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二次元コード(QRコード)って?

■はじめに
最近、コマーシャルや雑誌の広告記事の隅に見かける二次元のバーコード。日本では(株)デンソーウェーブが約10年前に開発し、QRコードとして商標登録され、ISOの国際規格に制定されています。QRコードのQRは「Quick Response」の頭文字で、すばやくそしてバーコードリーダにとって読み取りやすいコードということを意味しています。
いままで利用されてきたバーコード(一次元コード)は、読み取りが速く大変便利なものでしたが、市場に普及されるにつれ、「もっと多くの情報を格納させたい」「もっと小さいスペースにも印字したい」などの要望が多くなってきました。そこで、開発されたのが、二次元コードなのです。
バーコードは細い線と太い線を組み合わせた縦線の縞模様によって横方向に一次元で情報を持たせていましたが、二次元コード(QRコード)は、縦・横の二方向に情報が持てるため、格納できる情報量が数十倍から数百倍にまで増加しました。

一次元コード (バーコード) と 二次元コード (QRコード)
一次元コード (バーコード) と 二次元コード (QRコード)

■二次元コードの種類
二次元コードには、スタック式と呼ばれる従来のバーコードを縦に積み上げたように見えるものと、縦・横のセル(マス目)を黒・白で塗りつぶしたように見えるマトリクス式と呼ばれるものの二種類があります。
スタック式を利用した二次元コードには、シンボルテクノロジー社(アメリカ)で開発されたPDF417、レーザーライトシステム社(アメリカ)で開発されたCODE16K等があります。また、マトリクス式には(株)デンソーウェーブが開発したQRコードのほか、ベリテックス社(アメリカ)で開発されたベリコードや日本IDテック(株)で開発されたCPコード等があります。その他にも多数のものが開発されており、標準化をしようとする動きがでてきています。

スタック式 と マトリクス式
スタック式 と マトリクス式

■二次元コードの特徴
・大容量データの格納
   一次元コードで格納できる文字数は約20文字ですが、二次元コードなら約2000文字を記憶できます。また、二次元(縦・横)で情報を格納するので、同じデータ量なら一次元コードの1/10?1/100位のスペースで表示が可能となります。
・コード化できる文字の多様化
   一次元コードで表現できた英数字に加え、かな、漢字、記号、バイナリコードも表現することができ、かつ暗号化することもできます。
・360°読み取りが可能
   縦・横・斜めのどの方向からでも読み取り可能なため、一次元コードのようにコードの向きを気にすることなく読み取り作業ができます。また、透明ラベルに印字してあれば、裏面からでも読み取りが可能です。
・データの復元性
   データの誤り検出機能と訂正機能があるため、コードが汚れていたり破損していたりしても、汚れや破損している面積が約20?30%の範囲であれば、データを復元することができます。

■二次元コードの利用方法
一般的には、コマーシャルでも見かけるように、カメラ付き携帯電話(一部の機種で対応)での利用が多くなってきているようです。二次元コードをカメラに写してコードを読み取り、ブックマーク登録や電話帳登録、Webアクセス、メールとの連携(宛先・表題・本文)等の機能として活用されています。
企業では、物流や商品管理といったところで、多く活用され始めています。商品コードやロット番号、使用期限といった商品管理に必要な情報のほか、作業工程や商品流通の追跡管理をチェックできるような情報まで格納しています。

二次元コードの利用方法例
二次元コードの利用方法

■今後二次元コードは普及するのか?
二次元コードが普及するためには、一次元コードやICカードといったすでに利用がされているものとの住み分けができるかどうかが鍵となってきます。一次元コードは二次元コードに比べ情報量は少ないですが、印刷にかかる費用が安く、読み取りスピードも速くて正確といった利点があります。そして二次元コードとともに注目されているICタグは、コスト高にはなりますが、一度印刷されてしまったら情報の書き換えができない二次元コードと違い、情報の書き換えや被服への埋め込みなども可能です。既存の一次元コードと現在も開発がすすむ二次元コードやICタグといったものをどんな目的で使用するのか、費用をどれだけかけられるのかといった用途次第で互いに住み分けすることができれば、二次元コードは、さらに拡大していくものと思われます。