「きょうの健康ぜんそく最新情報」。
今日も大人のぜんそく最新情報をお伝えします。
2日目です。
今日は…お話は…ご専門は呼吸器内科でぜんそくをはじめとした呼吸器疾患の診察を行ってらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
その「症状を抑え続けるには?」という事で本当にこういう事が可能なんですか?ぜんそくの症状を抑える事は可能です。
しかし残念ながらぜんそくを完全に治すという事は非常に難しいという事になっています。
これは我が国のぜんそくで亡くなってしまうような重症な方の数というのを示したものなんですけれども以前は年間6,000人近くおられたんですがその後徐々に減ってきて一番最近では年間2,000人を切るというところまで来ました。
そのうちの多くの方が今65歳以上の高齢者であるという状況になっています。
何がこのぜんそく死の減少によかったかというとやはり治療がよくなってきた。
これが一番の重要なポイントであるというふうに考えられています。
治療というのはやはりそれは薬という事ですか?薬の発達ですね。
それでは詳しくお伝えしますけどまず高齢者の方の典型的な例ですねよくある例からご紹介します。
65歳のBさんです。
Bさんは3年前にぜんそくを発症していましたが発作が起きなくなったため自己判断で治療薬の使用をやめていました。
ところが冬になって少し風邪気味で外出した時冷たく乾燥した空気を吸った事をきっかけにそれまで落ち着いていたはずのぜんそくの発作が突然起きてしまい救急車で運ばれる事になってしまったのです。
Bさんその命を取り留めたようですけどこれもやはりその治療薬をやめていたという事が原因なんですか?そうですね。
もちろん冬で寒かったりとか風邪をひいたというのも大きな要因だと思うんですけれどもやはり自己判断で治療をやめてしまったというのが大きかったんだと思います。
なるほど。
こうしたケースでもなぜ高齢者の方に多いんですか?やっぱり高齢の方というのは非常に病気が長いので長く続くとどうしても小さくて若い子どもに比べるとだんだん病気が重症になってくるというのはあります。
また高齢の方というのはついつい薬をのみ忘れたりとかうまく薬を使えなかったりとかそういう点もあるのではないかというふうにいわれています。
何か分かるような気がしますけれども今日はその症状を抑えるための方法をお伝えする訳ですがまずぜんそくになると体の中喉の辺りですねどのようになってるかそこからまた改めて教えて頂けますか?これは顔を横から見た図なんですけれども食べ物が通るこの食道の前に空気が通る気道がある訳ですけれどもぜんそくになるとこの気道が慢性的に炎症を起こしてるという状態になってきます。
これはまた別の角度から見たものなんですけれども健康な方では気道というのはきれいに空いていてこの水色の部分が空気が通る所なんですけれども楽に息ができる訳ですがぜんそくになってくるとこの中の粘膜という所に炎症が起きてくると。
少し狭くなってくるんですね。
これでもう発作がない状況であればきれいに空気が通るんですが非常に炎症があると敏感になってしまってそこに何らかの刺激が加わると狭くなってしまうと。
こうなってしまうと非常に息がしづらくなってしまうという事になります。
発作がない時でもこう見ますと炎症は残ってるという事なんですか?そうなります。
そうなりますとじゃあどのように治療をすればいいかという事になるんですが大きく2つの薬が考えられます。
一つは狭くなってる訳ですからやはり気管支を広げる薬剤気管支拡張薬というのを使うという事になりますしもう一つはこの粘膜面にず〜っと炎症がある訳ですから炎症をとるためのステロイドの吸入薬というのを使う事になります。
それはどのように実際に使っていくんでしょうか?実際ぜんそくの治療においてこの薬をどのように使っていくかという事なんですけれどもこの気管支を広げる気管支拡張薬というのは発作を抑える。
症状をとるために発作を抑えるために使うという事になります。
一方炎症をとるこの吸入のステロイド薬。
これは発作をとるのではなくて…この吸入のステロイドの予防薬を使ったとしても気管支は広がらないので発作が抑えられる訳ではないんですがこの薬を持続的に使い続ける事で発作が起きにくくなると。
これが一番治療においては重要な事だと考えられています。
でもこれ予防もできる病気という事になってくるんですね。
それでは予防できるという事ですが実際に発作が起きた時ですねすごく苦しい訳ですよね。
それはどういう状態なんでしょうかしら。
どう使っていくんですか?ぜんそくというのは世界中で重症度どれぐらいひどいかというのをこの4段階に分けているんですけれどもどの段階においても実際に発作が起きてしまって息が苦しくなったら使う薬というのはやはりこの気管支を広げる気管支拡張薬というのを使う訳です。
