でもくれぐれも適量は守って下さいね。
はい。
次回は「しっかりタイプ」の日本酒に合う極上つまみ。
お楽しみに!
(父苦しそうに)ああ…。
(兄)おやじどうした?
(父)さっき血を寄付してきたんだ。
3リットル…。
(妹)3リットル!?それって死んじゃうんじゃない?
(父)な〜に困った人のためならなんでもないさ。
う〜っ!
(母)お父さん!?お父さん!?
(妹)大丈夫?
(兄)おやじ!
(テーマ音楽)
(又吉)え〜大竹先生と待ち合わせしてるんですが…。
こちらですかね?カフェですね。
ちょっと行ってみましょう。
こんにちは〜。
大竹先生。
(大竹)こんにちは。
何食べてるんですか?いやこれハンバーグですよ。
おいしいですよ。
あれ?でも今日のテーマは「寄付」ですよね?いや。
カフェじゃないですよね。
この御飯もね寄付と関係してるんですよ。
あっそうなんですか?又吉さんもハンバーグ好きでしょ?まあ好きです。
はい。
頼まれたらどうですか?あっそうですか。
じゃすいません。
ハンバーグ1つ。
はい。
いただきます。
あっおいしいですね。
おいしいですか?はい。
でもこのハンバーグと寄付がどう関係あるんですか?いや実はね又吉さん。
はい。
もう寄付されたんですよ。
えっ!もう寄付しました?僕。
はい。
あの看板見てくださいよ。
はい。
「あなたのヘルシーなランチのうち¥20で地球のウラ側の子供達へあたたかい給食1食を…PRESENT!!!」ですか?そうなんですよ。
このお店が取り入れているのが食べて寄付する仕組みです。
指定された料理を1品食べると代金のうちの20円がNPO法人を通して寄付され途上国の飢餓問題の解決に使われます。
…になるんだそうです。
含まれてると。
含まれてる。
寄付が20円含まれてるということで又吉さんがこれを食べると20円寄付したことになるんですよ。
あっそういうことなんですね。
はい。
いいですね。
その自然な日常の中に入ってて。
そうですよね。
はい。
2011年の東日本大震災の際には多くの人が寄付をしました。
困っている誰かのためにお金を差し出す「寄付」という行為。
なぜ人は寄付をするのか?その心の本質に経済学で迫ります。
(北澤)どうも。
(2人)よろしくお願いします。
北澤さんに「オイコノミア」に来ていただけるとは。
ゲストはサッカー元日本代表の北澤豪さん。
言わずと知れたJリーグ創成期のスター選手です!すてき!もう僕らがサッカーやり始めてからずっとスターでしたから。
でも北澤さんがなぜ?今回は「寄付」がテーマですよね。
そうなんですよ。
サッカーじゃないですもんね。
なぜでしょうね?これはね寄付というのは普通お金を直接寄付するというふうに思うじゃないですか?はい。
でもお金に限ったことではないんですね。
そうなんですか?例えばねこういう寄付もあるんですよ。
北澤さんが長年取り組んでいる寄付の形がボランティアでのサッカー教室。
日本だけでなく南アフリカやカメルーンパレスチナシリアカンボジアなどさまざまな国や地域を訪れ無償でサッカーを教えているんだそうです。
子どもの頃から僕は海外に行きたいという思いが強くてまあ当時はJリーグはなかったんでサッカー選手になるなら海外にっていうのがあって。
でよく海外のサッカー選手のプレーはもちろんだけどその背景にあるものとか見たりとかするとみんなこうそういった社会貢献というのかボランティアというのかそういうのをすごく選手の頃からやってるなぁというのを情報として持っていたのでやはりサッカー選手というのはそういうのも何かセットとしてサッカー選手なんだなぁというのはこう僕の中には芽生えていたものがあったのでだから僕も選手になったときにはこういうことをやっていこうと。
へぇ〜!確かに海外の選手ってそういうの積極的に参加されてるイメージありますよね。
そうですね。
