NHK高校講座 地学基礎「火山の恵みと災害」 2015.11.25


音には基本振動に対してさまざまな比率で倍振動による倍音が入っています。
(垣内)隊長こんにちは。
(関口)おっ?何だ風呂でも行くの?んっ?違いますよ。
隊長聞いて下さい。
私今日と〜っても楽しみにしてる事があるんです。
と〜っても何?えっ?あの〜今日のテーマは「火山の恵みと災害」ですよね。
ええ。
で火山の恵みといえば…これですよね。
桶と手拭い?はい。
あっなるほどね。
つまり垣内隊員は調査のために温泉に行くと思ってる訳だねこれ。
そうです。
温泉大好きだったもんね。
大好きですよ。
そういえば。
で調べ隊で「温泉に行ってこい」って絶対ありますよね。
残念ながらございません。
えっ…。
そんな都合のいい調査がある訳ないでしょうに。
仕事と趣味は別!うわ〜意地悪するんですね。
そうやって隊長は。
意地悪してる訳じゃ…。
へ〜あ〜そうですか。
ええええええええ。
分かりました。
ほんじゃあ今回は「火山の恵みと災害」について学びますよ。
はい。
そこで用意致しましたのが…。
おっお願いします。
いつものごとく3つのキーワードですが1つ目はい。
そしてはい。
ラスト。
…という事はいい事も悪い事もありますね。
おっいい事言うね。
うん。
そこがポイントなの。
そうですよね。
いい事も悪い事もある訳よ。
どっちからいってみます?いい事の方からいってみる?そうですね出だしは。
出だしは。
じゃあはい…かっきーは火山のおかげでできるいい事っつったら何を思い浮かべますか?ほらっ温泉ですよ温泉。
ああそうか。
さっき温泉こだわってましたもんね。
うん。
確かに温泉は最高です。
うん。
だけどそれだけじゃない訳なんですな。
えっそうなんですか?ええ。
いろいろあんのよ。
こんな図用意しました。
あれっ隊長。
これこの温泉につかってるのこれ私ですよね。
おたくです。
ワオ。
温泉にこだわってるからね。
ハハッ。
まあ火山の恵みとしてはねやっぱり温泉はいの一番にきますもんね。
うん。
気持ちよさは皆さん経験があるから言うまでもないでしょうね。
そうですね。
…っていう事で次行っちゃいましょうか。
えっ!温泉の調査行かないんですか?だから行かないっちゅうのそんなもの。
そうなんですね…。
そんなに行きたかったかね。
私なんかふだん自分の伊東の方に温泉がありますから毎日のように入ってますけどね〜。
うわっそれ自慢ですか?あ〜出た出た。
隊長のそういうところ。
という訳で気を取り直しましてこちら見て下さい。
はい。
これ何か…かっきー見てますね何か。
本当だ。
これ遠くの山見てますね。
これは火山が作り出す地形の美しさですな。
ん〜。
垣内隊員そういえばさ富士山に登った事があるとか言ってなかったっけ?ん。
ありますよ。
富士山そのものもきれいだったし富士山からの眺めも最高でした。
ですか。
うん。
それですよ。
うん。
そういう事か。
まだまだあれよ今度これお水…。
飲んでますね。
その時さ富士山のわき水飲まなかったの?あっその時は残念ながら飲む機会なかったです。
それは残念な事しましたね。
うん。
火山っていうのはですね隙間が多い溶岩でできてるじゃない?だから降った雨ってすぐこう地面に染み込んじゃう訳ですよ。
そのために染み込んだ水が地下水になって今度はあっちこっちから湧き出してくる訳ね。
これがまたおいしいんですわ。
なるほど。
で隊長。
こっちではもくもくと煙が上がってますけどこれ何ですか?地熱発電所ですよ。
う〜ん。
あの…地熱で発生した蒸気を使って発電する仕組みのね。
でですよこっち何か掘ってます。
ええ。
あの火山のマグマっていうのはさ地下の深〜い所からいろんなもの運んでくる訳じゃない?だから噴火が終わってみた日にはねっ。
