(配送員)わっ!?
(土門薫)冷凍車は昨日の午後3時舞鶴港で商品を積み込み一晩中京都市内のスーパー等への配送業務を行っていた。
そのどこかで配送員の隙をつき紛れ込まされたようだ。
(榊マリコ)ご遺体の身元は?定期券やカード等身元を示すものは何もない。
(乾健児)犯人が持ち去ったんでしょうか?2本ある…。
首を絞めているロープの他にもう1本…。
冷凍車の荷台の温度は常にマイナス18度に保たれていたそうです。
(風丘早月)だとすると直腸内温度からみて死亡推定時刻は昨日の夜7時から10時の間ね。
外傷や薬物反応はなし。
あっ右目にコンタクトレンズ装着。
左目はなし。
ロープの結び目は首の真後ろ。
もう1本が…ちょうどその結び目に結ばれてる。
索溝が斜めにある。
あじゃあ…自殺ってこと?だって他殺なら…つまり絞殺なら索溝は首に水平につくはずでしょ。
吉川線がある。
えっ?絞殺される時被害者が苦しみのあまり自分の首をかきむしる他殺の証拠。
うん。
発見された状況からいっても自殺した人が自分でトランクの中に入って冷凍車の中で見つかるなんてありえない。
首を絞めていたロープをロープAとしそのAの結び目に結ばれていたロープをロープBとします。
このロープAの結び目は「口縄結び」といって固く結べてほどけにくいのが特徴。
(土門美貴)口縄って?ああ…蛇。
うわぁ苦手!
(榊伊知郎)ハハハ…。
ロープBの方は一般的な固結びいわゆる「真結び」。
(伊知郎)なぜロープが2本あるのか気になるね。
ええ。
そのロープAとBは同じ材質でした。
工具店で売られているポピュラーなものでロープAの片方の切断面とロープBの両端の切断面は同じです。
(日野和正)つまり同じ道具で切り出されたってこと?ええ繊維のつぶれた方向からみて道具はハサミ。
でもロープAの…こっち側の切断面だけは違う道具で切られています。
(乾)こういう感じで…。
おそらくナイフかカッター。
指紋は?
(美貴)遺留品からは指紋は一切見つかりませんでした。
ロープからも遺体本人の指紋も出てません。
何者かが拭き取った…。
爪にあった皮膚片のDNAはご遺体のものでした。
首にあったのは間違いなく吉川線。
(伊知郎)他殺か…。
遺体が隠されていたトランクのキャスターね。
付着物があったよ。
これがその検出された成分表だ。
「ニトロベンズアルデヒドアセトン水酸化ナトリウム水酸化バリウム」…。
(乾)なんですか?これ。
藍色の合成染料。
いわゆるほらインディゴだよ。
(日野)すると…冷凍車の配送ルート近辺にこの合成染料を使っている場所が見つかれば…。
犯行現場…いえ少なくとも被害者がトランクに詰められた場所が特定できるかもしれない。
歯の治療痕からガイシャの身元が割れた。
ガイシャは藤吉友美さん24歳。
派遣社員だ。
ここ3か月は無職。
両親と姉の4人家族だったが彼女が小学校の時船舶事故で家族は死亡。
現住所は京都市西野区。
きれいですね。
犯行現場って感じじゃないなぁ。
(乾)マリコさんこれ…。
(美貴)あぁ…。
携帯電話もパソコンもデータの復元は無理ね。
おい…。
「生きているのが嫌になったので死にます」「私が死んだら泣いてくれますか」これって遺書…?文面からはそう読めるな。
え…でもあれは他殺なんじゃ…?遺書かもしれないし違うかもしれない。
友美さんは天涯孤独の身の上だった。
「泣いてくれますか」…。
誰に訴えているんだろう?
(課長)はい藤吉友美君です。
会社を辞めた理由は?