コートジボワールのドログバとかも自分の地元に何か学校とか病院造ったりしてるんですよね。
なるほど。
まあボランティアをしてる時間ねもし北澤さんがここに行かないでもう少しお金がもうかる仕事をしてたとしたらいくらもうけることができるのかということを考えるとそこで……というふうに考えることができるんですよ。
う〜ん。
お金だけじゃないんですね。
そうですね。
ですから立派な寄付活動であるということなんですよね。
すみません。
突然ですが…してないです。
やったほうがいいなぁとは思うんですけどなかなか自分のお金を人に渡すというのができない。
知人がケニアで学校を造っててそこに寄付を毎年してるんです。
あっそうなんですね。
新宿とかで駅前で大声出していろんな人やってるじゃないですか。
まあなんかそれやる暇あったらバイトして自分がその人が寄付したほうがいいのかなぁって思うしうさんくさいんでしないっすね。
盲導犬に対して。
犬飼ってるんで。
ああなるほど。
寄付したことありますね。
自分が寄付したものがちゃんと例えば被災地とかそういう所にきっちり届いてるのかなぁという不安はやっぱり思うところもありますね。
その不安はありますよねぇ!なるほど。
分かりました。
ありがとうございます。
(一同)ありがとうございました。
又吉さん北澤さん日本人は年間で1世帯いくらぐらい寄付してると思います?ヒント…。
アメリカでの1世帯当たりの年間寄付額というのは約26万円なんです。
年間?はい。
26万円って結構な額ですよね。
はい。
では日本人は?いや。
そんなにはしてないと思うんですよね。
まあ26万よりは下だろうね。
はい。
そうですよね。
じゃあ…。
5万。
5万。
はい。
10万はいかないと思うんだよ。
5万以下だな。
5万以下。
3万。
3万。
うん。
ええもっと低いんです。
えっ?たったの2,400円。
えっ!?アハハハッ。
アメリカの…。
108分の1なんですよ。
え〜!どうして日本で寄付が少ないのかということを考えるためには実験するのが一番いいと思うんですよ。
実験?はい。
そんな実験できるんすか?ちょっとやってみましょうよ。
(2人)はい。
これは実際に大竹先生が共同研究者と一緒に行った実験です。
なんか難しいですね。
あの…。
嫌な人に映りそうだよね。
Bって言ったら。
状況にもよるんですけどどう…。
ここまでの話の進みがなかったら僕はBって言ってると思うんですよね。
ただ状況によるな!もう全く知らない人ですよ。
誰か分かんない人ですよ。
Bは。
ものすごい嫌いな人かもしれないですよね。
嫌なやつの可能性もありますからね。
Aでしょ。
Aですか?Aですね。
(笑い声)そういう状況だとAっていうのもね。
私たち実はこれアンケートやったんですけど多くの人はこういう質問だと特に赤の他人だったら1,000円自分がもらったほうがいいという人が多いです。
う〜ん。
そうでしょうね。
じゃあ次の質問いきますね。
はい。
続くのか。
ではこれならどちらを選択しますか?つまり何ももらえない。
どちらでしょ?僕これだとBになりますね。
Bですか。
だって0ですもんね。
0ですよ。
自分0で他人7,500円。
で0を選択しないですよね多分。
どうせもらえないんだったら。
はい。
どうですか?やっぱりそうですよね。
これはもうもらえないんだもんね。
そうですよね。
どうぞみたいな。
そうですよね。
およそ1万人を対象にしたアンケート調査の結果ではAと答えた人が3割ほどいました。
更にこの質問の「他人」の箇所を「外国人」に変えるとAを選ぶ人が半数近くまで増えたんです。
えっ!?そこは分からんな。
どういうことですか?だからあげるのが嫌なんでしょうね。
あ〜!ハハハッ。
0でも?はい。
自分が?はい。
変わってるなぁ。
でもそれが半数ぐらいいるんですか?「外国人」にしたらね。
