見せます!地方のプライド〜“縮小日本”への戦略〜 2015.11.25


生字幕放送でお伝えします
あら、きょう貸し切りですってよ。
そうなんですよ、ミッツさん。
実はこちらのコーヒーショップでは地方をとにかく元気にしようというミーティングが行われているんです。
ずいぶんと深い話をしてるのねこんな時間にね。
とりあえず、のぞきませんか。
ミッツさんお待ちしていました。
今夜は今大きな転換期を迎えている地方創生について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
よろしくお願いします。
地方創生、どうですか?ぱっと説明つきますか?
今、石破大臣が頑張っていらっしゃる地方創生ですよね。
ちょっと分かりづらいところもあるのでひとまず、こちらをご覧ください。
日本地図赤く塗りつぶされていますが将来なくなってしまうかもしれない自治体の数なんですね。
全国でおよそ半数以上の自治体が。
それで、ちょうど1年前地方創生法という法律が成立しました。
急激な人口減少と東京一極集中を乗り越えるために地方の町に多様な人と仕事を確保しようというのが狙いだそうです。
その法律ができて1年がたちました。
今、全国各地ではとにかく地方の活力を取り戻そうという取り組みが始まっているんですね。
そこで、そうした取り組みを取材しているきょうはNHK各局の記者たちが来ています。
申し遅れました、私も福岡からやってきました。
駆けつけてまいりました。
私あれ気になってるんですけど先ほどから。
立派なお魚がありますけど。
あれはブリです。
ブリも地方創生と深い関わりがあるので後ほど、ご紹介いたします。
人も減り金も少ない中で私たちのふるさと・地方をどうやって豊かに元気にしていくか。
それぞれの強みを生かしたチャレンジが必要となっていきます。
今回はそうした地方の取り組みをさまざまご紹介したいと思います。
まず、ご紹介するキーワードはわが町の切り札は?ということで地域の強みを切り札として地方を元気にしようとするまずは北海道と九州の町の取り組みをご紹介します。
まるで海外みたいな雰囲気。
この雰囲気が多くの人を引き付けているんです。
国際的なリゾート地となっている北海道のニセコ町です。
最大の魅力はさらさらのパウダースノー。
日本でバブル崩壊後にスキーブームが去ったあとこの雪を目当てに続々とやってきたのが外国人でした。
その後、外資系のホテルや飲食店が次々とオープン。
雇用の場が生まれ家族で移住してくる外国人も増えました。
そこで、ニセコ町はこの規模の町では異例のある施設を誘致しました。
それは…。
イエスタデーマンデー。
インターナショナルスクールです。
オーストラリアやイギリスなど4か国15人が学んでいます。
外国人が住みやすい環境を整えようというのが狙いです。
♪〜ニセコ町が進めてきた国際的な町づくりは意外な効果を生み出しています。
夏休みにインターナショナルスクールが開く体験講習。
日本全国から子どもたちが参加しています。
最近は日本人の家族も移住してくるようになったのです。
このところ、ニセコ町の人口は増加傾向が続いています。
国際化を切り札にした町の取り組みが多くの人を引き付けています。
一方、外からの視点で切り札を見いだそうとしている町もあります。
このCMを制作したのは鹿児島県の長島町。
養殖ブリの生産量が日本一の、この町は今、ブリを切り札に活性化を進めています。
仕掛けたのは副町長の井上貴至さん、30歳。
井上さんは総務省のキャリア官僚。
活性化の旗振り役を探していた町にこの春、やってきました。
東京のIT企業社長を起用してPRサイトやCMを作成。
就任以来井上さんが打ち出した事業は48にも上ります。
中でも井上さんが力を入れているのが、この事業。
進学で町を出る若者が将来戻ってくれば奨学金の返済を免除するという制度。
1億円を準備します。
やつぎばやに事業を進める井上さん。
今月、総務課長に組織の大幅な見直しを提案しました。
課長のポストを減らし地域おこしに関わる現場の職員を増やしたいと求めたのです。
大胆な提案に戸惑う総務課長。
霞が関から町に来て、およそ半年。
取り組みは、まだ道半ばですが外からの視点を忘れず地元の人たちとともに切り札を見いだしたいと考えています。
なかなか、がしがし切り込んでいってましたねあの若い方。
地方は地方ならではののんきさっていったらあれですけどやっぱりね、そこにがっとくるとちょっとね。
そこを乗り越えないといけないレベルに今、きてるってことなんですね。
取材した記者に聞いてみましょうか。
鹿児島放送局の若林記者お願いします。
まさにおっしゃられたとおり今が正念場っていうところなんですよね。
のんきじゃなくてのどかって言いたかったの。
町としてもこの急速に進む改革。
これを、なんとか乗り越えて生まれ変わろうとしています。
それを私も今後も継続して取材していきたいと思っています。
ミッツさん、ここでのキーワードなんですけど選択と集中なんですね。
何を残して、何を削って、どんな新しい事業に限りある人と金を振り向けるか。
人口が減少社会が縮小する時代にはこの選択と集中は避けられない課題。
わりと早急に取り組んでいかないとだめってことなんですね。
こんばんは。
ここからは話を深く掘り下げるためにゲストの方、お招きいたしました。
地方企業の再生などに取り組まれている冨山和彦さんです。
よろしくお願いします。
冨山さんは政府の創生本部の民間議員でもあるんですけれども各市町村が地方版総合戦略を今年度中にまとめることになっていますよね。
すでに多くで策定されているわけですけども先ほど申し上げた選択と集中という観点からはどのように評価されますか?
