(汽笛)
突然ですが皆さんSLと呼ばれる蒸気機関車のSLって何の意味だか分かりますか?答えはスチーム・ロコモーティブ。
この頭文字を取ってSLと呼ばれているんです。
ご存じでした?SLは文字どおり蒸気の力で走る機関車。
一度は廃止になったSLですが全国の11路線で復活し走り続けています。
その一つSLやまぐち号です。
細身の美しい形から貴婦人とも呼ばれています。
このSLやまぐち号のもとへ全国各地から観光客が押し寄せています
はいに〜!はいチーズ!
大好きなアイドルを見つめるようなまなざし。
どうしてみんなSLのもとにやって来るんでしょうか
ガタゴト揺られて大好きなSLを描く。
楽しそう
子ども時代に乗ってたのが懐かしくて来ました。
そんなSLやまぐち号のもとへ俳優の西村和彦さんがやって来ました
今にも止まりそうな坂道
SLが苦しみあえぐ声です
知ればもっと楽しくなるSL旅の出発です
SLの魅力をたっぷりとお伝えする「SLやまぐち号解体新書」。
今日は芸能界きっての鉄道ファンとして知られる俳優の西村和彦さんと一緒にお届けします。
乗り物全般好きなんですけどその中でもやっぱり鉄道。
で最近はやっぱりSLは面白いんですなかなか。
どんなところが…。
SLって何ですかやっぱり…さっきからすごく気になってたんですけどね高嶋さん何ですか?これ。
気付きました?持ってきちゃいました今日。
撮り鉄!…になりたくて。
いい人呼んでます。
大船に乗って下さい。
大丈夫ですかね。
もうすぐいらっしゃいますんで。
ほら手振ってる。
屋鋪さん!あの方?超爽やか。
爽やかな笑顔で登場したのは元プロ野球選手の屋鋪要さんです。
現役時代は盗塁王を3度獲得した外野手。
実はもう一つの顔があるんです。
それは…撮り鉄の顔。
北海道から九州まで全国各地のSLを撮り歩いています
親子2代で撮り鉄…?そうですね。
ちょっと大人になって暇になったんで野球をやってでまた本業に戻った感じ。
プロ野球選手ですよね。
どっちが本業やって。
今これ本業ですよね。
今…そんな事ないそんな事ない。
今日は高嶋君が…。
お〜いいカメラ持ってんじゃん。
今日いろいろ教えて下さい。
はい分かりました。
よろしくお願いします。
楽しみですね。
もう汽車入ってますよ。
もう多分…。
恐らくね新山口にね。
急ぎましょう。
じゃあ急ぎましょう。
あっもう行きます?じゃあ二手に分かれて。
はい。
SLやまぐち号の旅は新山口駅から島根県津和野駅までの63キロ。
西村さんと私上原は乗り鉄の旅。
屋鋪さんと高嶋さんは3か所で写真を撮る撮り鉄の旅です。
まず私たち乗り鉄組は新山口駅にある車両基地にやって来ました。
片隅にある一番小さな車庫にSLやまぐち号が保管されているそうです
西村さん。
私SL乗るの今日が初めてなんですよ。
そうなの?乗った事ないんですか。
じゃあましてや車両基地に来た事もない?初めてです。
僕も実はね新山口駅の車両基地に来るのは初めてなんです。
SLやまぐち号との初対面です。
正式にはC57形の蒸気機関車です。
昭和12年から201両が製造されました。
SLやまぐち号はその記念すべき1号機なんです
突如始まった西村さんのテクノロジー解説
ついてこられない皆さんに豆知識。
SLの名前にあるアルファベットは動輪の数を表しています。
C57形の場合ABCと数えて3番目。
つまり動輪が3つ。
あのD51は4つという訳です
このSLやまぐち号の魅力をより深く知って頂こうとあるスペシャリストに来て頂いています。
そうなんですかはい。
その方があちらにいらっしゃるので向かってみましょう。
いらっしゃるの?こんにちは。
機関士の宅野さんです。
西村です。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
SLやまぐち号を運転して14年になる機関士の宅野孝則さんです。
今回特別に運転席の中を見せてもらいました
見るのも初めてなんだもんね。
西村さんは?え〜結構乗ってます。
そうしたらもう言う事ないですね。
運転席は…運転席は…。
どうやって運転しているのか実際に宅野さんが運転する様子をのぞいてみましょう
はいしめろ!はいしめます!