全く知らない日本人だともう少し比率は減ってA選ぶ人出てくるんですけど。
へぇ〜!ではこうしたらどうでしょうか?フフフン。
どっちでしょう?これBでしょ。
ええ。
アハハハハッ。
これはBだね。
だって結構差あるもんね。
あとで分けんのかもね。
交渉の余地があるというか。
ある。
はい。
ハハハッ。
「俺があん時Bと言わなかったらお前7,500円もらえてないんだぞ」っていう話でき…。
そっちから1,500円ぐらいもらえそうだもんね。
そうですよね。
そうなんですよ。
やっぱりこう近い人がもらえるんだったらそれは自分もうれしいというのはありますよね。
だからほか全く知らない人がもらうんだったらちょっと嫌だっていっても自分に親しい人であればそれはもらってくれて喜んでくれるほうがうれしいと。
これは距離の問題ですね。
距離の問題なんですよね。
これそのだんだんだんだんねこれ5,000円だったらこの奥さん彼女の場合どうですか?自分が5,000円か奥さん彼女が7,500円。
ああ…ちょっと迷い始めますよね。
これ揺さぶられるなぁ!随分と。
心のところを。
自分が5,000円で彼女奥さんは7,500円ですよ。
どうです?うわ〜結構ギリなとこついてきますよね。
関係性によりますよね。
うん。
そうなんですよ。
こういう質問で距離感が分かるわけですよ。
この研究実は日本人だけを対象にしたものではありませんでした。
アメリカドイツシンガポールなど7か国の人にも同様の質問をしたのです。
そうすると…だからこういう指標で計算していくと…例えば近所の人とかが相手だったりとか同じ地域の人とか。
けど……という人が多いんですね。
特に外国人にはもっとあげないというふうになってるんですよ。
なんか感覚としては外国まで行ったら身近に感じれるんですよ僕は。
あっそうなんですか?何で?何でなんですかね?その何やろ。
よく報道とかでもおなかすいてる人がいるとか経済的に大変やという情報が入ってるじゃないですか。
だから共感できるじゃないですけど大変なんやなってリアルに想像できるんですよ。
でも自分の家の隣近所って自分の家よりすごくよく見えるんですよ。
近所だと。
だからそういう人にわざわざあげなくてもいいんじゃないかと。
何かそんな気がしちゃうんですよね。
まあ外国といってもそうやって貧しい人っていうふうにターゲットされたら多分もうちょっと結果変わるかもしれませんけど外国の見知らぬ人って言われると。
お金持ちかもしれませんね。
そうなんですよ。
そっか。
結構こうやって見ると…へぇ〜!どうですか?共同体の範囲と聞いて。
ちょっとこうやってる僕からしてみるとちょっとこう寂しいというかまだまだそういったこう仲間意識というかそういうのやっぱり低いなぁというのは何かこうスポーツの中からでも解決できないかなぁというのがあってそもそも僕が思うのは団体競技なんで味方のミスをこうフォローしていくというのが特に決勝戦とかなんてそういうシーンが多くなってくるんですよ。
それは助け合いだっていう。
そうなんですよ。
だから割とスポーツ選手がそういった活動をしてる理由というのはフィールドを変えてるだけで同じ気持ちの部分があるのかなっていうのがあって。
僕ミッドフィルダーじゃないですか。
だから「何でこいつのためにここまで走んなきゃいけないの?」みたいなとか。
(笑い声)はいはい。
そう。
「何でここでカバーリングを俺はしてんだろう?」みたいなことをずっと繰り返しているうちに「何で?」が抜けてきて当たり前にやってるわけじゃないですか。
だからそういう精神が強いから多分積極的にこういったボランティアの活動がこう同じような気持ちでやれてると思うんですよね。
だけどストライカーの人は多分やらないんじゃないかなって思ったりもするのね。
勝手な意見で悪いんだけど。
一番前で張ってて。
