ロシア軍が公開した映像。
爆弾に書かれた文字は、パリのために。
パリの同時テロ事件を受け、フランスと連携する姿勢を強調して、シリアで空爆を続けていたロシア。
しかし。
炎に包まれた物体が落下していきます。
シリアとトルコの国境付近の映像です。
よく見ると、軍用機のように見えます。
トルコ軍によりますと、日本時間の午後4時過ぎ、トルコ軍の戦闘機が、シリアとの国境付近で、国籍不明の軍用機を撃墜しました。
さらに、パラシュートの映像も。
トルコのメディアは、軍用機の乗員2人が脱出したと伝えているほか、このうち1人が、現地の武装勢力に拘束されたとも報じています。
撃墜された軍用機について、ロシア国防省は、ロシアの爆撃機スホイ24だと明らかにしました。
トルコ軍は、軍用機がトルコの領空を侵犯したとしていますが、ロシアの国営テレビは。
シリアを巡っては、同時テロ事件を受けて、過激派組織IS・イスラミックステートに対する攻撃を強化する動きが始まっていました。
フランスは地中海のシリア沖に、空母シャルル・ドゴールを展開。
23日、ISの支配地域に対して、空母からの空爆を開始したと発表しました。
またアメリカ政府も同じ日、ISに対抗する有志連合の代表を集めた会合を開き、各国に空爆や情報共有の強化などを求めました。
トルコも、この有志連合の一員として、ISへの空爆に参加しています。
ISに対する国際包囲網を構築するため、各国が連携を強化しようとしていたやさきに起きたロシア軍機の撃墜。
今後の軍事作戦にどう影響するのでしょうか。
こんばんは。
ニュースウオッチ9です。
今回の撃墜に、ロシアがどう反応するのか、国際社会の注目が集まっています。
トルコのメディアによりますと、墜落現場はシリア北西部ラタキアの近郊です。
軍用機がシリアとの国境付近でトルコの領空を侵犯したため、トルコ軍が撃墜したとしています。
ロシアとトルコは、これまでもシリアへの空爆を巡って、緊迫した状況が続いていました。
シリアの空軍基地から発進するロシアの軍用機。
ロシア軍は9月から、シリア北西部にあるラタキア郊外の基地を拠点に空爆を行っています。
シリアのアサド政権を支援し、ISを壊滅するためだとして、空爆に乗り出したロシア。
これに対して、シリアの隣国トルコは、ロシアの空爆がISだけでなく、アサド政権と戦う反政府勢力も標的にしていると懸念を示していました。
そしてこう警告していました。
何か発生した場合には、責任はロシア側にある。
こうした中、先月16日には、トルコ軍がシリアとの国境に近い領空内で、国籍不明の無人偵察機を撃墜。
ロシア側は、無人機はロシアのものではないと否定していましたが、シリアでの空爆を巡って、両国の間で緊張が高まっていました。
ここからはトルコとロシアの反応を、中継でお伝えします。
まずトルコの状況については、中東カイロ支局の島崎支局長に聞きたいと思います。
島崎さん、今回、まず何が起きたかなんですが、これ、トルコ側ではどのように説明されてるんでしょうか。
トルコ軍は、領空に入ったロシア機に、5分間で10回も警告したのにもかかわらず、侵犯を続けたため、撃墜したと発表しました。
NATO・北大西洋条約機構と協議する方針でして、国際的なルールにのっとって対応したとして、NATOのお墨付きも得て、ロシア側をけん制しようというねらいが見て取れます。
そもそもシリアの反政府勢力を支援するトルコは、アサド政権の支援を目的にしたロシア軍の空爆に強く反対してきました。
そしてロシアの空爆が、ISだけではなく、反政府勢力の中でも、トルコ系民族の地域が標的になっているとして、ここ最近は、国境地帯でのロシア機の動向に神経をとがらせていました。
さらに、パリの同時テロ事件を受けまして、ロシアの空爆を国際社会が追認する動きも広がる状況を、複雑な思いで見つめていたんです。
それだけに、トルコとしては、今回の撃墜で、ロシアの思いどおりにはさせないと、けん制したい思惑があると見られます。
ただ一方で、先ほど記者会見しましたダウトオール首相は、この問題には一切触れませんで、いたずらにロシアとの対立を激化させたくはないという姿勢もかいま見えます。
続いて、モスクワ支局の石川支局長に聞きます。