運転は全て手動です。
あらゆる計器を見ながらアクセルやブレーキを操作するのが機関士。
そしてカマに石炭をくべパワーを作るのが機関助士です。
緊張感にあふれていますね
お〜すてき。
赤い!燃えてる。
いわゆる種火ですよね。
そうですね。
SLの動力はこの石炭を燃やして作られています。
その仕組みを少しだけお勉強しておきましょう。
まずは石炭を燃やしボイラーの水を沸騰させて蒸気を作ります。
その蒸気の力で3つの動輪を動かします。
新山口駅から津和野駅までの63キロを走るために必要な石炭は700キロ。
水の量はなんと12トン
おはようござます。
(上原西村)おはようございます。
この日の機関士と機関助士がやって来ました
あ〜出た出た!あ〜!お〜!煙が煙が!本当だ煙が出てきた。
あっ来たよほら。
動いた動いた。
ああ〜!回ってる〜。
いいね〜。
かっこいい!
思わず大興奮。
SLやまぐち号出発準備完了です
そのころ屋鋪さんと私高嶋の撮り鉄組は撮影ポイントに向かっていました。
その途中…
ここはもう山口市内…。
あっちょっと待って。
山口市内越えた?ちょっとストップ。
ストップ。
突如屋鋪さんの撮り鉄魂にスイッチが。
ここに何があるんでしょう
お目当てはやっぱりSLでした
昭和2年って書いてあるでしょ。
日本国有鉄道かな。
チャンスがあれば迷わずシャッターを切る。
それが撮り鉄屋鋪要の心得第1条です。
でも屋鋪さん寄り道をしている時間はありませんよ。
旅を進めましょう
屋鋪さんそもそもSLを好きになったきっかけって何ですか?これはね小学校5年生…1970年に遡るんですけれども友達がね蒸気機関車好きな子がいて蒸気機関車の写真集をね持ってきてたんです学校に。
それを見た瞬間にね「これだ!」と思いましたね。
それを見て自分でも撮りたいっていうふうに…。
撮りたいと思いましたね。
実際のSLってどうでしたか?室蘭本線のね一直線に延びてくるこの直線がね日本で一番長い直線だと。
当時。
そこをねず〜っと向こうからSLが走ってきてね当時北海道にはね魅力的な蒸気機関車がいっぱい走ってたんですよ。
一方私たち乗り鉄組は出発の時を迎えていました
この日のチケットは完売。
キャンセル待ちが出るほどの人気ぶりです
客車は5両。
それぞれ特徴があります。
まずは明治風客車
明治時代をイメージした古いランプに革張りの座席です
華やかなステンドグラスで装飾された欧風客車は若いご家族に人気のようです
(汽笛)あのボ〜っていう音に。
こんにちは〜。
ご旅行ですか?はい。
「こんにちは」は?こんにちは。
SL好き?見してもらっていい?すご〜い。
SL皆さん…。
すげえ。
それはまた来にゃいけんな。
うん!
(笑い声)ボ〜!どんどん子どもさん来て。
こちらは展望デッキ。
SLの煙や風を体感できます
(宅野)後ろは西村さんどうですか?レールがず〜っと続いて。
このガタンっていう音。
そうですね。
大きい音だけどうるさくないっていうか心地よいですもんね。
あっいっぱい。
この図ですよねグラフといいますかこれは一体何を表してる?そうですね。
山口線は高低差が結構激しい路線なのでこれが勾配表だったのは分かるんです。
西村さんは正解です。
正解という事で「SLやまぐち号線路勾配図」。
正解です。
さっき言われたこれですね。
これはトンネルを表してます。
なるほど!これトンネルなんだ!これって坂道の中のトンネルなんですか?そうです。
一番きつい所にこの長いトンネルもあったりします。
へえ〜!きついですよね。
山口線は中国山地を縦断する日本有数の坂道路線です。
その坂道は1000分の25といわれ1,000メートル走るごとに25メートルを上ります。
市街地を抜けた先にその坂道が待っています
屋鋪さんと私の撮り鉄組は1つ目のポイントに到着しました
本当ですね。
どういうところがポイントなんですか?ちょっと上り勾配になってるでしょ。
このポイントがいいですよ。
ほかの撮り鉄の邪魔をしないのが最低限のマナー
ここは坂の入り口付近。
1枚目は煙をはきながら走るSLやまぐち号の迫力ある姿をねらいます
この日は30人もの撮り鉄が集まりました
(屋鋪)愛知県?愛知から?
(屋鋪)ちょっとこっち向いて。
「C57120060160」。
(屋鋪)ありがとうね。
勝負は一瞬。
撮り鉄たちの周りを張り詰めた空気が包みます
大丈夫かな?