そう。
「ゴール決めりゃ俺のおかげだろ」みたいなのは多分そういう精神少し足りないかなというところ。
多分2,400円なんじゃないかなって。
なるほど。
ディフェンダーはなんかこう貯金が得意な感じがするよね。
はい。
それだったら日本人もっとストライカーとして優秀な人いっぱい出そうですよね?そうだね。
あの金額から見たらね。
ホントはね。
そうか。
それとは違うのか。
本来日本人はでもなんか中盤っぽい性格の人が多い気がしますよね。
多いよね?はい。
この分析とは先生の研究結果が違うということが。
いやでもサッカーのポジションと性格はあると思います。
僕大体中盤のトップ下とか最初やらされるんですよ新しいチームで。
しばらくすると監督にこいつまあまあ技術はあるけどコミュニケーション苦手やなってサイドにやられるんですよ。
あまり指示しないとこへ。
指示しないとかなんか1人でやらした方がいいなと判断されて。
お前行ってこいみたいな。
僕は大体サイドに張ってまあ前とか後ろとか。
カバーするのも好きやったんですよ。
僕は。
それなら結構向いてるじゃないですか。
向いてると思うんですけどね。
可能性はあるんじゃないですか?そうですよね。
日本には。
(父苦しそうに)う〜ううっ…。
(兄)おやじ!なぜそこまでして寄付したんだ?
(父)そりゃあ寄付するといい事があるからだ。
(苦しそうに)ああ〜あ〜っ。
経済学で寄付というのを考えたときにね普通にものを買ったりサービスを受けたりするような消費というのと寄付というのは大きく異なる点があるんですが何だと思います?まあものを買う場合はなんかものが来ますよね。
お金を払ったら。
寄付の場合はすぐには返ってこないという事じゃないですか?そうですね。
はい。
だからそのう当然ですけどね。
自分のために消費するというのはものは自分のためになるしサービスを受けるのも自分。
直接自分ですよね。
でも寄付っていうのはそういうためのものじゃなくて……は寄付の定義ですよね。
う〜ん。
そういう意味では普通の行動とは随分消費行動とは違うものですよね。
違いますよね。
全然違いがあって。
確かにねでも相手から何か直接的に受け取る訳じゃないんですけど…私たち受け取るものがあるんです。
何でしょう?どんなものだと思います?気持ち。
気持ち。
そのうれしさですよね。
うん。
寄付にはどんな便益があるのか?カナダで行われた実験があります。
まず被験者に現在の幸福度をたずね5ドルを渡します。
半数には「今日中に自分のためにお金を使ってください」と指示。
もう半数には「今日中に他人への贈り物を買うかチャリティーに寄付をしてください」と伝えました。
そしてその日の夜。
・
(呼び出し音)お金を渡した人たちに電話をし…その結果…。
自分のためにお金を使った人よりも他人のためにお金を使った人のほうが明らかに幸福度が高まっていました。
更に5ドルを20ドルに変えても結果は変わらなかったのです。
ああ。
ちょっと分かるかもしれないですね。
俺のさっきの思いの部分。
そう。
満たされてるって事だよね。
そうなんですよ。
ですから……っていう便益があるんです。
う〜ん。
人のためにお金を使ってうれしいのは豊かな国の人たちだけではありませんでした。
ですからまあ貧しい国であっても豊かな国であってもそうなる。
なるほどね。
はい。
人間として。
はい。
そう。
まあでも分かる気するんですよね。
うん。
プレゼント人にあげるとやっぱりうれしかったりしますね。
僕の続いてる理由はそこかもしんないです。
10年以上続いてるところがあるので。
特にこの間のカンボジア戦が…。
日本対カンボジアの試合があって。
日本がなんかこう苦戦してたじゃないですか。
はい。
ちょっとガッツポーズしちゃうね。
しちゃいけないんだけど。