やっぱり相当、それまでもいろいろ努力をして試行錯誤しているところってかなりメリハリが利いたのを出してくるんですよ。
でも、全体で言うと1割ぐらいですからね。
残りは、まだまだ急に言われたのでとりあえず…。
きっとあるんですけどあれもこれもみたいな計画になるんですよ。
やっぱりその地域もいろんな産業があるしいろんな取り組みがあるでしょ。
みんな平等に扱うんですねあまねくになっちゃうんです。
そうすると、みんな寄せ集めたみたいな話になっちゃうんで。
そういうときに地域の本当の強みというものを見いだすために先ほどもご覧いただいたような外からの視点が重要になってくるんでしょうかね。
大体、企業の再生もそうですけどヨソモノ、バカモノワカモノってやつで。
官僚の人なんて、典型的にヨソモノで若いし勉強はできるんでしょうけどね官僚ですから。
経験なんじゃんじゃないかと思う。
ニセコとかなんて本当、バブルのころ小さいころスキーの再開発でかなり盛り上がって。
やっぱりそういう経験をしとくとまた時代がめぐっていつか盛り上がりがきたときに準備万端でこっちは強みも出せるぞっていう準備もできるんじゃないか。
いろいろ課題参考にできる部分もでてきましたが、そうはいっても地方が元気になるにはお金が必要ですよね。
でも、都会に比べて地方っていうのは経済状況が、かなり厳しいところもあると思います。
ということで続いてのキーワードはハイブリッドに稼ぐ!鳥取県境港。
豪華客船を迎えたのは…。
5市合わせて…。
島根と鳥取にまたがる5つの市が県の垣根を越えてタッグを組みました。
5市には、それぞれ培ってきた強みがあります。
ITの松江。
水産の境港。
農業の出雲。
これらを結集して地域の人口を60万人にすることを目指しています。
5つの市がターゲットにしているのは…。
世界第2の人口を抱えるインド。
熱烈なアプローチが実り今月、南部のケララ州の幹部ら一行を招くことに成功しました。
福間と申します。
よろしくお願いいたします。
ケララ州の人口は5市の50倍にあたる3300万。
巨大な経済効果を得ようと束になって売り込みをかけます。
まずは松江市のIT企業。
地元で開発され世界で広く採用されている技術をアピールしました。
続いて境港市。
さらに出雲市。
束になっての営業攻勢。
インド側は…。
インドとの交流は新たな雇用を生み出そうとしています。
この企業はごみが深刻な問題になっているケララ州にプラントを持ち込みビジネスを拡大したいと考えています。
互いの強みを持ち寄り連携する自治体。
地域で稼ぐ力を引き上げています。
頑張りましょう!
