帝国の慰安婦:著者の起訴に抗議 村山元首相ら54人
毎日新聞 2015年11月26日 21時47分(最終更新 11月26日 22時59分)
村山富市元首相や米ハーバード大のアンドルー・ゴードン教授ら54人が26日、著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦の名誉を傷つけたとして韓国世宗(セジョン)大の朴裕河(パク・ユハ)教授が在宅起訴されたことに抗議する声明を発表した。
声明は、朴教授を起訴した韓国検察の判断を「予断と誤解に基づいて下された」と指摘するとともに、「公権力が特定の歴史観をもとに学問や言論の自由を封圧する挙に出た」と批判した。
韓国検察は18日、朝鮮人慰安婦と日本軍の関係を「基本的に同志的」などと表現した著書の内容を「虚偽」と断じ、「学問の自由を逸脱した」として朴教授を在宅起訴した。
声明には、慰安婦動員の強制性を認めた「河野談話」を出した河野洋平元衆院議長も賛同。ノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏や小此木政夫慶応大名誉教授、上野千鶴子東京大名誉教授、若宮啓文元朝日新聞主筆、山田孝男毎日新聞特別編集委員らも加わった。【松井豊】