石川さん、ロシア政府は、今回どのような反応を示しているんでしょうか。
ロシア政府のペスコフ報道官が、非常に深刻な出来事だが、我慢が必要だ。
まだ完全な情報がなく、コメントするのは不可能だというふうに述べるにとどまっています。
今のところ、抑制されたコメントで、事を荒立てたくないという思いがうかがえます。
ロシアはシリアのアサド政権を巡っては、トルコとは対立しているんですが、それ以外では非常に良好な関係を維持しています。
経済関係を深めているんです。
また先のG20サミットに合わせて、両国の首脳がシリア情勢を巡って話し合いを続けることで、合意したばかりで、対ISの面でも協力していきたい考えでした。
プーチン大統領は撃墜事件について、どういう態度を表明するのか、今のところ苦慮しているものと見られます。
石川さん、我慢が必要だとか、事を荒立てたくないという思惑もあるようですけれども、ということは、ロシアは、まさか報復するということはどうなんでしょう、考えられるんでしょうか。
トルコに報復するということはないというふうに思います。
今、トルコ、さらにトルコが加盟していますアメリカ主導のNATO・北大西洋条約機構と、厳しく対立することは、ロシアにとって得策ではないからなんです。
ロシアはパリでの同時テロのあと、アサド政権を巡る対立をひとまず脇に置いて、ISに対する反テロ連合の創設を呼びかけてきました。
ウクライナのクリミア併合以降、対立を深めてきた欧米との関係修復を図るねらいがありました。
それが現実に思惑どおりに進んできたところがありまして、今回の撃墜で、それを壊してしまうのは、これ、ロシアにとって痛いんですね。
望んではいないことなんです。
今回の撃墜に対しては、厳しい姿勢を示すとは思いますが、こういう事件が繰り返されないためにも、できるだけ対立を深めずに、アメリカ中心の有志連合と連携の必要性を主張していくものではないかと見られています。
今後、プーチン大統領はどういう形で撃墜を巡る緊張を緩和させるかが、今後のテロとの戦いを左右することになります。
再び、カイロ支局の島崎支局長に聞きます。
島崎さん、パリの同時テロ事件以降、今、各国、特にフランスが中心となって、IS包囲網の構築を心がけてますけれども、そうした動きに対して、今回の撃墜が、どうした影響を及ぼすというふうに考えられますでしょうか。
現時点ではまだ、どこまで影響が出るかは分かりません。
しかしISとの戦いで欠かせない存在となったロシア。
そしてシリアの隣国で、有志連合の重要なメンバーであるトルコの対立が、今後、仮に顕在化するということになりますと、包囲網にほころびが出るという可能性はあります。
ISの台頭の原因であるシリアの内戦をどう沈静化させるか、そしてアサド政権をどうするかを巡って、対立がある以上、ISの包囲網というのは、いつ揺らいでもおかしくはない状況だからです。
また、アメリカが進める空爆作戦、そして、ロシア、フランスも空爆強化と、各国が入り乱れて軍事作戦を続ける中で、シリアの上空や国境付近での軍用機どうしの偶発的な衝突という事態も十分考えられます。
そうした中で、各国が世界の脅威であるISの壊滅に向けて、妥協点を見いだして協調できるのか、その難しさが改めて浮き彫りになりました。
島崎支局長と石川支局長でした。
一方、IS包囲網の構築をフランスが呼びかけるきっかけとなったのが、パリの同時テロ事件です。
その捜査はどこまで進んでいるのでしょうか。
フランスのメディアは、パリ郊外で爆発物を身につけるためのベルトのようなものが見つかったと伝えています。
事件から10日。
フランスでは、各地で犠牲者の葬儀が営まれました。
例年、イルミネーションを目当てに多くの人が訪れる観光名所のシャンゼリゼ通り。
ことしは。
イルミネーションがともされ、多くの店が並びましたが、目立つのは警戒に当たる兵士の姿です。
同時テロの実行犯が、事件の際、空爆に対する報復だと話していたという証言も報じられています。
フランスの週刊誌は、実行犯らとの交渉に当たった治安部隊の隊員へのインタビューを掲載しました。
やり取りがあったのは、3人の容疑者が観客を人質に立てこもったコンサートホール。