僕やっぱ10年前からカンボジアの子たちを指導してたんでちょうどあの世代が代表になってるわけですよ。
「3−0カンボジアオッケー!」みたいなね。
多分それが戻ってきた部分が少しあってより幸福度が上がったかなっていう感じしますもんね。
なるほど。
まあこういうふうにね他人に寄付することとかあるいはボランティアすることも幸福度を同じように上げるんですね。
ところがねお金だとあんまり幸福度が上がらないという研究もあって。
その自分自身がお金を稼ぐということで。
そのノーベル経済学賞を受賞したカーネマンという経済学者がいるんですけれども。
…という研究もあります。
私たちも日本人でそういう研究やってみたんですけど大体750万ぐらいでピークになってそこから先は所得が増えてもあんまり変わんない結果なんですね。
へぇ〜!まあね所得急に増えた又吉さんにまた聞いてみたいですよね。
あの時のほうがよかったですか?どうですかね?ああ。
でも確かにその全然年相応の収入を得てない時代が僕の場合芸人で長くて初めて年相応の自分の年齢とおんなしくらいのなんですか?その収入を月給でもらったときは確かにムチャクチャうれしかったですね。
そういう事かもしれないですね。
最初はこううれしいですよね。
でもそこからね確固たる地位を築いたあとはもう関係ない…。
そんなことないですけど…。
これも経済学ですか?経済学なんでしょうね。
いやそうなってきたときに幸福度を上げる手法としては寄付をするということも1つの選択だということですよ。
うん。
そこへいくのか。
すごい分かりますよ。
はい。
(父死にそうな声で)あ〜。
(兄)おやじ!大丈夫か?
(妹)大丈夫!?
(父)なんか幸せだぁ…。
寄付してうれしい事というのは他にもあるんですよ。
どういうことですか?これはねお金の使い道を選択できるということなんですね。
お金の使い道を選択できる。
はい。
これはね認定されてるNPO法人とか社会福祉法人という団体に寄付すると確定申告の時に所得税が最大で40%減額されるんですね。
40?はい。
40%です。
所得税が例えばこれだけの額としたらそのうちの4割まで減ると。
これは仮に年収500万円の世帯が寄付した場合どのくらい所得税が控除されるかを概算したものです。
例えば10万円を寄付した場合は3万9,200円の控除を受けることができるんですね。
まあ寄付をするということは言ってみれば……ということですよね。
国の判断でいくと集めたお金を振り分けていく中ででもここまだ手薄やなって自分で思ってたりこういう人たちが今困ってるというのに例えば一部自分の意思でお金を寄付することができるということですね。
まあ言い方おかしいですけどね「税金払うなら」とか…。
そう。
いうことになってしまうのかもしれないけどこの制度を知ってるかどうかで寄付行為というものはかなりこう動きが変わってくる感じはしますよね。
そうですね。
自分にそういった気持ちとねこういった経済的な余裕があればやってけばいいことですし「やりなさい!」「あなたもどうですか?」みたいな感じでいく。
いき過ぎるのはあんまりよくはないかなというふうには思いますけどもね。
だから私たち税金が嫌いなのは「払え」って言われるからですよね。
義務だって言われると何か払いたくないという感じになるわけですけど。
まあねあの自分の楽しみにもなりますよという形で言われるとまあ寄付のほうはよりそういう気持ちでやるほうがいいだろうという事ですよね。
さっきの幸福度の部分というのはすごく大事にしたいとこですよね。
そうですよね。
そうですね。
ほら。
あなたの近くにも経済学が。
経済学の窓を開けてみましょう!面白い寄付の形があると聞いてお邪魔したのは都内にあるNPO団体。
んん?この団体は世界から飢餓をなくすための活動をしているそうなんですが…?なんかとてもそうは見えませんね。
葉書?