(一同)エイエイオー!一方、個人のレベルでも稼ぐ力を高めている村があります。
岡山県の西粟倉村です。
村には都会からの移住者が増えています。
その数は、この10年で85人。
人口の6%にあたります。
移住者たちは、今次々と新しい会社を興しています。
4年前、一家で移り住んできた鈴木宏平さんです。
東京ではデザインの仕事をしていました。
今、使っている名刺を見せてもらうと…。
鈴木さんは3つの仕事を並行してこなす多業に取り込んでいるんです。
収入源、その1。
デザイナーの経験を生かして企業のロゴやパンフレットなどを相次いで受注。
収入の大きな柱となっています。
収入源、その2。
染色を学んでいた妻とともに草木染めの工房を設立し小物や洋服を販売。
来年は従業員も雇う予定です。
収入源、その3。
築100年の古民家を改修。
同じく移住してきた2つの家族と共同で食堂や雑貨店を経営しています。
こうした多業で鈴木さん夫婦は月50万円の収入を得ています。
鈴木さんのような移住者が増えるきっかけとなったのは村が6年前に設立した木材加工会社でした。
村に移り住みたい人に働く場を提供。
ここを起点に多業に挑戦する人もいるのです。
移り住んだ人たちが活躍の場を広げていることで村の税収も増えています。
どうもありがとうございます。
きょう、寒いからね。
でも、ご夫婦で月50万の収入だと結構、東京に比べると豊かな生活が…。
大体、倍ぐらい違うんですよ。
生活のコストでいうと。
先日役所が真面目に計算したやつがあるんですけど大体このぐらいの規模の町で夫婦2人、子ども2人だと年収500万くらい。
東京で同じ生活しようと思うと1100万かかるんです。
大体、真面目に積算したんです。
それだけいろんな職種や仕事は東京のほうが多いですから地方で500万稼ぐってなると結構、大変じゃないですか?
これがチャレンジですね。
地方創生の。
こういうレベルのものが実現できると。
実は、こんなデータがあるんですけれども国が去年、調査した都道府県別の平均年収これ、東京と島根では200万円以上、違うんですね。
島根では400万円に届いていないというのが現状なんですね。
冨山さんが先ほどからおっしゃっているように500万あれば豊かな暮らしができるということですけどそれにはもう少し100万以上、違うんですよね。
難しい言い方すると労働生産性っていうんですけど同じ時間働いてどれだけの付加価値を作れるかということなんですけどこれを上げとかないと賃金が上がらないんですよ。
今、大体、日本はアメリカの半分くらいなんです。
こういうサービス産業系って。
ヨーロッパの3分の2くらいでだから低いんですよ世界的に見ても。
生産性が低いから収入も低くなっちゃう。
どうやって具体的にそれを上げていくかということで先ほど、地域のレベルでは非常に高域な連携であり個人のレベルでは多業というものを見ていただいたんですが冨山先生、ほかにはどんなことが?
これはいくつかあるんですけど会社自体の経営レベルを上げるということが一番、大事なんですよ。
生産性の鍵を握ってるのは経営者、あるいは経営のしかたなので。
なので経営人材にしても東京に集中しちゃってますよね。
ですから、なかなか…。
島根、鳥取なんてアジアの大陸から来るにはすごい近い場所にあるわけで。
この間も、あんなに大きい客船が来て。
爆買いだってニュースになっていましたけどそういうところでどうやってお客さんに1円でも落としてもらえるかってところってすごい細かい努力だと思うんです。
クレジットカード全部、使えるようにしとくとかネットとかWi‐Fiとか整備しとくとかわりと、そういうことでだったらそこできてないんだったら東京行っちゃったほうがいいかなっていって行かない場合とかって意外とあるじゃないですか。
あとは先ほどおっしゃったように人材ということなんですけどね。
ここまで、お金の話がでてきましたがほかにも、長い目で見た対策というのも必要になってきます。
続いてのキーワードはジセダイをどう育てる?午後6時。
徳島県上勝町にある中学校です。
こちらは町が用意したバス。
子どもたちは、こんな時間からどこへ向かうのでしょう。
次の文章…。
子どもたちが向かったのは町役場が開いている学習塾。
ことし4月に開校しました。
受講料は無料。
週に3回、開かれています。
講師たちは町外からスカウトしてきました。
足し算だろ。
この部分をもってこな。