(課長)派遣会社との契約期間が終わったんですよ。
非常に真面目な子だったんで派遣会社に延長を頼んだんですが…藤吉君本人が少し休みたいと…。
ほう。
誰か相談相手のような人は?さあ…。
そんな友達いなかったと思いますけど。
はっ?人付き合いが苦手というかとってもおとなしい子で…。
誰かに足を踏まれても自分から「ごめんなさい」って謝っちゃうような…。
(藤吉友美)…どうぞ。
では登山やアウトドアなどの趣味は?藤吉さんがですか?ありえないよね。
そういう趣味はなかったと思います。
でもお芝居を見に行くのが好きみたいで。
えっとなんて言ったかな?京都の小さい劇団なんですけど。
劇団?確か「東山小劇場」っていう劇団でそこの女優さんと友達なんですってうれしそうでした。
ほう。
(美貴)あ〜出ませんね指紋。
部屋からも遺品からも友美さん本人の指紋すら一つも出ないなんて…。
あ…これは?便箋にも封筒にも…誰の指紋もない。
乾君そっちはどう?
(乾)ダメです。
ドアノブや窓も指紋はすべて拭き取られています。
(ため息)自殺を偽装した他殺…。
犯人は藤吉友美さんを殺害後彼女の部屋に侵入しパソコン携帯電話指紋自分につながるあらゆる痕跡を消した。
遺書もたぶん偽造されたものだと思う。
友美さんの部屋の鍵は壊されてなかった。
合鍵を勝手に作ったか渡されていたかは別にしても部屋に出入りしたことのある親しい人間の犯行。
うん…。
どうした?足を踏まれても自分から謝るような人だったのよね。
ああ。
そんな友美さんがなぜ殺されなきゃならなかったのか…。
亡くなっているご家族に代わって見届けないと。
(携帯電話)うん…。
(携帯電話)はい土門。
うんわかった。
彼女と交友のあった女優の居場所がわかった。
来るか?ええ。
(川瀬春奈)いらっしゃいませ。
あの…川瀬春奈さんですね?東山小劇場の女優さんの。
藤吉友美さんをご存じですか?ご存じなんですね?はい…何か?昨日遺体となって発見されました。
(春奈)友美はよくうちの芝居を見に来てくれていてそれで口を利くようになって親しくなったんです。
友美さんは誰かと一緒にお芝居を?いや…いつも一人で来てました。
人が苦手だって言ってました。
だから芝居の真っ暗な空間と舞台上の光の世界にあこがれるんですって。
ガラス細工みたいに繊細な子でした。
だから私…そんなんじゃ生きていけないよってもっと図太くならなきゃっていっつも言ってたんですけど…。
ここがどこかわかりますか?友美の部屋です。
あ…この携帯ストラップ私が編んで友美に誕生日にプレゼントしたものなので。
ああ…かわいい…。
ハッピーバースデー!キャッ!ハハハ…。
さ〜て…24本のろうそくがこのケーキにのるでしょうか?ダメですって!穴開けるのもったいない。
(すすり泣き)友美…。
こんな誕生日…すごく久しぶり…。
来年もやろうね。
再来年もその次の年もケーキがさろうそくでハリネズミになっちゃうくらい。
友美さんの部屋によく遊びに行かれていたんですね?あはい…。
でもなんでそんなこと聞くんですか?
(携帯電話)あちょっと失礼。
(携帯電話)あの…。
はい?友美が誰かに恨みを買ったり殺されたりするようなことは絶対ないと思います。
もういいですか?店番一人なんで。
あ…はい。
大変ですねアルバイト。
芝居だけじゃ食べていけませんから。
冷凍車の配送ルートの近くに廃工場が見つかった。
数年前までジーンズの染色工場だったらしい。
ジーンズ…ジーンズを染めるのは合成染料のインディゴ。
(乾)暑い…。
湿度高いなここ。
マリコさん…。
(美貴)はい。
(カメラのシャッター音)
(美貴)オッケー。
(美貴)すごい数のゲソ痕だね。
(乾)ああ子供たちの秘密基地にもなってたっていうからね。
あ〜こりゃ大変だ。
ああ頑張ろう。
(美貴)はい。
(美貴)同じか…?