突入を試みた治安部隊に、人質の1人が、それ以上近づくと、犯人は人質の首を切ると言っていると叫んだといいます。
そして、伝えられた実行犯の電話番号に隊員が5回電話。
およそ50分かけて、人質を解放するよう交渉したということです。
隊員が話していた相手は、オマル・イスマイル・モステファイ容疑者と、サミ・アミムール容疑者の2人と見られています。
2人は次のように話したということです。
ここでは、今回の事件で最も多い89人が死亡。
大勢のファンに襲いかかった悲劇について、ステージ上にいたアメリカのバンドは。
そして新たな手がかりも。
ごみ置き場で見つかった、ベルトのようなもの。
体の前と後ろに爆発物をつけられるようになっているなど、事件で使われたものと形が似ているということです。
一体誰が、ごみ置き場に放置したのか。
いまだ逃亡したまま行方が分かっていない、サラ・アブデスラム容疑者。
同時テロ事件が起きた夜、このごみ置き場の周辺で携帯電話を使用した記録が残っているということです。
フランスのメディアは、発見されたベルトのようなものが、サラ・アブデスラム容疑者のものである可能性も視野に、捜査当局が詳しく分析を進めていると伝えています。
これですね、トルコが、ロシアの爆撃機と見られる軍用機を撃墜したことで、情勢が複雑になってきたんじゃないかなと感じるんですが。
それはありますね。
フランスのオランド大統領が、このあとおよそ3時間後に、オバマ大統領と首脳会談を行います。
それから26日にはロシアでプーチン大統領とも会談を行うんですね。
こうした一連の首脳会談というのは、ISに対する国際包囲網を築いていこうと、国際的な連携を強めようという目的なんですけど、まずその上で、まず、この問題は、トルコによるロシア軍機の撃墜の事態をまず収拾しないといけないというのが、まず最大の焦点になってくるというふうな気がします。
悲願の国際市場への参入に向けて、大きな一歩です。
こちら、日本のロケットとして初めて、海外の民間企業から受注した人工衛星を載せたH2Aロケット29号機が打ち上げられ、午後8時過ぎに、衛星を予定の軌道に投入。
打ち上げは成功しました。
ごう音とともに飛び立ったH2Aロケット29号機。
そして打ち上げからおよそ4時間半後の午後8時17分ごろ。
テレスター12バンテージ、分離。
高度およそ3万4000キロで、衛星を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功しました。
ロケットに搭載されているのは、カナダのテレサット社の通信放送衛星です。
H2Aロケットには、衛星の打ち上げを巡る国際市場への参入という、日本の悲願が込められていました。
世界の衛星打ち上げは、ヨーロッパとロシアが大半を受注しています。
そこに、アメリカのベンチャー企業が低価格を武器に急成長。
競争は激しさを増しています。
この競争に割って入ろうとするH2Aロケット。
打ち上げ費用がおよそ100億円とされ、各国のロケットに比べ、2割から3割高いと見られています。
その一方で、これまで、28回打ち上げられたうち、失敗は1度だけと、高い信頼性が強みです。
さらに今回、競争力を高めようと、エンジンの性能に改良を加えました。
これまでは、ロケットが高度300キロ付近で衛星を切り離し、軌道までは衛星が自力でたどりつく必要がありました。
これに対し今回は、衛星の燃料を節約して寿命を延ばすため、ロケットが4時間半近く飛行し、高度3万4000キロまで衛星を運びます。
このため、2段目のエンジンは、3回にわたって点火と停止を繰り返す必要があり、エンジンをより効率よく冷やす装置などが加えられたのです。
ロケットを開発した、三菱重工業の担当者は。
パブリック・ビューイングの会場です。
会場には大勢の方が詰めかけていまして、中には立ち見の方もいますね。
H2Aロケットのボールペンを片手に、打ち上げを見つめる男の子がいました。
打ち上がりました。
星埜そうせいくん5歳です。
こんにちは。
はやぶさ2の打ち上げのニュースをきっかけに、ロケットに興味を持つようになったそうせいくん。
今度は、H2Aロケットの打ち上げがあると知り、自分で図鑑を見て調べるようになりました。
H2A。
うわー、すごい。
イプシロン?