移行して。
町が塾を開いたのは若い世代の流出を防ぐためです。
かつて500人以上いた町の中学生は今では26人。
そこに追い打ちをかける事態が起きていました。
去年と、ことし小学校を卒業した子ども8人が家族ごと、町から出ていってしまったのです。
町は、保護者たちに緊急のアンケートを実施しました。
つづられていたのは高校受験に対する不安。
何か手を打たなければ若い世代の流出が続く可能性がありました。
そこで町はさまざまな予算を削って今年度500万円を捻出し塾を開くことにしたのです。
町の無料塾に通う中田美咲さんの親子です。
中田さんの一家は美咲さんの進学のために引っ越そうかと考えたこともありました。
手長エビとホタテ貝のポワレに…。
フレッシュなフルーツたっぷりのスイーツ。
本格的な料理の数々。
作っているのはなんと、高校生たちなんです。
北海道三笠高校は全国でも珍しい調理科専門の高校です。
東京や札幌で活躍した料理人などが指導。
各地の料理コンクールで入賞し注目を集めています。
産炭地として栄えた三笠市。
炭鉱の閉山後人口が急速に減少し三笠高校も一度は廃校が決まりました。
若者の流出に危機感を持った市は3年前およそ8000万円を負担して北海道から高校を引き継ぎました。
そして調理科専門に変えたところ出願が殺到。
倍率は2倍以上になりました。
1学年40人のほとんどは市外の出身者。
その結果、去年、市の転入者は半世紀ぶりに転出者を上回りました。
高校を調理科専門にしたのは基幹産業である農業を活性化する狙いもあります。
生徒たちに地元の農産物のよさを知ってもらい卒業後も広めてほしいと願っています。
まごころきっちんスタートします。
いらっしゃいませ。
今月からは地元の野菜を使った料理を出す食堂を始めました。
新たなご当地グルメの開発にも挑戦している高校生たち。
将来、町に多くの人を呼び込む存在になってほしい。
市は、大きな期待を寄せています。
ユニークな教育方法が出てきましたがね。
テーブルには地域の特産品が、どんと。
またこれブリですね。
ブリまた、陣取ってますけども。
でも、臥雲さん高校生たちの本格的な料理。
そして、彼女、彼らたちのキラキラした目っていうのはとても、すばらしいなと思いましたけどね。
やっぱり、家族が暮らしていくうえでも教育っていうのは、非常に優先順位の高い問題ですよね。
大都会でも教育費っていうのは大きな負担ですし。
教育というのは、地域から人が出て行く理由にもなれば人が集まってくる理由にもなるということだと思います。
でも、教育っていうのは例えば、塾を無料でやるとかとどまらせても、のちのちはやっぱり、結局出て行っちゃうんじゃないかなって思っちゃうんです。
そこで勉強した若者が。
ミッツさん地方創生ということなんですけど町は世帯を食い止めることに必死なんです。
受験する前にここだと受験のシステムが整っていないから、だったらとっとと出てしまおうっていう方が多かったんですか?
人口1700人の町から8世帯出てしまうと本当に大きな衝撃なんですね。
まずは、それをとにかくとどめなきゃいけないということだと思うんですけどもう一つ、三笠市で見ていただいた例というのはこれは、地域の優位性というのを本当に見極めた結果高校がとどめられた例になると思うんですけど冨山さんは教育の中でも高校の果たす役割が重要だとおっしゃっていますよね。
社会、地方というのは高校の人脈で結構社会ってできてるんですよ。
東京でも、そういう傾向実はあるんですけど高校がなくなっちゃうと人材の基盤というか根が抜けちゃうんですよね。
それこそちゃんとどんな分野でもいいんですけどそういうちゃんと、とがった力のある高校を地域に作っていくっていうことがすごく大事なんです。
私も東京の高校だったんですけど10代の思い出とかって強いし絆も強いのでまた、会いたいな戻りたいなって気持ちになりませんか。
心情的に高校ぐらいの年代で何かを勉強して、習得してその地元から誇りになるような人材が羽ばたいていけばその土地っていうのは魅力的だし自信がつくじゃないですか。
そこに人が戻ってくる流れもできるじゃないですか。
住んでいることに不安みたいなものを抱かなくてもよくなる。
ただ、小さな地方都市で普通の高校、造ってもなかなか人は集まらないと思いますしかつての商業高校工業高校というのが、なかなかうまくいかなくなって今があると思うんですけどそういう点では?
