くらし☆解説「どう共存?ロボットと人間〜ロボット法学会誕生へ〜」 2015.11.24


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは10時5分です。
「くらしきらり解説」。
きょうは、こちらのテーマです。
ヒューマノイドや介護ロボットなどコンピューターで動く機械が私たちの生活に続々と入り込んでいます。
そこで日本初のロボット法学会設立の動きがあります。
ロボットと人間のルールはどうあるべきなのでしょうか。
担当は室山哲也解説委員です。
まず今、ロボットをめぐる状況はどうなっているんでしょうか。
室山⇒私たちの生活に続々とロボットが入ってくる生活になりましたね。
この中でロボット法学会設立の動きがあります。
その様子を見てきました。
憲法学者や民法学者ロボット工学者いろいろな方が集まってロボットと人間が、どう共存するかというルールについて考えるシンポジウムですがロボット法学会を作ろうということです。
欧米では似たようなものがあるんですが、日本では初めてということです。
ロボットはどういう種類がありますか。
いろいろな種類があるんですがざっくり言うと2種類に分かれて産業に使う産業用ロボットときょう話をするのはサービスロボットといわれているものです。
生活に使うものですか。
生活空間に入ってくる例えば介護ロボット手術やレスキュー、ヒューマノイドドローンなどもあります。
どんどん入ってくるロボットが増えてきますので、これとどういうふうに共存するかというルールが必要だという状況になっています。
ルールを作るロボット法学会が設立準備中ということですが法律までやはり必要なことなんですか。
例えばロボットが今の道路を歩いたら道路交通法違反になります。
条文を見ます。
道路の上には車と人のみの設定で始まっているわけです。
ロボットは物件にあたるわけですね。
こういうことを予想していないんです。
こういうことがいろいろ出てくるのではないかということです。
今後どういうトラブルがロボットによって想像されるんでしょうか。
車が自動運転化してきている。
車が自律的に自分で判断して人間が運転しなくても勝手に、周囲をセンサーで感知して走るこういう技術が出てきていますね。
ドライバーがいなくなる。
今、進化中です。
この間のモーターショーでもコンセプトカーを見ますと走行中は、なんとハンドルやアクセルが中に収納されてしまいます。
そもそも触るなということです。
事故の大半が人間のミスだということでこういうものが必要だという動きが出ています。
自動運転には2つ考えがあって1つは運転の支援技術。
人間があくまで主役で責任を持ってやっている。
いざというときに最後の手段でブレーキをかけるとか避けるという技術ですね。
もう1つはその文脈上、技術的には地続きなんですが全く違うもの人間が運転しない無人運転の世界があってきょうは無人運転になったときにどういうことが起きるかを考えてみたいと思います。
ちょっと先の未来の話ですね。
そのときにクリアしなければならないのはもう運転していません中でおしゃべりしていますね。
ここで何らかのことで事故が起きたときに誰の責任になるのかあくまで乗っているドライバーの責任だというのが今の考えです。
でも無人運転化しますとメーカーの責任になるのか道路上というのはそこ道路以外の普通の道路は何が起きるか分からないということですよね。
誰に責任があるのか。
例えば走行していてナビの地図の更新がされていないときに前はあったのに今はなくなっている道路があってそこでぶつかって事故が起きたら誰の責任なのか。
ドライバーなのかメーカーなのか。
ナビを更新する会社なのか。
あるいは、その間に立っている人なのか。
ますます複雑化していくわけです。
これは難しいですね。
いろいろなケースを見ていきましょうか。
ロボットでいきますとさっきの自動運転はもうロボットなんですがこれは電気通信大学、横井先生のところでやっている研究です。
例えば腕を失った方が脳からの信号で自分の腕のように動くロボット、義手ロボットです。
こういうものも開発されていて、すごく進んできています。
頭で思ったとおりに動かせるんですね。
末端にきている神経系の信号を拾います。
新井さんは今、使っていらっしゃる方で腕につけて彼が言うには自分の腕のようだと言っていました。
実証実験でこういうことやっています。
しっかりと、しいたけのパックを持って仕事ができる。
自分の生活範囲が格段に広がるということです。
ずいぶん器用に動くんですね。
目の前にこういう時代が来ています。
こういう義手の場合何ができるか。
何が起きるか。
サイボーグですね。
脳から末端の義手を動かすもし誰かがこのロボットの義手破壊したらどうなるのか。
これが傷害罪になるのかあるいは器物損壊罪になるのか。
この方はどんどん自分の腕のような気がしてきているわけです。
それについてはどう考えるのか。
ここのルールも必要ですね。
あとテレイグジスタンスロボット離れたところに存在するロボットというんですが分身ロボットです。
人間の動きを情報共有して同じ動きを向こうのロボットがする。
ロボットが見たり聞いたり触ったりしているものを人間がセンサーで感じとる。
動かしてみると幽体離脱みたいな感じ不思議な感じがします。
全身が動くんですね。
まだ歩けませんが、これが歩き始めたらどうなるんだろうというこういう技術進化があります。
もしこういうものがどんどん進化していきますとA国からB国に分身ロボットが行ったとします。
一体化していますので例えばアンドロイドみたいなそっくりなロボットになりますとますます複雑になります。
もしこのロボットを拘束したら人権侵害なのかということ。
そもそも出入国管理はどうするのか。
ものなのか人なのか。
入るときはものでも中に入ってきて急に人になったりする面倒くさいことになる。
そもそもどこの国の法律を適用するのか。
もしこのロボットが違法行為を行ったらどんな犯罪になるのか。
ひょっとしたらテロ対策ですね。
そういうものにも大きな影響が出てくるかもしれない可能性を持つ技術でもあるわけです。
かなり先の話になると思いますがこれも考えておかなければいけないですね。
さらに先は人工知能が出てきていますのでこの人工知能が作った作曲や小説成果物の著作権はどうなるのか。
アメリカでは経済記事の一部は人工知能が書いているところもあります。
そもそも感情などを持ったロボットの人格はどうなるのかということをクリアしないとこの問題の解決しません。
この時代には感情ロボットと思っている可能性もあるわけですね。
そちらに向かってコンピューターが進化しているんですね。
ルールをどう作っていけばいいんでしょうか。
まだルールがないんです。
今まであったのはある小説のSFの中にアシモフが書いたロボット3原則というものがあります。
ロボットは人間に危害を加えてはならない。
上が優先されます。
人を殺せと言われて人を殺してはいけません。
ロボットは自分を守らなければいけませんからこの現代版がありません。
それで今この動きが出てきています。
今後、何が必要になってきますか。
何が起きているかというと人間の脳を進化させて人間の能力がものを作る機械や道具が拡大してきたんです。
腕の力はハンマーでクレーンで強くなって見るのは望遠鏡でより遠くを見るししゃべるのもスピーカーがあったり、放送もそうですよね、ものすごく遠くまで人間の能力が拡大してきた中で脳の機能はコンピューターコンピューターが意識を持つとか人間に近くなってきている中で起きている問題です。
だから根が深いんです。
これはよく議論しなければいけません。
慶應大学で研究者などもやっている事務局長の赤坂さんによりますととにかく議論の蓄積が必要だと言っています。
こういう議論をして新しい状況に社会としてどう対応するかが問われています。
来年に向けて設立の動きです。
室山哲也解説委員でした。
2015/11/24(火) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「どう共存?ロボットと人間〜ロボット法学会誕生へ〜」[字]

NHK解説委員…室山哲也,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…室山哲也,【司会】岩渕梢

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ニュース/報道 – 解説
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