全てにおいてそうなんですね。
はいそうなんですね。
でもこれそれぞれ4つ分かれてるってどんなふうに分かれてるんでしょうか?ぜんそくの重症度というのは4段階に分けるんですけれども一番軽いのはこの軽症間欠型といって季節の変わり目あるいは風邪をひいた時だけに症状が起きるのが軽症間欠型。
このあとのやつは持続型ですので風邪をひいたり季節が変わらなくてもず〜っと慢性的に症状があると。
その症状の度合いとか頻度を程度や頻度を軽症中等症重症というふうに分けています。
でもこの気管支拡張薬を使っても全てにおいてとおっしゃいましたが使ってもよくならない場合にはどうしたらいいんでしょう?まずはご自宅で手持ちの薬を使う訳ですけれどもそれを使ってもよくならない場合にはやはり速やかに場合によっては病院に行って頂いて病院に来られたら今度器械を使って気管支拡張薬を吸入したり点滴でいろんなお薬を入れたりして治療をします。
従ってご自宅で治まらない時には速やかに病院を受診して頂くという事が非常に重要だというふうに思われます。
ちゅうちょしないでやっぱりすぐ行った方がいいんですか?場合によっては救急車を使ってでも早く病院に来て頂くのが何より大事です。
窒息とか本当にね命に関わってきますもんね。
どうなんでしょうか。
先ほどからお話出てる予防ができる。
その予防についてはどうなんですか?今度は予防薬というのはやはりこのどの重症度にもかかわらず使うお薬というのはこの抗炎症作用というのがある…これが一番重要な薬剤になります。
これは軽症からだんだん重症になるに従って量を増やしていきます。
それでぜんそくの発作が起きないように予防するという薬剤です。
そうすると発作が起きたときの薬とそして予防する2つ…。
そうですね組み合わせます。
…という事なんですね。
はいそうです。
でもどうなんでしょうかこのステロイドというのは大体どれぐらいの頻度で使ったりするんですか?通常は一日2回朝夕という使い方をしますが薬の種類によっては1回だけとかあるいは重症になってくると4回ぐらいに分けて使う事もあります。
でもなかなかそのステロイドというと副作用をね心配する方も多いと思うんですけど。
やはりぜんそくでもステロイドを経口飲み薬で使ったり点滴で使うといろいろ大きな副作用というのもあるんですが吸入で肺の中だけに入ってくような使い方をすれば恐ろしい副作用というのはほとんどありません。
妊婦の方でも安全に使う事ができるといわれています。
また最近のここ数年間の特徴としては吸入ステロイドに長時間作用するような長く効くような気管支拡張薬を最初から組み合わせて使う配合剤というのがあって一つの薬を吸入する事で両方の効果を得るという薬剤もよく使われるようになってきています。
それはありがたいですよね。
でもどうなんでしょうそうするとますます発作が起きていなかったりね吸入する回数が少ないとやっぱり途中でまあいいかなと思ってやめてしまったりという方もいるような気もするんですけど。
この図は縦軸が症状の強さで横軸が経過ですね。
これを表しています。
ぜんそくというのは常に症状がある訳ではなくて症状がある発作がある時期とない時期が繰り返されると。
特にこのない安定した時期が長く続いているとついつい続けて薬を使うという事ができなくなって中には自己判断でやめてしまう方おられる訳ですけれどもやはり最初に申し上げたように完全に治ってる訳ではないので何もしないとそのうち大きな発作を起こしてしまう可能性はありますのでやはり安定していたとしても決して自己判断でやめるのではなくて主治医の先生にご相談をされて薬の量を考えて頂きたいというふうに思います。
例えばこの安定というのは忘れるほどですから相当長い時もあるんですか?もちろん短い事もありますが年単位で安定する事もありえますので。
そうですか。
そこで治ったと安心してやめずにやはり先生に相談して頂きたいと思います。
発作が出なくても続けるという事なんですか。
そうするとその吸入器がね必要不可欠になってきますが今日お手元に持ってきて頂いたんですね。
これ見ますと本当に小さいものなんですね。
基本的にご自宅で使われるものなので持ち運びしやすいように近年のやつは随分小さくなっています。
いろんなタイプがあるんですね。
基本的には中にガスが入っていてガスが出てくる噴霧型というやつと中に粉が入っていてその粉を自分の力で吸い込むパウダー型というのがあります。
そういう器械の違いというのはあるんですけれども中にはいろんなタイプの薬が入っていてあるものは吸入ステロイドあるものは気管支拡張薬あるものは合剤というふうに中身はいろいろあります。
いずれにしてもこの器械で吸入するという事なんですね。