今、ビジネス面では昔の商業とか工業って古い。
これだけITも出てきて料理っていうのは独自産業になっているわけですよね。
観光も従来の農業とかのくくりではないですよねだから、今の時代に合わせた学校の在り方を考えて、かなりシャープな学校づくりをするってことが大事だと思います。
法律で、こういう学校がなかったっていうのが不思議。
無形文化遺産的な日本食がなっているときに若者が、そういうのを特化して勉強したいというのは必然的なことですからね。
それでみんなが受験競争で行ってしまう。
それと逆の方向にいく可能性があるんですよね。
生徒が集まっているでしょ。
みんながみんなが学寮偏差値で東大っていう世界っていうのは…。
新しい切り口が出てきますね。
いろいろ地方、頑張っていますが悲しいかな、人口も減少しているというのも事実です。
ということは働き手も減っているんですよね。
こうした中、人材不足が顕著な地方でもっと人材を確保しようという新しい取り組みも、実際生まれているんです。
4つ目のキーワードは地方から日本が変わる!です。
早朝からサーファーでにぎわう宮崎市の海岸。
向かったのは車で15分の町の中心部。
宮崎市で創業したIT企業です。
100人あまりの社員の平均年齢は31歳。
およそ半数が東京などからの転職組です。
インターネットのショッピングサイトの分野に特化し、急成長しています。
地元出身で35歳の取締役土屋有さんです。
地方に本社があることのメリットは大きいといいます。
宮崎駅前のオフィスの坪単価は東京都心のおよそ4分の1。
社員にもメリットがあります。
自由に使える時間が年に、およそ280時間。
実に10日以上も多くなるとしています。
お先に失礼します。
土屋さんは東京で働いていた当時通勤に片道1時間かけていましたが…。
会社から僅か10分で港に到着。
この日は2時間たっぷり釣りを楽しみました。
東京にいたころに比べ収入は減りましたが生活をより楽しめるようになったといいます。
ただ、移住するにあたって難題だったのが東京育ちの妻桂子さんの説得でした。
土屋さんはみずから資料を作って半年かけて、懸命にアピール。
ようやく移住を認めてもらえました。
先週、東京での就職説明会に臨んだ土屋さん。
移住への不安を解消するユニークな制度を説明しました。
デュアルライフっていうのを一応私どもとしては提案したいなと。
採用から1年間は宮崎と東京の両方に生活の拠点が置ける、この制度。
往復の交通費や家賃など最大180万円を会社が負担します。
四国・香川県では働くチャンスを増やす取り組みが始まっています。
高松市の看護師塩田直子さんです。
出産と育児を機に病院を退職しましたがおととし訪問看護の現場に復帰しました。
いってらっしゃい。
また、あとでね。
バイバーイ。
子どもを送り出した塩田さん。
取り出したのはタブレット端末です。
これが復職の決め手になりました。
その日のスケジュールを確認。
直接、患者の自宅へ向かいます。
失礼します。
こんにちは。
訪問看護の塩田です。
訪ねたのは療養中の70代の女性です。
心拍数や体温などを測定しその場でタブレットに入力します。
このシステムを導入した坂出市の訪問看護ステーションです。
かつては看護師を募集しても集まらず患者への訪問ができないこともありました。
そこで踏み切ったのがITを最大限活用した業務の見直しです。
従来、看護師は看護記録の記入や引き継ぎのため必ず、ステーションに立ち寄っていました。
タブレットを活用することで直行直帰を可能にしたのです。
勤務のシフト作りにもITを活用。
自動的に最適なスケジュールを組めるようにしました。
しかし、顔を合わせた引き継ぎを長く続けてきた中で見直しには大きな不安もありました。
この日の訪問看護を終えた塩田さん。
2時間ほどで帰宅。
きょう、ちょっと早かったね。
おかえり。
ただいま。
余裕を持って子どもを迎えることができました。
タブレット端末を使った訪問看護の話、出てましたが実は、仕事を離れている看護師さんの数っていうのが全国で70万人いるそうなんですよ。
結婚すると仕事続けるっていうのがなかなか、いろいろ物理的にも精神的にも難しいところあるのかもしれないですね。
でも、いってみたら顔と顔を合わせたほうがなんか、精神的には安心するっていうのは分かるんですけど、だけどとりあえず、いわゆるITでやってみるっていう。
一回やってみて、いろいろ修正点が出てきたら直していくっていうのが。
その辺り記者に伺いましょうか。
中川記者、どうでしたか?