H2Aの打ち上げを見て、宇宙への憧れを強くしたといいます。
今回の打ち上げ成功。
その意義について、専門家は。
ドラマではないんですけど、ロケットの打ち上げにはやっぱりロマンを感じますし、成功と聞くと、わくわくするところ、ありますよね。
そうですね。
このH2Aロケットは、ただ、打ち上げ費用がね、100億円とされていて、これ、大きな課題になってるんですけれどもね、ただ日本は現在、5年後の初飛行を目指して、費用を半分に抑えるH3ロケットの開発も進めています。
ぜひ世界の市場で大きな成果を上げてほしいと思います。
政府の経済財政諮問会議で、安倍総理大臣は、現在、全国平均で時給798円の最低賃金を、来年以降、毎年3%程度引き上げ、1000円にすることを目指す考えを示しました。
きょうの経済財政指紋会議。
甘利経済再生担当大臣は、GDP600兆円の達成に向けた緊急対応策を示しました。
法人税の実効税率について、来年度の引き下げ幅を確実に上乗せし、早期に20%台に引き下げる道筋をつけることや、消費を拡大し、今後5年程度で平均3%程度の名目成長率を実現するため、これにふさわしい賃上げや、最低賃金の引き上げが重要だと指摘しています。
これを受けて安倍総理大臣は、現在、全国平均で時給798円の最低賃金を、来年以降、毎年3%程度引き上げ、1000円にすることを目指す考えを示しました。
その上で、最低賃金の引き上げに向けて、中小・小規模事業者の生産性向上などのための支援や、取り引き条件の改善を図っていくと述べました。
そして関係閣僚に対し、最低賃金の引き上げに向けた中小企業などの支援策を検討するよう指示するとともに、産業界に対しても、取り引き価格の適正化に協力を要請しました。
次は、高齢の両親を車に乗せたまま川に入り、無理心中を図ったとして、47歳の三女が逮捕された事件です。
三女は、事件の前に生活保護の申請をしていたことが分かりました。
行政に支援を求めながら、なぜ事件に至ったのでしょうか。
事件があった埼玉県の利根川です。
おととい、この川で藤田慶秀さんと妻のヨキさんが死亡しているのが見つかりました。
2人を車に乗せたまま川に入り、無理心中を図ったとして、殺人と自殺ほう助の疑いで逮捕された、三女の波方敦子容疑者。
警察の調べに対して、貯金も収入もなくなり、父親から、一緒に死にたいと言われたと話しているということです。
その敦子容疑者が、事件の5日前の今月17日、深谷市に生活保護を申請していたことが、関係者への取材で分かりました。
申請の2日後には、市の職員が自宅を訪れ、手続きを進めていたということです。
その直後になぜ、事件は起きたのか。
周辺の人たちの話からは、苦しさを増した一家の暮らしぶりが浮かび上がっています。
長女の話によりますと、ヨキさんは、10年ほど前から認知症の症状が現れ、敦子容疑者が介護をしていました。
家計は慶秀さんが新聞配達の仕事で支えていたということです。
近くに住む人は、以前の一家の様子をこう話しています。
しかし、地区の自治会長は、数年前、敦子容疑者から自治会費を払えないと伝えられたといいます。
そして今月半ば、慶秀さんは、病気のため、新聞配達の仕事を辞め、一家の収入はなくなりました。
ヨキさんのために尽くしていたという敦子容疑者。
今月2日には、介護サービスを受けるための申請もしていたということです。
行政に支援を求めながら、なぜ事件に至ったのか。
警察は、詳しいいきさつを調べています。
生活保護は、一般的には申請してから1か月ほどで、支給の決定が出るということです。
その1か月が待てないほど追い込まれていたのか、もしくはそれ以外の別の理由があったのかどうかですね。
その辺の事情が分かれば、少なくとも同じような状況の人たちに、周囲が手を差し伸べる一つのヒントになるような気もします。
次は、消費税の軽減税率についてです。
関心の高い方も多いのではないのでしょうか。
軽減税率の対象を巡って、自民、公明両党の駆け引きが続いています。