(乾)採取したゲソ痕の中に被害者のものもありました。
他にものべ200以上あって今同じゲソ痕ごとに整理してますけどかなりの人数になりそうです。
まあ我々の仕事は根気が第一だからね。
頑張って。
はい。
えー私の方だけど…。
採取してくれた合成染料ね。
トランクのキャスターに付着していたものと成分も割合も一致した。
こっちも例のプラスチック片だけどコンタクトレンズだった。
友美さんが使ってたメーカーのものでなくなっていた左目用。
採取した糸くずですがそのうちの3本が凶器のロープと同じものでした。
う〜ん…どうやら結論を出していいようだね。
うん。
犯行現場はこの廃工場。
犯人は友美さんを殺害後同じ場所で遺体をトランクに詰め冷凍車に遺棄した。
次の問題はその殺害方法。
(日野)うわ〜今日の夜食はカツ丼?ハハハ…参ったね。
ますますメタボだ。
…と思ったらおやつ控える。
で日野君どうだったの?例の遺書の筆跡鑑定。
ずばり偽物だった!本物だよ。
(美貴)え…。
あれは藤吉友美さん本人の筆跡。
えっ…でも遺書に友美さんの指紋残ってなかったんですよ?うん…。
指紋はなかった。
どういうこと?
(日野)さあね。
脅されて書かされたとかそういう可能性は?ないなぁ。
筆勢はスムーズで滞りは見られなかったよ。
あれは間違いなく本人の意思で本人が書いたものだ。
(日野)あ…それと所長便箋から数字みたいなものが出てきました。
(日野)これです。
便箋に重ねた何かに書いたんでしょうな。
(丼のふたを置く音)日野さん…。
…了解。
これがなんなのか引き続き鑑定するよ。
お願いね。
(日野)お茶持ってきて。
(美貴)はーい。
(佐久間誠)自殺か?他殺か?目下総力を挙げて捜査しています。
結論を早く出せよ。
自殺か他殺かもわからんのかと一部マスコミが騒ぎ始めた。
これはな京都府警の捜査能力にか…。
いや…これはメンツにかかわる。
とにかく一刻も早く結論を出せ。
はっ。
よーし休憩にしよう。
休憩!はい。
女優さんでも舞台装置とか作るんですね。
小さい劇団ですから全部手分けしてやってます。
その結び方口縄結びね。
強度が強くてほどけにくくて…。
登山家やレスキュー隊アウトドアでテントを張るのにも使われる特殊な結び方。
あ社長!
(坂東雄一)お疲れ様。
これみんなに差し入れ。
いつもありがとうございます!どうぞスタッフルームへ。
うん。
すいませんうちの劇団のスポンサーなんです。
ちょっと失礼します。
(春奈)どうぞ。
どうかしたの?川瀬さん。
あいえ…なんでもありません。
斜めに索溝がつくにはこの角度ね。
えーとこの角度だと犯人と被害者の身長差は42センチ必要です。
42センチか…。
(乾)ちょっと外すのを手伝ってください。
(伊知郎・乾)よっ…。
(乾)ちょっと寝かせて…。
(伊知郎)よいしょ。
ねえマリコさん。
もし複数犯で一人が被害者を床に押さえつけてでもう一人が立ったまま…。
はい。
…絞めれば斜めに索溝がつくと思うんですけど。
あ〜。
(早月)その仮説には無理があるな。
(乾)風丘先生…。
犯行現場と思われる廃工場見てきたんだけど床は硬いコンクリート。