今まで続けてきたことを変えるっていうのは、とっても難しいことですし特に看護っていうのは命を預かることだけに実は、まだまだ慎重な意見があるんです。
ただ、まだ人手不足っていうのとてんびんをかけたときにそうせざるをえなかったっていう苦渋の選択だったんですね。
地方は本当に人手が足りなくなってきているのでそういうことが背中を押すんで進んだらいいと思うんですけどね。
こうしたことで生まれたアイデアなんですね。
必要は発明の母ともいいますけれどもより深刻な状況の地方だからこそ生まれたいわばイノベーションの一つだといえると思うんです。
これが、医療・介護ってこれから、いろんなところで主要な産業として発展することが見込まれますしそうすると、こうした取り組みが全国に広がっていく可能性があると。
さまざまな分野で、地方からイノベーションということが期待されてると思うんですがその点、いかがでしょうか?
実は日本の社会で起きることは先で地方で起きるんです。
少子高齢化に伴って。
東京も人手不足になってるでしょ。
バス会社も、8年前からやってますけど8年前から岩手県は人手不足なんです。
人手不足で経済停滞してるから人手が余ってると思ったらそうでもなくてですから、むしろ地方で人手が足りないところでいろんな工夫をするわけです。
バス会社も、今は荷物を積んでるんです。
クロネコヤマトとか宅配便と人を一緒に乗せる。
運ぶ人がいないから。
これも一つのイノベーションなんです。
いろんな発想と発明はイノベーションの効果なんですよ。
そしてVTR宮崎のサーフィンライフどうでしたか?
家族でとか、ご夫婦でああやって移住するというのは夫婦で同じ方向を向いてないと、なかなか決断するのは大変だろうなって思いましたけど逆に地方で頑張っていらっしゃる皆さんにお聞きしたいんですけど。
東京以外のところで働いたり暮らしたりするのってこういうメリットがあるよというのがおありだったら教えてほしいなと。
やっぱり田舎っていうのは食べ物もおいしいですし人もいいですし自然もたくさんあって東京にはない魅力っていうのがあるなと私は感じています。
東京と比較していいか、悪いかっていうの決めます?
出張で東京に来ますと一刻も早く島根県に帰りたいというふうに思います。
そんなに疲れるか、東京。
改めて臥雲さんどうでしょう。
未来へのヒントとか見てきたんですけど日本、これから拡大から縮小へと大きく局面が転換しますよね。
ですから、東京にはない地方のプライド・価値そういうのを見いだすこと。
そこから、地方創生の可能性って広がっていくんじゃないかなと思うんですね。
最後に、もう一つ地域の取り組みをご紹介してきょうは終わりたいと思います。
きょうはどうもありがとうございました。
群馬県の山あいにある南牧村です。
人口が減り全国で最も消滅する可能性が高いとされています。
この村にひかれて3年前都会から移り住んだ人がいます。
五十嵐亮さんです。
こちらの物件になります。
村は五十嵐さんのような移住者のために空き家を紹介しています。
目標としているのは毎年2世帯ずつの移住。
大きな企業は誘致できなくても村は残せるという計算です。
五十嵐さんは今では地域を支える力になりつつあります。
人口が減少する地域の未来をどう描いてゆくのか。
それは私たち一人一人の手に委ねられています。
2015/11/25(水) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
見せます!地方のプライド〜“縮小日本”への戦略〜[字]

東京への人口集中と地方の過疎化。危機を乗り越えるには何が必要か。グルメ、観光、移住などを切り札に「地方創生」に取り組む地域の姿を見つめたスペシャル番組。

詳細情報
番組内容
東京への人口一極集中と地方の過疎化。2040年には自治体の半数が「消滅」する可能性があるという予測も。地方が活力を取り戻すには何が必要か。NHKの全国の放送局が徹底取材。特産グルメを考案する北海道の高校生シェフ、「働き方革命」を追求する九州の企業、巨大インド市場を取り込もうと連携する山陰地方の5つの自治体など、各地の取り組みを紹介。「地方創生」のスペシャル番組。
出演者
【出演】冨山和彦,ミッツ・マングローブ,臥雲義尚,雨宮萌果

ジャンル :
ニュース/報道 – 報道特番
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

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