自民党の谷垣幹事長は、対象品目を生鮮食品に絞る方向で公明党との調整を急ぐことになりました。
きっかけは、安倍総理大臣の指示でした。
自民、公明両党が、来月10日をメドに取りまとめることにしている、税制改正大綱。
焦点となっているのが、消費税の軽減税率。
対象品目をどこまでにするのか、協議が続いています。
平行線が続く中、安倍総理大臣はきょう、自民党本部へ。
谷垣幹事長、宮沢税制調査会長と会談し、軽減税率の財源について、社会保障と税の一体改革の枠内で議論してほしいと述べ、4000億円の枠内で検討するよう指示しました。
これを受けて谷垣幹事長は、財源が4000億円に収まるよう、対象品目を生鮮食品までに絞る方向で、あすにも公明党の井上幹事長と協議し、早期の合意に向けて調整を急ぐ方針です。
自民党、公明党の主張を整理しますが、そもそもこの軽減税率の財源とは、どういうことかといいますと、再来年4月に消費税率が10%に上がった場合、これだけの税収があるとします。
軽減税率を導入しますと、その税収が目減りすることになり、自民、公明両党は、この目減り分の財源をどうするのかということも議論しているんです。
それぞれの主張ですが、こちら。
まずは自民党です。
社会保障と税の一体改革で、4000億円は確保できるとして、その範囲でできる生鮮食品に対策を絞るべきだとしています。
安倍総理大臣はきょう、社会保障と税の一体改革の枠内で議論してほしいと指示したわけなんです。
一方、公明党は、低所得者への対策として、生鮮食品に加工食品も加えるよう求めています。
そのため、1兆円程度の財源を確保するよう求めているんですが、その財源をどうするのかが課題です。
こうした自民、公明両党の協議。
平行線をたどっています。
公明党は、税制調査会の総会を開き、税制改正に向けた本格的な議論をスタート。
軽減税率を巡って、石田政務調査会長は。
私たちの生活に直接関わるこの議論ですが、期限までにまとめなくてはいけないということなんですね。
そうですね。
その期限なんですけれども、与党は来月10日をメドに、この軽減税率を含めて、来年度の与党税制改正大綱をまとめることにしているんですね。
ところが実は、自民と公明の幹事長が、来月2日から、中国を訪問することになっていますので、その2日までですから、これ、実は1週間余りしかないと。
この間に与党で合意したいとしてますので、それまでの1週間余りの限られた時間内で、ぎりぎりの調整が行われるということになります。
次です。
将来の日本の労働力が不足するという、新たなデータが示されました。
厚生労働省がきょう公表した労働力についての推計です。
去年、6351万人余りだった就業者の数が、人口減少などによって、2030年には800万人近くも減るおそれがあるとしています。
都道府県別に見てみますと、この赤で示した所は、去年と比べて15%以上も減る所です。
全都道府県の半数を超えています。
こうした場所では、すでに人手不足が深刻化し、暮らしにも影響が出始めています。
町なかで目立つ、従業員募集の看板。
富山県は、人口減少が全国に10年先行して、1990年代末から始まりました。
いらっしゃいませ、真ん中のお席、どうぞ。
とりわけ、外食産業などの主な働き手である若者が、少子化や大都市への流出で減っています。
このラーメン店は、年中無休で営業してきました。
しかし、若い従業員の確保が難しく、1人当たりの負担が増えています。
レジを打ったら、すぐ配膳へ。
息つく暇もありません。
専務の下津佐雅之さんです。
店ごとに必要な従業員の数と実際の数です。
この店では、3人が不足。
7つあるほとんどの店舗で、人手不足が続いています。
アルバイトの時給を引き上げたり、50時間働いた時点で1万円を支給したりするようにしましたが、思うように人は集まりません。
専務みずから店に出て、調理や接客に当たっていますが、今のままでは限界があると感じています。
さらに、暮らしへの影響も。
本格的な冬を前に、地区の除雪を担っていた建設会社にも、人手不足の影響が出ています。
雪の多い富山県。