マグマが冷えてみた日には地球の内部から運ばれてきたすてきなもの例えばですよ金ゴールド。
へ〜。
銀。
シルバー。
シルバー。
今浮かばなかった。
銅でしょ。
はい。
亜鉛でしょ。
本当にいろんなものが見つかる事がある訳ですよ。
へ〜。
でこれ隊長何か野菜作ってますけど。
ええ。
あのね火山灰ってさあの…それが積もってできた土ってさ有機物をたくさん含んでんのよ。
へ〜。
しかも水はけがいい訳じゃない。
だから野菜作るのに向いてるんですよ。
なるほど。
じゃあこうやって見てみると火山の恵みっていうのは温泉だけじゃなくて私たちのこの生活の中にいろいろ役立ってるんですね。
そうです。
いっろいろあるんですよ。
だけどねっ日本は火山が多い国だっていわれてますけど活火山はいくつあったか覚えてます?う〜んと確か…そうでしたね。
その日本にいっぱいある活火山静かな時にはこうやっていろんな豊かな恵みを与えてくれるんだけども一たび噴火しちゃったら大きな被害をもたらす事もあるわね。
うん。
次悪い事こちら…噴火による災害ですね。
以前の回では桜島の噴火を見ましたけどあれすごい噴煙でしたよね。
すごかったね。
2013年の8月の噴火でございました。
この時火山灰の被害などはまああったんだけども幸いにして大事には至らなかったようですね。
はい。
だけどもさあんた火山の噴火は場合によっては本当とんでもない災害になるのよ。
そうですよね。
はいこちら。
ワオすごい。
2つの噴火の様子が描かれてるのこれ。
でこっちが溶岩流で…。
ふ〜ん。
こっちは火砕流です。
溶岩流と火砕流はどう違うんですか?じゃあそれぞれどんなものか見てもらいましょうか。
はい。
恐ろしいもんですよ。
うん…。
東京から南へおよそ180km。
伊豆諸島の三宅島は周囲35kmの火山島です。
あふれ出した溶岩は人が歩くくらいのゆっくりとした速さで流れ下り森の木々を焼き尽くしました。
噴火が始まって2時間後溶岩は海岸沿いの町まで流れてきました。
ゆっくりと流れ道路を塞ぎます。
住民が最も多かった阿古地区では400戸近い住宅が溶岩にのみ込まれました。
これが溶岩流です。
一方こちらは1991年長崎県の雲仙普賢岳で起こった噴火です。
この火砕流によって地元の住民や報道関係者などに多くの犠牲者が出るという大惨事になりました。
大きな破壊力を持つ噴火それが火砕流です。
隊長。
溶岩流と火砕流どちらも大変な災害を起こすんですね。
えらい事でしょ。
うん。
溶岩流と火砕流の違いを確認しときましょっか。
はい。
溶岩流はマグマが火口から流れ出したものですね。
ですから溶岩は比較的ゆっくり流れるんで普通だったら歩いて逃げる事ができます。
が…。
はい。
一方火砕流。
火山灰や火山から噴出した固体がですね高温の火山ガスと混ざり合って山の斜面を急速に流れ下るの。
…っちゅう事ですからそのスピードはなんと時速100kmにもなる事がございまして発生してからではとても逃げきれません。
そうなんだ。
その上破壊力はめちゃくちゃ大きいんですな。
へ〜。
それが特徴です。
ふ〜ん。
一口に噴火といっても随分性質が違いますよね。
ええ。
ところで隊長。
こういうこの火山の災害を防ぐ方法っていうのはないんですか?一番知りたくなりますわね。
うん。
それがちゃんとご用意してございますよ最後のキーワードです。
大きな噴火が始まる前の現象を捉えられれば事前に警戒情報を出す事ができる訳だもんね。
そうですよね。
じゃあ噴火の前にどういう現象があるんですか?まあそれは火山によっていろんな個性があるんだけどもさ。
うん。
ですからその調べ方もいろいろある訳。
うん。
例えば長野県と群馬県にまたがる浅間山あれの場合はこんな方法で調べてますよ。
んっ何かいろいろ書いてありますけどこれ何ですか?全部噴火の予兆を調べる観測機器なの。
ふ〜ん。