(石川)実は当団体ではですね書き損じされてしまった年賀状だとかあるいは返信をしないままの往復の葉書だとかこういったものいわゆる家庭に眠っているもったいないものを集めて寄付として活用しております。
この団体では葉書を払い戻したお金を貧困や飢餓に困っている人たちへの支援に充てています。
例えばブルキナファソでは書き損じの葉書1枚がおかゆ1食分になるんだそうです。
次に向かったのは都内にある美容室。
ここには美容室ならではの寄付の形がありました。
(渡邊)ここでは切った髪の毛を寄付できるんです。
ふだん美容室では切り落とした髪の毛というのはそのまま捨てていたんですね。
ただヘアドネーションという活動では切り落とした髪の毛を病気で例えば髪の毛が生えてこない子どもたちだったり小児がんを患った病気の子どもたちにウィッグとして提供してあげてお役に立てるという活動内容です。
全国で546の美容室が参加しているこの活動。
これまで80人ほどの子どもたちにウィッグを届ける事ができたそうです。
東京から車で走ること2時間半。
こんな所にも変わった寄付がありました。
うわ〜はっ!古本がいっぱい。
又吉さん好きそう!…って。
おや!こんな本まで。
(中村)ここでは全国のお客さんに古本の寄付を呼びかけてその査定金額をお客さんが指定いただいたNPOだったりとか大学に寄付させていただくという仕組みをやっております。
ここはインターネットで古本を販売している会社。
本業のハウツーを生かし寄付の仕組みを作ったんだそうです。
お金やボランティア以外にも寄付の形はさまざまあります。
みなさんも変わった寄付の形見つけてみては?又吉さん北澤さん。
その経済学にはね寄付やボランティアをする際のモチベーションに関する面白い研究があるんですよ。
それを紹介したいと思います。
はい。
ではまず北澤さんに対する質問です。
はい。
…を開いて下さいって言われるのと……を開いて下さいと言われるのとどっちの方がやる気になります?それは1万円でアフリカ行ってこいはね。
(笑い声)もう旅費というか交通費だけで足りないし走っていくわけにもいかないしね。
そうですね。
それはあれじゃないですか?「お支払いはしないですけれども貧しい子どもたちに」っていうほうだと思いますけどもね。
そうですよね。
「行きますよ」みたいな感じだと思いますね。
だけど純粋に経済合理的な人だったら1万円もらったほうが得なはずじゃないですか?そうねぇ…。
アハハッ。
ちょっとだけでもとか。
うん。
う〜ん確かに。
ねえ。
でも明らかにね1万円って言われたらそりゃ安いでしょうって誰でも思いますよね。
でもボランティアって言われたら行ってみようかという感じになるわけでしょ?うん。
そうですね。
不思議でしょ?どうしてだと思います?ええ?この辺で感じるものを言葉にしなきゃいけないって事?アハハハッ。
難しいなぁ!どうして?まあそれ俺にできることだからね。
うん。
そういうのありますよね。
俺じゃないとというのはある。
普通は報酬があるほうがやる気が出るわけですよ。
例えばサッカーの選手として成績次第で報酬が違うという時にゴールをたくさん入れたら報酬が増えるというんだったらやる気出るはずですよね。
まあそんな世界ですよね。
目的が報酬じゃないんですもんね。
ボランティアは。
ボランティアと報酬の関係について興味深〜い実験があります。
実験の対象は体が不自由な子どものための募金集めをしている学生ボランティア180人。
実験では学生を3つのグループに分けました。
この中でどのグループが一番寄付を集める事ができるのかを調査したのです。
その結果…。
3つのグループの中で最も寄付金を集めたのは3の報酬をもらわないグループでした。
これはどうしてかっていうと「こういう仕事をしてください」っていうので集まってきた学生たちってそのボランティア活動をしたいわけですよ。
うん。
だからそういう募金活動をしたいという人たちが集まってきた時にそれはボランティアで集まってきてんだけどお金をあげるといった途端にですねこれはボランティアじゃなくなっちゃうわけですよね。