地元の建設業者が分担して除雪作業を請け負っています。
この地区では、17社で除雪を分担していましたが、1社が人手不足などからことし9月に廃業し、除雪ができないおそれがでてきたのです。
地元建設業協会の会長、得能年久さんです。
この地区の建設会社では、十分な採用ができない状態が続き、従業員は20年前と比べて半分に減っています。
ことしは、廃業した会社の分を代わりに引き受けるという会社があったため、なんとかしのげる見通しになりました。
今後さらに人が減ると、除雪ができなくなるのではと、不安が広がっています。
一方、東京。
都市部でも労働力の減少は深刻になると推計されていますが、対策も始まっています。
こちらで?はい。
お待たせいたしました。
こちらのハンバーガーチェーンで活躍しているのが。
高齢の従業員です。
このチェーンでは、人手不足を見越して、採用の年齢制限を撤廃。
店名にちなんで、一部の客からは、モスジーバーの愛称で呼ばれています。
そのジーバー。
勤務に工夫があります。
週1、2回の少ない日数や、短い時間の勤務を認め、担当する業務を1つに絞ることもできます。
こちらの75歳の女性は、主に接客を担当しています。
特定の業務に専念してもらうことで、働きやすくしているのです。
年配者ならではの気配りも好評です。
どうもありがとうございました。
今では、従業員の2割近くが高齢者の店舗もあるということです。
モスジーバー、絶妙だなと思いましたけど、お年寄りが働ける場を作ることが、一つの鍵を握っているということなんですね。
そうですね。
今回、厚生労働省が公表した推計でも、こうしたお年寄り、高齢者や、それから女性の雇用を積極的に進めていったりした、こうした対策を取った場合は、働く人の減少、これが182万人にとどまるという数字も示されています。
国は高齢者や女性の就労支援をこれから進めていくことにしているということです。
続いて気象情報、井田さんです。
こんばんは。
こちら、札幌市、今シーズン初めて、本格的に雪が積もりました。
動き始めたのがこちら。
ササラ電車です。
長さ30センチほどの竹を束ねた、ササラと呼ばれるブラシを回転させて、路面電車の線路に積もった雪を取り除きます。
札幌市では、20センチ以上雪が積もりました。
ササラ電車、この冬初めての出動となりました。
北海道ではきょう、平地でも本格的に雪が積もった所、多くなりました。
この時間も雪が積もっています。
午後9時の積雪ですけれども、札幌で22センチ、北海道の美瑛町で46センチです。
雪のピークは越えていますが、車の運転など、このあとも十分気をつけてください。
そしてあすは九州から東北で冷たい雨、山や峠では雪となりそうなんです。
あした朝6時では、まだ雨の所は少ないですが、そのあと昼ごろになると、九州から東北にかけて、沿岸を中心に、雨となってきそうです。
そしてそのあと午後には内陸のほうまで広がっていきます。
夕方以降は関東甲信越や北陸、東北の山や峠では、雪となって積もる所もありそうです。
そしてきのうお伝えしたように、東北から九州ではあす以降、日に日に気温が下がってきそうです。
予想最低気温。
あすよりも木曜日、金曜日、土曜日というふうに、土曜日を境に気温が下がりそうです。
もう冬物のコートが必要な気温ですから、お過ごしになってください。
ではあすにかけての天気図を見ていきましょう。
あすは北海道から低気圧は離れますけれども、太平洋側には前線が発生してくる予想です。
そして日本海側にも低気圧が進んできますので、あすは九州から東北にかけて、広い範囲で冷たい雨となりそうです。
標高の高い所、東日本や東北では雪となりそうです。
日中も気温が上がらず、12月並という所が多くなりそうです。
いい音ですね。
スポーツ、佐々木さんです。
こんばんは。
このゴイーンの謎は、また後ほどお伝えします。
プロ野球。
4年ぶりに阪神に復帰する藤川球児投手が会見し、意気込みを話しました。
藤川投手は、推定で総額4億円の2年契約を結びました。
球児!