この火口のぞくカメラねこれね浅間山の頂上に取り付けられたカメラで火口の様子を24時間監視してるのね。
うん。
たださいつも晴れて視界がいい日ばっかじゃないじゃない?そうですよね。
そこでほかにもいろんな装置で観測してるっていう話な訳ですよ。
ふんふん。
じゃあこの傾斜計っていうのは何を調べるんですか?これはですね火山の変形を調べる装置ですね。
ふ〜ん。
例えば山の斜面の傾き具合の変化とか山の形のゆがみなんかですな。
なるほどなるほど。
これ空からも調べてますね。
はい。
このヘリコプターは火口の監視用ね。
うん。
で衛星からはGPSを使って火山の伸びたり縮んだりという変化も調べてますね。
こうやっていろんな角度から得られたデータを基にして噴火予知ってのが行われるっちゅう寸法な訳ですな。
うん。
じゃあこれだけいろんな方法で調べていれば噴火予知万全ですね。
…と思うでしょ。
うん。
これだけやっても噴火予知ってのは難しいんですよ。
へ〜。
そこで最近ではすごい観測方法が注目され始めてるんですな。
おっ!何ですかそれ?あのね火山の内部を見ちゃおうっていう…。
んっ!?びっくりでしょ。
それはどうするんですか?それは…。
はい。
垣内隊員が…。
おおっ。
調べてくるのよ〜。
お〜なるほど分かりました。
じゃあ早速行ってきます。
よろしくお願いしますよ〜。
垣内隊員が訪ねたのは…先生。
こんにちは。
こんにちは。
よろしくお願いします。
宇宙線を使って火山の観測をしています。
先生。
火山の内部を見ちゃおうっていう事なんですけど簡単にいうとどういう事なんですか?垣内さんはレントゲン写真を撮った事がありますか?はい。
え〜その写真を見ると白い部分が骨黒い部分が肉というふうな感じで明瞭に見て骨の形を見て取る事ができますけども同じような原理で火山のレントゲン写真を撮るのがこのミューオグラフィーという技術で火山を通り抜けるミュオンという素粒子を使うと同じようにミュオンフィルムに相当するものを火山の麓に置けば火山のレントゲン写真を撮る事ができます。
宇宙線はその種類によって透過度が違います。
例えばX線は数mの薄いものしか透過しませんがニュートリノはなんと1万km以上のものを透過。
そしてミュオンはその中間。
数kmのものを透過します。
火山観測にはこのミュオンが使われます。
この写真を見て下さい。
これは薩摩硫黄島という火山で九州の南100キロぐらいの所に位置する火山です。
この火山は今でも活動を続けている日本を代表する活火山です。
この火山の麓にえ〜先ほど説明したレントゲンフィルムに相当するミュオン検出器というのをこちらに置きます。
へ〜。
これがまさに近望から撮った薩摩硫黄島でこれがその検出器を保護するプレハブです。
火山を通り抜けてきたミュオンを検出器で捉えてレントゲン写真のように火山の内部を写します。
あれっこういうふうに見えるんですか。
そうなんです。
え〜すごい。
この赤い所が山体と呼ばれてまさに山の体に相当する所でこの青い部分がマグマです。
青い部分マグマが上に上がれば噴火が近くその状態が続いていれば噴火に注意を続けなければいけません。
一方青い部分が下がれば噴火は終わったか噴火に対する警戒を強めなくてもよいという事になります。
先生。
これ…え〜将来はですねこれ1か所から撮ったレントゲン写真ですけども…それによって…なるほど。
よろしくお願いします。
こんにちは。
今日はえ〜っと火山についてでしたけどもえ〜被害とか災害といったらなにもその…噴火自体ばかりじゃなくて灰の害もありますよね。
それからもしかすると突然の湧水で地面がびちゃびちゃになっちゃうとかまあいろんな災害がある訳ですからやっぱり…地震に比べればある程度例えば一両日中に噴火するとか1週間以内っていうところぐらいまではいけてるケースも出てきてます。