もし被害者を押さえつけたとしたら手や脚に内出血や擦り傷の痕が残るはず。
でも遺体にはそんな傷はなかった。
それより…ジャーン!差し入れ〜!ほらほらマリコさんも…。
口縄結びが…。
(美貴)ほどけた…。
いい?ちょっと持って。
はっ!?口縄結びをほどくのがロープBの役割だった。
人は無意識にいろんなものを結んでいる。
固結びはよく使われるだけに結び方にその人のクセが出るの。
ロープBの固結びは一度目は左を下にして二度目は左を上にして結ばれている。
一度目が左が下二度目が左が上。
関係者の中でこれと同じ固結びをする人間は誰か…。
(乾)あそこ…。
(美貴)はいはい。
(美貴)ああった。
はい。
(乾)はい。
(カメラのシャッター音)えー一つ目は…。
(美貴)あ〜左が下になってるね。
(美貴)二つ目は…あ…左が下になってるね。
あこっちは…。
(乾)あこっちもだ。
…ってことはロープBの固結びは友美さんじゃない。
う〜ん…。
これください。
持ち手もお願い。
あなたの狙いはわかってる。
一度目は左を下。
二度目は左を上…。
ご足労をおかけしました。
これって取り調べですか?いえ。
任意出頭ですよまだ。
このビーズを結んでいるテグスの結び目を調べました。
これはあなたが編んで友美さんの誕生日にあげたもの。
結び目は4つあってすべて一度目は左を下に二度目は上の固結び。
このロープの固結びと同じクセです。
だからなんなんですか?これは友美さんの首にあったものです。
このロープを結んだのはあなたですね?廃工場周辺で聞き込みをしました。
以前からよくあなたはあの廃工場で発声練習をしていた。
何があったのか話して。
友美…。
(友美)私…もう生きてても意味がないの。
(春奈)友美そういうこと言うもんじゃないの。
約束したじゃない。
来年も再来年もお誕生日のケーキ一緒に食べようって。
ね?仲良くしてくれてありがとう。
春奈さん…。
お願いだから友美そんなこと言わないで。
もう遅いの!私…男の人に裏切られたの。
(春奈の声)友美は不倫をしていたそうです。
その人のためなら死んでもいいと思った。
(春奈の声)男に結婚をせがんで残酷に捨てられて…。
手伝って…。
私が死ぬの手伝って!
(春奈の声)あの子自殺したいって…私に手伝ってほしいって…。
本気の目でした。
私には止められないって思いました。
目を離したら危ない…。
でも友美と四六時中一緒にいることはできないし…。
どうしたらいいか悩んで…。
昔何かの本で読んだの思い出したんです。
自殺した人はみんな後悔した顔をしてるって。
みんな死の直前に生きてさえいればなんとかなったかもしれないって気づいて死を選んだことを悔やむって…。
必死に考えました。
自殺の瞬間後悔した瞬間に生きる側にもう一度戻ってこられて生き直そうって思える何か…。
このロープは口縄結びを解かせるための自殺を止めるための安全装置だった…。
(春奈の声)廃工場を教えて友美と落ち合いました。
(友美)春奈さーん!春奈さんに迷惑がかからないようにしてきました。
パソコンも携帯もメールもデータも全部消してきました。
春奈さんそれは?