大リーグではけがに苦しみ、ことし5月から地元、高知の独立リーグでプレー。
阪神復帰の決め手は、かつてと変わらぬファンの声援でした。
藤川投手、背番号18に決まりました。
投手陣の再建が課題の阪神で、ベテランの活躍、期待されます。
さあそして、セ・パ両リーグのベストナインが発表されました。
タイトルに輝いた選手たちが選ばれました。
西武の秋山翔吾選手は、最多得票で初の受賞。
216本のヒットを打って、シーズン最多安打のプロ野球記録を更新しました。
パ・リーグの受賞者です。
2年連続日本一のソフトバンクからは、トリプルスリーを達成した柳田悠岐選手と、イ・デホ選手の2人が選ばれました。
セ・リーグは、広島の前田健太投手が、2年ぶり3回目の受賞。
今シーズンは15勝を挙げて、最多勝に輝きました。
セ・リーグでは、ヤクルトから最多の4人が受賞しました。
このうち初めてのタイトルとなる打点王を獲得した畠山和洋選手は、15年目で初めての受賞です。
ベストナインに選ばれた前田投手。
来シーズンは大リーグに挑戦したいと球団に申し入れました。
前田投手は、球団との会談のあと取材に応じ、来シーズンは大リーグに挑戦したいと申し入れたことを明らかにしました。
その上で、思いは強くなっている。
ことしはある程度の成績を残せた。
手を挙げてくれるところがあるかもしれないと心境を話しました。
大リーグにこのオフ移籍するには、ポスティングシステムと呼ばれる所属球団の同意が必要な制度を使う必要があります。
球団は来週末には方向性を出していきたいとしています。
白紙撤回された、2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム。
新たなエンブレムの応募の受け付けがようやく始まりました。
受け付けはきょう正午からインターネットで行われ、午後5時までに377件の登録があり、関心の高さをうかがわせました。
エンブレム委員会の宮田亮平委員長の横には、なぜか、どら。
応募の締め切りは、来月7日。
来年春の決定を目指します。
宮田委員長、東京芸術大学の学長で、金属をたたいて作るたん金の専門なんですね。
鳴らしていたどら、手作りなんだそうです。
なるほど。
来年のリオデジャネイロオリンピックで初めて採用される、7人制ラグビー。
女子の日本代表が、日本で行われるアジア予選の後半戦に向け、本番の会場で練習を行いました。
6チームで争われるアジア予選。
日本は前半戦の香港大会で1位。
28日から始まる日本大会との合計ポイントで、トップに立てば、オリンピック出場が決まります。
きょうは、試合会場の秩父宮ラグビー場で練習。
試合のさまざまな動きを確認しました。
鍵となるのは、初戦の中国戦。
香港大会で唯一負けた相手です。
そしてこちらもオリンピック出場を目指すサッカー男子22歳以下の日本代表候補。
Jリーグの戦いを終えたメンバーが加わり、本格的な練習に入りました。
22歳以下日本代表の候補合宿。
Jリーグを戦い終えた11人が加わり、25人全員がそろいました。
最終予選のライバル、中東のチームを想定した、本格的な戦術練習。
サイドから崩す形を繰り返し確認しました。
キャプテンで攻守の要、遠藤航選手。
2か月を切ったアジア最終予選へ、気持ちを高めています。
来年のオリンピックを控えたブラジルのリオデジャネイロ。
本番に向け、本来なら盛り上がりを見せるはずの街に今、異変が起きています。
リオデジャネイロ市の中心部です。
開会式が行われるマラカナンスタジアムと、コパカバーナ海岸の中間にあります。
商店街では今、閉店が相次いでいます。
この1年間で、全体の3分の1に当たる20店舗以上が店を閉めました。
ブラジル経済は、急速に落ち込んでいます。
政府機関の試算によると、ことしはマイナス成長となる見通しで、オリンピック前年に景気が上向く傾向にあった、過去の開催都市とは逆の現象が起きています。
このことが、オリンピックの準備にも大きな影を落としています。
卓球のテスト大会の会場に来ています。
コストを下げるために、ご覧のようにスタンドに一般の観客の姿はありません。
本番では設置されるはずのテレビのモニターもありません。