こちらから噴霧型ですか教えて…。
噴霧型から使いたいと思うんですけれどもこちらはこのようになっていて蓋を開けて押すと中に薬が入っていてこのように薬が出てきます。
今でも薬は入ってないんですね。
入ってないです。
今ガスだけですね。
そうですガスだけです。
これを吸って頂く事になります。
ちょっとどうなんでしょうか試しに…。
これはここ押せばいいんですね。
何か使い方のポイントってあります?ガス型のやつはあまり速く吸うのではなくて気持ちゆっくり吸う事と吸い込んだあとにしっかり肺の中に行き渡るのを待つと。
息を止めてからゆっくり息を吐き出すというのが大事です。
じゃあすぐしゃべっちゃいけないという事ですね。
はい。
じゃあ押して…。
吸うんでしたね?はいそうです。
すいません。
しばらく息を止めてゆっくり吐き出します。
はいそうですね。
あっ何か…これがついてるせいでしょうか押しやすかったですね。
はい。
これが噴霧型でそしてパウダーってのもあるんですか?今度は今のは押して薬が出てきた訳ですけども今度は中に入ってる薬の粉を自分で吸い上げるという事になります。
吸い上げられるんでしょうか。
まず蓋を開けるとこのようになっていて…。
(筒をねじる音)これで中に薬が入りました。
音が…。
1回分入るんですね。
これをここに口をつけて頂いて今度は力強くおそばを食べるような感じで力強く吸い込んで頂いて。
息…吸うんですか?そうですね。
やはり息をしばらく止めてからゆっくり吐き出すという事をします。
じゃあえ〜っと吸うんですね。
そうですね力強く吸って下さい。
少し息を止めて…ゆっくり吐き出します。
上手ですねはい。
でもなかなかやっぱりこう…呼吸がだんだん浅くなったりしますと本当に入ってるかどうかやっぱりちょっと難しいですかね年を重ねてくると。
飲み薬と違ってやはり患者さんごとに合ったものというのがあるのでやはり先生とか薬剤師さんによく相談して頂いて自分に合ったものを使わないとなかなか継続するというのが難しいですね。
あともう一つ大事な事は吸入薬というのは肺の中に入る分は全然問題ないんですけれども口の中に残ってしまうといろいろ副作用が出たりしますので必ずうがいをして頂くという事が大事です。
そうするとタイミングとしてはどういうタイミングで行えばいいんでしょうか。
一日2回でうがいという事を考えるとよくお勧めするのは朝晩の歯を磨く前に吸入して頂くと。
そのあとで歯を磨いて頂ければちょうどうがいになるし忘れませんのでそれがいいのかなと思ってよく指導には使っています。
やっぱり本当に忘れない事が大事という事を今日本当重々伺ったんですけど改めてポイントですね2日間のまとめになりますけどもお願いできますでしょうか。
ぜんそくは決して怖い病気ではなくてきちんと治療をすれば症状を抑える事ができます。
しかし…完全に治すという事はなかなか難しいですね。
症状がない時期にはついつい忘れてしまうと。
今実際やって頂いてお分かり頂いたようになかなか大変なんですねこれは。
ちょっとやっぱり難しい感じ…。
飲み薬とか貼り薬に比べれば吸入薬というのは個人の努力とかコツとか忍耐というのがどうしても必要なんですね。
しかし発作の時の苦しさを是非思い出して頂いて忘れないようにきちんと毎日吸入して頂くと。
決して自分の判断でやめないという事が大事だと思います。
昨日と今日ですね松瀬厚人さんとご一緒にお伝え致しました。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
2015/11/24(火) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 ぜんそく 最新情報「症状を抑え続けるには?」[解][字]
ぜんそくの発作による窒息死で亡くなる人の9割が高齢者。「発作が起きた」時の治療法と「発作を予防する」際に使用する吸入器の使い方について実践を交えながら紹介する。
詳細情報
番組内容
毎年約2000人の方がぜんそくによる窒息が原因で亡くなっており、その9割が高齢者。その理由の一つに「発作が出ないから」と自己判断で治療をやめていたなど、管理が適切でないケースがある。ぜんそく治療の基本は「起きた発作を抑える」ことと「発作を予防する」の2段構え。そこで「発作の起きた」時のために必要な治療法や、「発作を予防する」際に使用する吸入薬の使い方などを具体的にお伝えする。
出演者
【講師】東邦大学医療センター大橋病院教授…松瀬厚人,【キャスター】桜井洋子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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