(春奈の声)祈りながら2本目のロープを結びました。
友美生きて。
このロープを必ず引くのよって…。
もう一度言うわよ。
やめたくなったらこのロープを引くのよ。
ね?生きたいと思ったら必ず引くの。
わかった?友美ちゃんとロープ握って!春奈さんありがとう。
もう一人で大丈夫。
絶対にロープを…。
お願いよ…。
(春奈の声)これは友美のためなんだって何度も自分に言い聞かせた。
でも工場の外に出た瞬間すごい恐怖が襲ってきて…。
(春奈の声)やっぱり危険すぎる…。
こんなこと間違ってる!やっぱりダメ!ロープを切って友美を抱き下ろして…。
でも友美はもう…。
それからどうしたんだ?自殺幇助っていうんですよね?私も罪になる。
劇団のみんなにも迷惑かける…。
隠そうって…。
指紋を拭いて捨ててあったトランクに友美を隠して…。
その後友美さんのアパートに侵入して自分の痕跡指紋等も拭い取り遺書を部屋にこっそりと返した。
そうだな?ごめんなさい…。
ごめんなさい友美…。
(泣き声)
(乾)お疲れ様でした。
(伊知郎)あお疲れ〜。
(美貴)お先です!お疲れ〜。
どうした?榊君。
あ…。
マーちゃん一緒に帰ろうか。
父さん…。
どうした?なんだか落ち着かないの。
友美さんの事件まだ何かあるような気がして…。
根拠は?吉川線の謎がまだ解けてない。
あれ?今日はみんな早いんですね。
うん。
帰れる時に帰っておかないとね。
まあどこも経費節減だ。
春奈さんどうしてる?うん。
素直に供述はしてるんだが…。
君もなんか気がかりなことがあるようだね。
じゃあお先。
おお珍しいな。
友美さんは安全装置のロープBを引かなかった。
だが最期の瞬間やはり自殺を後悔したと思うと川瀬春奈が供述している。
春奈さんはなぜそう思ったの?遺体をトランクに詰めた時に顔を見たそうだ。
友美さんの顔…泣いてたらしい。
遺体が泣いた…?ああ。
閉じられた目の縁に涙が光ってたそうだ。
どうした?友美さんの右目に入っていたコンタクトレンズを…。
やっぱり自殺じゃないかも!ん?すぐ鑑定にかかる。
(ノック)わかったよマリコ君。
例の遺書から見つかった数字は7けた。
郵便番号かと思ったらやっぱりだ。
友美さんはこの人物に遺書を郵送した…。
そう。
郵送したのは友美さん本人に間違いないね。
ヘヘッ。
…寝る。
(美貴)あマリコさん。
(乾)セッティングが終わりました。
ありがとう。
ご苦労様。
人形は友美さんと同じ身長体重にしてあります。
あれで友美さんの首には索溝が斜めについた。
あなたはいったん工場から出て戻ってきて友美さんを見た。
そのあとどうしたかやってみてください。
あの時はちゃんと抱き下ろせたんです。
続けて。
こうやって友美を抱きかかえてしっかりしてって…。
嘘だわ。
友美さんのご遺体には落下した痕跡皮下出血も擦り傷もなかった。
友美さんぐらいの身長体重の人を女性が一人で抱きかかえて下ろすのは物理的に無理なの。
あの時はできたんです。
もう一度やらせてください!もしご遺体を床に下ろしたのがあなただったらあなたはまず安全装置のロープを引いて口縄結びを解き友美さんを下ろしたはず。
でも実際はナイフが使われた。
つまりこのロープの役割を知らない別の人間が友美さんを抱きかかえて下ろしたということになる。
そうですよね?坂東社長。
友美さんの遺書を鑑定した結果友美さんは遺書を誰かに郵送したことがわかりました。
「私が死んだら泣いてくれますか」…。
そう聞いたのは不倫相手のあなたにだった。
雄一さんが友美の…?嘘でしょ!?勝手な憶測でものを言わないでくれ。
迷惑だ。
便箋に残っていた筆圧から住所とあて名がわかった。
あて名は「坂東雄一様」。
住所もあなたの現住所よ。
でたらめだ!科学が証明したんだよ。
坂東社長あんた友美さんと付き合う一方で彼女とも付き合ってるな?会社は奥さんの実家の名義だ。
不倫がばれるとあんたはすべてを失う。
遺書を送りつけられたあんたは慌てて友美さんを監視した。
自殺を止めるためじゃない。
やけになった友美さんが自分との関係を誰かに洩らすんじゃないかと恐れたんだ。
そしてあの日友美さんをつけてきたあなたの目の前で好都合なことが起きた。
(春奈)雄一さんどうして!?君の様子がこの頃妙で心配してたんだ。
なんてことを…!?うっ…くっ…。
あなたは自分で友美さんの死を確認したかった。
しっかりしなさい!救急車を…!早く!