参加したのは、ブラジル、アルゼンチン、チリ、イギリスの4か国だけ。
当初予定されていた、日本や中国など、強豪国の姿はありませんでした。
国からの財政的な支援を見直された組織委員会が、経費を10%以上削減したため、本格的なテスト大会とは程遠いものになってしまったのです。
さらに追い打ちをかけるように、新たな対応を迫られる事態も発生しました。
フランスで起きた同時テロ事件。
標的となったのは、大勢の観客が入ったサッカーのスタジアムでした。
国と連携しながら、当初の想定以上の厳しい警備を取る必要性が、組織委員会に突きつけられることになったのです。
景気の先行きが見通せない中で、選手や観客の安全を確保し、南米初のイベントを満足のいく大会にできるのか。
リオデジャネイロは正念場を迎えています。
組織委員会としては、大会本番の予算を削らないための措置としているんですけれども、テスト大会、選手にとっては感触をつかむ大事な機会でもありますし、運営側にとっても、問題点を見つけるチャンスでもあるので、ちょっとそのあたり、心配を抱えることになりそうです。
お伝えしていますように、日本として初めて海外の民間企業から受注した人工衛星を載せたH2Aロケット29号機の打ち上げが成功しました。
三菱重工業とJAXAが、先ほどから記者会見を開いています。
ロケットは計画どおり飛行し、テルスター12Vを正常に分離したことを確認しました。
H2A、2B、28機連続の打ち上げ成功になりました。
初めての海外商業衛星の打ち上げでしたが、無事、打ち上げることができ、大変安どしています。
当社はこれからも、皆様に安定的な打ち上げを提供できるよう、さらに心を引き締め、細心の注意と最大限の努力を傾注してまいります。
日本としてはじめてかいがいの民間企業から受注した人工衛星を載せた、H2Aロケット29号機は、きょう午後8時17分ごろ、衛星を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功しました。
内戦が続くシリアと隣国トルコとの国境付近で24日、トルコ軍が領空を侵犯したとして、ロシアの爆撃機と見られる軍用機を撃墜しました。
ロシアのプーチン大統領は、先ほど、シリア上空で撃墜されたと主張したうえで、ロシア軍機は、トルコに脅威を与えていなかったと述べ、トルコを批判しました。
トルコ軍によりますと、現地時間24日午前9時20分ごろ、トルコ軍の戦闘機が、シリアとの国境付近で領空を侵犯したとして、国籍不明の軍用機を撃墜し、軍用機はシリア北西部ラタキアの近郊に墜落したということです。
トルコのテレビ局は、トルコ軍が明らかにしたロシア機と見られる軍用機の飛行経路だとする図を放送しました。
ピンク色の線で書かれたルートで飛行していた、ロシア軍機と見られる軍用機が、トルコ領を通過した状況が示されています。
ロシア国防省は、ロシアのメディアに対し、撃墜されたのは、シリア上空を飛行していたロシアの爆撃機スホイ24だと明らかにしました。
トルコのメディアが伝えた現地からの映像では、軍用機と見られる機体が炎上しながら急速に降下し、墜落したと見られる場所からは、黒煙が上がっています。
2015/11/24(火) 21:00〜22:00
NHK総合1・神戸
ニュースウオッチ9▽トルコ軍がロシア爆撃機撃墜▽悲願の海外商業衛星打ち上げ[二][字]
トルコ軍がロシア爆撃機撃墜・いったい何が 最新情報▽日本の悲願海外商業衛星を載せたロケット初の打ち上げ軌道投入の成否は▽“雪かきができない”地方の人手不足深刻に
詳細情報
番組内容
【キャスター】河野憲治,鈴木奈穂子,【スポーツキャスター】佐々木彩,【気象キャスター】井田寛子
出演者
【キャスター】河野憲治,鈴木奈穂子,【スポーツキャスター】佐々木彩,【気象キャスター】井田寛子
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ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 天気
スポーツ – スポーツニュース
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