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 ロシアのプーチン大統領は26日、シリアで軍事行動していたロシア軍機がトルコの戦闘機に撃墜された事件について、「テロとの戦いで仲間であり同盟だと考えていた国の裏切りによる攻撃」と強く批判した。ロシア政府は、トルコ初の原発建設やトルコ経由で欧州に天然ガスを輸出するパイプライン計画への協力を中止する方針だ。

 プーチン大統領はクレムリンで行われた新任大使の信任状捧呈(ほうてい)式でトルコ批判を展開。トルコの大使は含まれていなかった。プーチン氏は「トルコの政治・軍の高いレベルからの明確な謝罪も、補償の提案も、犯罪者を罰するという約束も聞かれない。トルコ指導部はわざとロシアとの関係を行き詰まりに追い込んだ印象だ」と述べ、名指しは避けつつトルコのエルドアン大統領を批判した。

 過激派組織「イスラム国」(IS)については、「一連の国々の受け身の姿勢や、テロに対する直接的な支援がISの出現をもたらした」と指摘。撃墜後、ロシアはISの資金源とされる石油密輸にトルコが関わっていると繰り返し主張している。