(坂東)もういいよ春奈!手遅れだ…。
なんてことを…!このままじゃ君は自殺幇助っていう罪に問われる。
俺もただじゃ済まないだろうな…。
(春奈)雄一さんは関係ない!俺がここに来たことを警察にどう説明する?君と俺の関係がばれれば俺はすべてを失う…。
(春奈)ごめんなさい…。
いや君を心配して来てしまったのは俺の責任だ。
だけど劇団にも迷惑がかかる。
わかるかい?春奈。
俺たちは守らなきゃならない。
あなたは春奈さんに手伝わせて指紋を拭き取り友美さんを遺棄した。
その後あんたは合鍵を使って友美さんの部屋に侵入し遺書を部屋に戻した。
彼女の死は自殺だと見せかけるためにな。
(坂東)弁護士を呼べ!俺は友美なんて女は知らんしこんな場所来たこともない!弁護士を…。
人と人が接触すれば必ずその証拠が残る。
春奈さんは友美さんのご遺体をトランクに詰める時友美さんの目に涙が光っていたと証言した。
でも死体が泣くことはない。
何かの反応かもしれない。
私は友美さんの右目に残っていたコンタクトレンズを鑑定しました。
コンタクトレンズ?毎日新しいレンズを交換するタイプのものだった。
そのレンズに人間の汗が付着していた。
汗?そのDNAを調べた。
全国の警察を結ぶDNAのデータベースから一致するDNAが見つかった。
4年前駅でけんかして傷害事件を起こした男…。
名前は…坂東雄一。
俺の…!?あなたの汗が友美さんの目の中のコンタクトレンズから検出されたの。
それはその時友美さんが目を開けたという証拠になる。
君しっかり!しっかりしなさい!
(春奈)友美…。
救急車を…!早く!うっ…。
この時吉川線がついた。
友美さんが息を吹き返した瞬間に殺す機会があったのは友美さんを抱きかかえていたあなた以外にはありえないという証拠になる!あなたは…友美さんを殺した。
知らん!俺は何も知らん!首をつった友美を抱きかかえて下ろしたのはこの人です。
春奈!この人はここにいました。
私に背を向けて友美を抱きかかえてしっかりしろって…。
あなたは…。
やめなさい!あなたは友美のことを裏切った!私のことも裏切った!あなたはあなたを愛していた友美を…私の親友の友美を殺したんだ!その手で…。
その手で…!友美は目を開けてくれたのに…。
生き返ろうとしてくれたのに…!友美…。
友美…!
(泣き声)藤吉友美さんの自殺未遂川瀬春奈の自殺幇助その状況下で行われた坂東雄一の殺人…。
特殊な事件だったな。
夏という季節湿度が高くて汗をかきやすい場所…。
この条件が揃わなかったら坂東社長の殺人は永遠に暴けなかったかもしれない。
うん。
どうした?息を吹き返した友美さんが見たものは自分を殺そうとする愛した人の顔だった…。
男の汗を目の中に受け止めたのは友美さんの無念の思いだったかもしれないな。
その無念がお前に乗り移って自殺を他殺にひっくり返した。
亡くなってるご家族に代わってお前は彼女の最期をしっかりと見届けたんだ。
それも科捜研の果たさなきゃいけない役割の一つだと思う。
これからもまあ…よろしく頼む。
え?ウフフッ。
珍しいわね。
おしゃべりあるき目です
今日は日本が世界に誇る伝統保存食・乾物
2015/11/24(火) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
[終]科捜研の女9[再][字]
沢口靖子演じる京都府警科学捜査研究所の榊マリコが“科学”を武器に事件の真相解明に挑む科学捜査ミステリー。
第10話(最終回)『泣いた死体!?目の中に残されたDNA』
詳細情報
◇番組内容
冷凍車から女性の遺体が発見される。だが、その痕跡を分析しても、自殺なのか他殺なのか判別ができず、捜査は暗礁に乗り上げる・・・。
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、加藤貴子、斉藤暁、泉政行、小野武彦、田中健
【ゲスト】
野波麻帆
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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