(屋鋪)焦らないでね。
山あいに見える白い煙。
SLやまぐち号はすぐそこです
緊張のあまりつい…
(シャッター音)わあっ!
そのころSLやまぐち号は坂道を上り始めていました
これはきつそうだな。
わあ本当だ!
その時がやって来ました
(汽笛)
(シャッター音)
取り終えたはずの屋鋪さん実はもう一枚ねらっていました
あっ屋鋪さんだ屋鋪さん!屋鋪さん!屋鋪さんいましたね!西村君いた。
西村君も撮った。
結果を見るのはあと。
2つ目の撮影ポイントへ向かいます
西村さん率いる乗り鉄組は坂道の中腹にある仁保駅に到着しました。
最も急な坂道を前に6分間停車して準備します
お〜!
その準備は何かというと…
(宅野)どうもご苦労さんです。
失礼します。
実はSLやまぐち号は雨が一番苦手。
レールがぬれると動輪が滑り坂道は一層上りにくくなるそうです
だって今はっきり言って…
煙をはきながら坂道を走るSLやまぐち号。
およそ7キロ続く正念場です。
運転席の中では機関助士が休む間もなく石炭をくべ続けます
頑張れ!スピードも落ちてきた。
頑張れ!みんなジャンプして!あっ本当…止まりかける。
バッバッバッ。
乱れ始めたSLの音坂道に苦しみあえぐ声です
山口線最大の難所およそ2キロの田代トンネルに入りました。
煙に包まれながら必死に石炭をくべ続けます。
頑張って!
田代トンネルを上りきり徐々にスピードも上がってきました
止まる事なく無事に坂道を上りきったSLやまぐち号。
坂道も雨の日も一生懸命走ってくれる姿が魅力の一つなのかもしれません
田代トンネルの先で機関士たちは15分の休憩を取ります
お疲れさまです。
お疲れさまです。
後ろで2人が押しよったからあれで動いた。
色が変わるほどに汗が…。
ありがとうございます。
最高の褒め言葉でしたね。
SLやまぐち号には多くの苦難を乗り越えた歴史が刻み込まれています
屋鋪さんと私はSLやまぐち号を追い続ける撮り鉄がいると聞いて訪ねました
(2人)こんにちは。
どうも初めまして。
撮り鉄の夫を45年間支えてきた…
あっそうなんですか!私知りませんでした。
早速撮りためてきた映像を見せて頂きました
こちらに…DVDはこちらですね。
ちょっと拝見していいですか?どうぞどうぞ。
SLだけでもこれだけ?こちらも?うわ〜!すごいあります。
撮り鉄のご主人…
山口線を走るSLを45年にわたって撮り続けてきました。
その数200本以上。
この日は体調を崩して入院されていました
屋鋪さんが手にしたのは昭和40年代の貴重な映像です
(屋鋪)あっ!次…。
これは昭和54年山口線にSLが復活したにぎわいを記録した作品です
(屋鋪)これさあそこだよ。
仁保の前じゃない?そうですよね。
坂の方だと思います。
この当時も既にSLが好きな方ってこんなにいらっしゃったんですね。
そうですね。
うわ〜!これだけ撮られてるとただ好きっていうよりも何かいろんな情熱というか…。
(屋鋪)あのもう一度来ていいですか?まあどうぞ。
どうぞお寄り下さい。
本当お待ちしてます。
まあこういうふうな方が…SLファンの方がいらっしゃるとは本当思いませんでした。
大野さんの家をあとに自然豊かな長門峡近くの撮影場所にやって来ました
(屋鋪)あの辺からグッと出てきたらポイント。
ここではSL撮影の極意を教えてもらいました
屋鋪さんのこだわりは客車を含む全体を一枚におさめる事。
ギリギリまでカメラの向きを探ります
撮り鉄の一声が屋鋪さんを本気にさせたようです
私も本気の一枚をねらいますよ
(汽笛)
俳優西村和彦さんとの乗り鉄の旅
まあそろそろねお昼どきなんで。
遅くなりました。
駅弁です。
旅の楽しみはやっぱり駅弁です。
SLやまぐち号が走りだした頃から売られている駅弁だそうです
どうぞどうぞ。
ちょっとね…頂きま〜す。
西村さんこの駅弁もたまらない味ですよ
おいしいですね。
うんこれは変わらんですね味が。
そうですか。
全然変わらない。
うわっわあ!わあ本当だ。
屋鋪さんいんじゃねえか。
撮り鉄組は最後のポイントへ。
これまでの成果を屋鋪先生に見てもらいました
長門峡で撮った私のベストショットですが
途中でやっぱり切れちゃうんですよね。
切れちゃうでしょ?ちょっと見てみる?はいどうなってるんでしょうね?屋鋪さんの。
