今回の「U−29」は海が似合うこちらの女性。
おお〜アクティブに休日を楽しんでますね。
ほっ楽しそう。
あっ…すいません。
東山さんの仕事は看護師。
働いているのはホスピスという特別な病棟です。
入院しているのは…そのほとんどがここで最期の時間を過ごします。
広いキッチンやラウンジスペース。
ホスピスには患者たちが伸び伸びと過ごせるような設備が整っています。
患者に最期まで自分らしく過ごしてもらう。
更に病気の…それがホスピスの役割です。
看護師たちは24時間一瞬たりとも気が抜けません。
(東山)失礼します。
患者から相次ぐ訴えの数々。
ひたすら寄り添います。
そして迎える最期の日。
死に直面する患者にとことん尽くす。
それが東山さんの選んだ道です。
朝8時。
おはようございます。
東山さんがやって来ました。
東山さんが働くホスピスです。
4年前に開設されました。
看護師は総勢23人。
24時間交代で入院患者の看護に当たります。
そうすると17名です。
年間の入院患者は180人ほど。
その多くはここに来て1か月以内に亡くなるといいます。
看護師は全員医療の現場で経験を積んできたエキスパート。
東山さんはこのホスピスに来て3年。
最年少の看護師です。
東山さんが担当する…肝臓がんを患っています。
去年末期で手の施しようがないと診断を受けました。
痛みや不安から家族にあたってしまう事もしばしばです。
このマット。
これが…。
ふわふわしとる?少しでもリラックスしてもらうためです。
せ〜の。
よいしょ。
痛うなしに行けたかいな?更に食べ物の…酒やたばこも禁止されていません。
ちょっとだけ注文の多い合田さん。
その本心はどこにあるのか看護師全員で話し合います。
東山さんはもっと合田さんとゆったり関わる時間を作る事に決めました。
ホスピスでは患者の話をとことん聞く事が看護師の重要な役割です。
大事なのは…否定せず言葉を繰り返す事で患者を安心させ痛みや苦しみを和らげるのです。
合田さんもいつしか…。
200〜300人使うとったんや。
うん。
この日東山さんは合田さんの話をずっと聞き続けました。
交際費には6万円を充て遊びや外食でストレスを発散します。
こちらが東山さんの1週間スケジュール。
休みは平均週に2日。
週に1度は夜勤があります。
そんな東山さん毎週仕事のあと向かう場所があります。
病院から車で30分の所にある実家です。
そのお目当ては…夕食。
ふだんは1人暮らしなので家のごはんが恋しくなるんです。
東山さんが看護師を目指したきっかけは祖母の孝子さんでした。
年々体が弱っていく孝子さんを自分が看護したい。
その一心で看護の専門学校に進学しました。
そして念願かなって看護師になり地元高松の病院に就職。
整形外科病棟で働き始めました。
しかし待っていたのは患者が目まぐるしく入れ代わる医療現場。
患者とじっくり向き合えない事に疑問を感じ一度は看護師を辞めてしまいます。
そんな東山さんが再び看護師として今のホスピスで働き始めたのは3年前の事でした。
東山さんが担当する70代の患者…末期の下咽頭がんです。
手術で声帯を取り除いたため声を出す事ができません。
家族からのリクエストは何か飲んだり食べたりさせたいという事でした。
実は鈴木さんは1か月前から点滴で生活していて食べ物を口にしていないのです。
どうすれば鈴木さんと家族の思いをかなえられるのか。
東山さんが出した答えは…。
小さな氷です。
ゆっくり解ける氷はむせる心配が少なくかむ感覚を味わう事もできます。
人生の最期に望む事は人それぞれ。
そこにどれだけ気付き手助けできるかがホスピスの看護師には求められます。
5日後。
鈴木さんの容体が悪化していました。
脈をとる東山さん。
何かに気付きました。
つらい宣告。
でも動揺を見せてはいけません。
家族に死を受け入れる準備をしてもらうためです。
この日夜勤を終えた東山さんが向かった先は…行きつけの整骨院です。
どしたん?よし。
はいいいですよ〜。
疲れをとったら…今度は海に向かいます。
一緒にやって来たのは看護師の先輩。
最近サーフィンを始めたんです。
休みは好きな事を思い切りしてオンとオフのめりはりをつけるよう心がけています。
おっ!お見事。
フフフ…。
朝休み明けの東山さんが出勤してきました。
早速患者の情報を確認します。
氷をうれしそうに食べていたあの鈴木さんが亡くなっていました。
東山さんが向かったのは胸の激痛を訴える患者のもと。
末期の肺がんを患っています。
この日は朝からひどく痛みと吐き気があるとの事でさまざまな薬を投与しましたがなかなか治まりません。
そこで東山さんあるアイデアを思いつきました。
取り出したのはアロマオイル。
こっちの手ちょっとマッサージするわ。
薬では和らげられなかった患者の痛み。
それを少しでも紛らわせたいと思ったのです。
ほぐし続ける事およそ5分。
何が正解か決まっていないホスピスの看護。
自分なりの答えを探して今日も患者の声を聞き続けます。
そんな東山さんに最後に質問です。
そうめん。
今から湯がくんです。
頑張ってね。
結婚しても子ども産んでもおってよ。
はよ結婚します。
ハハハ!寿退社とか許さんで。
2015/11/25(水) 23:25〜23:50
NHKEテレ1大阪
人生デザイン U−29「ホスピス看護師」[字][再]
主人公はホスピスで働く看護師、東山早希さん(27)。末期がんの患者に寄り添い、痛みや不安を和らげようと日々奮闘している。患者の人生の最期に向き合う日々に密着。
詳細情報
番組内容
今回の主人公は、東山早希さん(27)。高松市のホスピスで看護師として働いている。入院しているのは末期のがん患者たち。病気の痛みや不安を和らげ、患者が最期まで自分らしく過ごせるように看護するのが東山さんの仕事だ。憧れの看護師となって就職したものの、理想とする看護ができずに一度は看護師をやめた東山さん。悩んだ末に選んだのは、ホスピスへの再就職だった。患者の人生の最期に寄り添う東山さんの日々に密着する。
出演者
【語り】松坂桃李
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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