波はなくなりますがまたある振動数になると今度は2つの腹の定常波ができました。
更に振動数を上げるとある振動で3つの腹の定常波ができました。
振動数を更に上げると腹の数がどんどん増えていきます。
今の映像にあったように弦の振動には腹が1つの振動。
そして腹が2つ。
そして3つ。
そしてそれ以上の振動というものがあります。
腹が1つの振動を基本振動と呼びます。
そして2つの場合を2倍振動。
そして3倍振動。
そしてそれ以上の振動と続いていきます。
これらを倍振動と呼んでいます。
そして…この倍音の違いが楽器ごとの音色の違いを生み出してるという事なんです。
えっどういう事?詳しく説明するね。
例えば440Hzのラの音叉を鳴らした時…。
じゃあ熊谷君ちょっと鳴らしてみて。
うん分かった。
(音叉の音)この波形はこんなふうに単純な形だったでしょ。
これは音叉がほぼ基本振動の音だけが出る特別な音響器だからなの。
ふ〜ん。
ギターやウクレレは440Hzのラを出すと…。
(ギターの音)この440Hzのラの音の中に基本振動だけじゃなくていくつもの倍振動2倍振動による倍音や3倍振動による倍音が混じってるの。
だからギターやウクレレの波形はこんなに複雑な形をしてるんだね。
ではギターとウクレレこれらの音色の違いを調べるためにこれらがそれぞれどのような振動数の音を出してるのか調べていきましょう。
ギターとウクレレの弦の振動数を調べてみましょう。
音の振動数を詳しく調べる事ができる機械を使います。
横軸が振動数縦軸が音の大きさになっています。
それではまずはウクレレの振動数を測定します。
440Hzのラの音です。
(ウクレレの音)
(ウクレレの音)大きい山が何か所もあります。
440Hzの次に880Hz。
次に1,320Hzです。
基本振動数の2倍3倍の振動数が同時に出ている事が確認できます。
同じようにギターの440Hzのラの音の振動数を測定します。
(ギターの音)ウクレレの時と同じように基本振動の倍振動が確認できました。
では今の結果をまとめてみましょう。
倍振動の音の大きさこれが違います。
ギターはほかの振動数も見えますよね。
つまり音の中に含まれる倍音の比率の違いこれが音色の違いを生み出しています。
つまり倍音の違いの比率などがこちらの波形の違いになっていてそれが音色の違いになっているという訳なんですね。
倍音の比率の違いが音色の違い。
これは弦楽器に限らず全ての音に言える事なんです。
そこで今回音をつくる現場ではどのように倍音を操っているのか見に行ってみたいと思いま〜す。
今回私がやって来たのは楽器や音楽音響機器などを製造する会社です。
ここでは多くの音のスペシャリストの方々が働いています
こんにちは。
こんにちは。
ようこそ。
電子楽器の設計をしている大高さんです。
大高さんの担当は電子ピアノなどの音づくり。
一体どのように音をつくっているのでしょうか
最近ではサンプリング音源という音源が主流でものの楽器の音を録音してそれを取り込んで再現するっていう仕組みなんですけれども。
楽器ごとに音色が違いますよね。
つまり倍音が違うって事ですよね。
そうですね。
楽器ごとに倍音は違うんですけれどもあと一つの楽器でも…その弾いた強さによって変わる倍音なんかを私は一つの音色で調整をしています。
倍音は音色の違いだけではなく音の強弱にも大きく関係しているそうです。
そこで大高さんがふだんどのように倍音を調整しているのかサンプリングを体験させて頂きました。
ギターの音を録音します
(ギターの音)
その音を加工して電子楽器に搭載します。
調整した音を聞いてみました
(大高)じゃあちょっと強く弾いてみますね。
(電子楽器の強い音)うわ〜やっぱりいっぱい出る。
そうです。
強い時にはたくさん多くの倍音が出ます。
じゃあ弱く弾いてみましょう。
(電子楽器の弱い音)はあ〜全然違いますねやっぱり。
そうですね高い倍音は全然出ていませんね。
この高い倍音が出ていないっていう事が弱いっていう事なんです。
音色の違いだけではなく音の強弱の違いも倍音の違いなんですね
この倍音の出方を変えるための仕組みをフィルタといいます。
で今そのフィルタという仕組みの調整をしました。
フィルタは1つの音源から鍵盤を強く弾いた時には強い音。
弱く弾いた時には弱い音が出るように高い倍音を調整しています
実際の音づくりではフィルタの調整だけではなく時には倍音を細かくいじる事もあるそうです。
そこでこんな質問をしてみました
倍音を調節して今はギターの音ですけどそれを例えばトランペットに変えるみたいな事もできるんですか?まあ原理的にはできるんですけれどもちょっとそれはすごく大変なので最近の主流はこのそれぞれの楽器の音を録音して再生するっていう方式が主流になってます。
主流なのはサンプリング音源。
しかし物理音源といって楽器の構造から計算してコンピューター上でつくりあげた音源があるそうです。
最後にその音を聞かせて頂きました
(電子楽器の音)
本物のトランペットの音に聞こえますよね。
計算だけでつくりあげたなんてすごい技術ですね
今日は弦楽器の音を中心に学習してきました。
弦楽器の音はこれまでに学習した波の性質を理解して当てはめる事でその正体が明らかになってきました。
楽器って弾くのもそうだけど音が出る仕組みも単純じゃなかったんだね。
そうだね。
音も楽器も奥深い。
だからこそ楽しいよね。
うん。
それでは皆さん…。
(3人)さようなら。
弦楽器は弦の振動によって音がつくられます。
弦に定常波ができます。
弦楽器は弦の長さや太さ張力を変え固有振動数を変化させる事で音の高さを決めています。
音には基本振動に対してさまざまな比率で倍振動による倍音が入っています。
(垣内)隊長こんにちは。
2015/11/25(水) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 物理基礎「弦楽器の音を調べる〜弦の振動〜」[字]

弦楽器の特徴を、弦の長さ、弦の太さ、弦を張る力の大きさについて調べていきます。学習のポイントは、1.弦楽器の音の出し方2.音の高さを決めるもの3.倍振動と倍音

詳細情報
番組内容
ギターなどの弦をはじくと音が聞こえる。「細い弦ほど」「短い弦ほど」「弦の張力が大きいほど」音が高いという関係がある。弦に振動を与えると、ある振動数のときに定常波ができる。この振動を固有振動といい、そのときの振動数を固有振動数という。弦の固有振動数は弦の長さや太さ、張力などによって決まる。実験によって確かめるとともに、倍振動と倍音についても理解を深める。【講師】大津豊隆(豊島学院高校教諭)
出演者
【講師】豊昭学園豊島学院高等学校教諭…大津豊隆,【司会】黒田有彩,熊谷知博

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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