何でその「一両日中には」ってとこまで分かるんすか?あの…1つはマグマっていうのは液体です。
で液体のマグマが火山の中を通過する時にどうしても無理やりと割れ目なんかを伝っていきますから火山性の地震が起きるんですね。
うん。
でその火山性の地震でどこが震源かっていう事でマグマが上がってるっていう事も分かりますしそれからマグマの位置が変わる事によって例えば重力だとか地磁気の様子が変わってくるっていう事もあります。
あるいはもちろん先ほど紹介されていたような傾きが変わるっていうような事だってあるでしょうしまああの…湧水の湧き方水のかれ具合っていうのももしかしたら参考になるかもしれません。
それだけいろんな要素があるのに何時何分までは分からないのは逆にいうと何でなんでしょうか?やっぱりさすがにどこまでそのマグマが上がってくると噴火するかっていうのは読みづらいっていうところもありますしまあただあの…火山の場合には過去の噴火例がありますからこういう状況だったらどんな噴火するっていうのがある程度は分かりますのでそういう過去の事例を参考にすると少しは予知ができるのかなっていうふうに考えられます。
あんまりいつ何時何分まであの…予知できるようになるかなと思ってない方がいい?とりあえずはそうですね。
ただこの火山が危ないといった時に油断せずに避難をする準備をしたり場合によっては避難をするっていう事も必要かもしれませんね。
なるほど。
外れる心配よりもきっかけを知る…事の方が重要ですもんね。
ええ。
可能性として知らされたら心構えをする。
そうですね。
噴火するしないじゃなくてね。
ええ。
はい。
分かりました。
これだけいろんな情報集めたところでですよいろんなケースがあり過ぎて何月何日何時何分何秒っていう予知は難しい訳ですよ。
ですよね。
でもですよ。
はい。
私びっくりしたんですけどあの火砕流。
うん。
あれ知ってます?800度ぐらいあるんですって。
そうだよね〜。
外から見てるともくもくしてるだけだから。
だから私も被害的にはちょっと灰をねいろいろかぶってそれが大変とかっていうだけだと思ってたらあれにのまれちゃいけないんですよ絶対。
火砕流は見てくれ的に気付きづらいが恐ろしいもので。
勢いもすごいし温度もすごいからやっぱりねそのためにもそう予知をやっぱりしっかりできる未来になってほしいですよね。
そういう事なんですよ。
本当におっしゃるとおり。
よく分かりましたね。
はい。
じゃあ私はお風呂でも入ってこようかな。
え〜!隊長が行くんですか?ええ。
ずるっ!ああ気持ちいいだろうな〜。
それ私のなんですけど…。
あ〜…。
2015/11/25(水) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地学基礎「火山の恵みと災害」[字]

「地球」は私たちにとって掛け替えのない存在です。その地球を、「宇宙の中の1つの星」「地球という物体」「地球の歴史」そして「環境」という視点から学んでいきます。

詳細情報
番組内容
温泉や湧き水、美しい景観など、われわれは火山からさまざまな恵みを受けている。地熱発電や金属鉱床といったエネルギー資源や鉱物資源も、火山の恵みの一つといえるだろう。一方で、火山の噴火によって、さまざまな災害が引き起こされる。溶岩流と火砕流の違いは、どんなものなのか。災害を引き起こす噴火の予知は、できないのだろうか。火山の恵みと災害について学んでいこう。【出演】関口知宏、垣内彩未【講師】田中義洋
出演者
【司会】関口知宏,垣内彩未,【講師】東京学芸大学付属高等学校教諭…田中義洋,【語り】市川展丈

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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