屋鋪さんの写真はというと
さすが!SL全体がしっかりとおさまっています
難しいね。
坂道と同じ。
撮り鉄への道は簡単ではありません
はい今日最後です。
最後。
そういうポイントあるかな?あんまり時間ないね。
最後の撮影ポイントは石州瓦が印象的な田園風景です
ず〜っと追いかけて追いかけて石州瓦を入れながらSLはこの辺に20メートルぐらいね来ますんで。
私高嶋三脚を外して大勝負します
(汽笛)
(汽笛)あ〜。
新山口駅から2時間。
乗り鉄組は終点津和野駅に到着しました
実は西村さんここ津和野駅にどうしても見たいものがあるそうです
そのお目当てはというと…
あそこんとこです。
転車台でした。
SLの方向転換をする設備です
機関区です。
一本一本レールが出て転車台に全部つながってた。
これがないとだって運行できないですもんね。
ひっくり返せないから。
そうです。
うまく転車台にのせられるか。
鉄道ファンならずとも注目したくなる機関士の腕の見せどころです
合った〜。
あ合った〜。
お〜うまい!すばらしい!すばらしい。
ぴったし。
かつて全国各地にあった転車台は今ではほとんど残っていません
この転車台は山口線にSLを復活させるきっかけにもなったそうです
腕組みして…。
早く来いと。
もう乗りたいと。
お疲れさまで〜す。
お疲れさまで〜す。
撮り鉄組の2人も津和野駅に到着しました。
まずは撮り鉄デビューした高嶋さんの写真です
あいいんじゃないですかこれ!それは100点。
上手に撮れてますか?褒めてもらえるとうれしくてまた撮りに行きたくなります
やっぱり全景が見えてるっていうのが屋鋪さんに一番褒めて頂いた。
客車が最後まで写りきってるっていうのがいいですね。
じゃあ屋鋪さんの。
全然今回とは関係ない。
急に立ち寄ってきました。
急に車を止めてここに行こうと。
屋鋪さん一押しどれですか?一押しどれだろうな。
どれもいいですよね。
見て。
このね煙の折れ方がすてきですよこれ。
風向きを計算して煙を美しく捉えた一枚。
さすがのひと言です
右端にね西村さん写ってるの。
こっちは上原さんも。
上原さんも写ってますよ。
これどうでした?高嶋さん今回撮ってみて。
じゃあ乗り鉄側から。
止まりかけた時に2人して押してましたよ。
なぜか車内で押してました。
屋鋪さんどうでした?今回。
屋鋪さんは最後まで筋金入りの撮り鉄でした
(汽笛)ありがとうございま〜す。
行ってらっしゃ〜い。
ありがとうございました。
気を付けて!ありがとうございました。
(汽笛)
乗り鉄と撮り鉄2組に分かれたSLやまぐち号の旅。
いかがでしたか?私上原はSLを走らせる人たちの情熱に心打たれました
私高嶋は本格的に撮り鉄デビューします!不器用だけどひたむきに走る。
そんな姿を見ればきっとあなたもSL大好きになりますよ
2015/11/26(木) 15:15〜16:00
NHK総合1・神戸
ろーかる直送便 プライムS「SLやまぐち号解体新書〜あなたはナニ鉄?〜」[字]
山口線を走る蒸気機関車、SLやまぐち号の魅力に迫る。西村和彦さんは新山口駅から島根県津和野駅までを乗って旅する。屋鋪要さんは沿線の三か所からカメラでSLを狙う。
詳細情報
番組内容
俳優の西村和彦さんと元プロ野球選手の屋鋪要さんが、山口線を走る蒸気機関車、SLやまぐち号の魅力に迫る。SLに造詣が深い西村さんは、新山口駅から島根県津和野駅までを乗る旅に。屋鋪さんは沿線の三か所へ先回り。黒煙を吐きながら走るSLの力強い写真を撮ろうと奔走する。一方で指折りの「坂道路線」として知られる山口線は、SLやまぐち号が走るには厳しい。汗だくで運転する機関士の情熱と沿線の人々の想いにも触れる。
出演者
【旅人】俳優…西村和彦,元プロ野球選手…屋鋪要,NHK広島放送局キャスター…高嶋未希,NHK広島放送局アナウンサー…上原光紀
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
情報/ワイドショー – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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