だから善意ではなくって報酬の程度に合わせて働くと。
だから1%もらうんだったら今度もう時給換算で働くようになる訳ですよね。
ああ。
じゃあこんだけの給料でこういう仕事をするのか。
仕事になっちゃうんだ。
はい。
この1と2だったらどっちがたくさん集めたと思います?またそこを質問してきますか。
まあ2の方が多くもらえるんですけど。
うん。
う〜ん。
あっでも1にしろもうお金はもらうんですもんね。
となるとどうなんやろ。
だったらもう金にいっちゃえみたいなやつなのかな?1回金が出た時点で金の額に切り替わる可能性もありますよね。
目的がもう金というふうに。
正解なんですよ。
そうなんだ!2番なんですよね。
やっぱりもう金銭的な問題に変わった途端にたくさんもらえるほうがいいという形になるわけですよ。
だからもうそっちに入った途端に全然違うモードになってるということなんですね。
う〜ん。
この2つを経済学では…それぞれに基づく行為と分けて考えます。
社会規範とは人と人との関係の中で守るべき道徳や規則のこと。
それに対して市場規範はお金を介した合理的なやりとりの事です。
例えばねその違いって身近な例でいくと又吉さんのお友達がね急に引っ越しをしないといけなくなったということで手伝ってくれないかと頼まれたらどうします?手伝います。
手伝いますよね。
じゃあ「1,000円で引っ越しを手伝って下さい」って言われたらどうですか?「1,000円ええよ」って言います。
あっ1,000円なしで手伝う。
はい。
だから1,000円なんか要らない。
はい。
何かもらうの嫌ですね。
確かに。
1,000円もらう。
1,000円でやったってなっちゃいますもんねなんか。
終わったあとに嫌な気持ちになるよね。
そうなんですね。
だからお金と言われると嫌じゃないですか。
だけど晩飯おごるって言われたら。
違うね!そうですね。
違うね!確かに。
同じ金額かもしれないけど。
ああ。
うん。
そうなんですよ。
ほう!だから私たちやっぱり市場経済に生きてる一方で社会規範でも生きてるから使い方を間違うとすごい人間関係を損なうわけですよね。
だからそこら辺のバランスというのがすごく微妙なんですよね。
聞くわけにはいかないですもんね。
「今社会規範で動いてます?」。
「どっちですか?」みたいなね。
判断しないと駄目ですね。
分かりづらい時には迷うね。
そうですねぇ。
ここがねやっぱり人間の面白いところですね。
さっきの「夕御飯だったら?」って言われたときに全然気持ちが違いますもんね。
う〜ん。
決して僕らはあれですよ。
こっちばかりでサッカーやってないですからね。
はい。
分かってます。
ハハハッ。
代表とかになるとちょっと社会規範の。
こっちですよ。
ああなるほど。
そうですね。
はい。
それはそうですね。
(大竹又吉)う〜ん。
それも面白いですね。
ねえ。
やっぱり全然やっぱりプレーするときの気持ちが違いますか?何がですか?いやそのう…。
賞金が倍になったりとかすればですか?いや日本代表で頑張ってるときのモチベーションとこう…。
ああやっぱり代表とクラブとしての目的は違いますね。
ねえやっぱり名誉とか日本のためとかっていうのはこっちはあるから。
このゴール決めたら1本いくらとかというふうにはならない。
少しこの辺に引っかかってる部分があるかもしれないですけど。
リアルに言うと。
うん。
う〜ん。
日本人社会規範が強いのかもしれないですねもしかしたら。
オリンピックとかワールドカップとかでも他の国の賞金聞いて驚くときあるじゃないですか?一生分だもんね。
はい。
うん。
かといって日本がこんなんじゃやる気出えへんわってあんまりないじゃないですか?世間はいやもっと上げろってみんな言うんですけど。
ねぇ。
みんな代表選手って当たり前ですけど全力で戦ってくれてますもんね。
そうですね。
だから結構社会規範でもってる国なのかもしれないですね。
そうですね。
でもその範囲だからまあ繰り返しになりますけどその範囲がちょっと狭いのかもしれないですね。
ああなるほど。
本当に狭い範囲の助け合いとかっていう何かそういう集団のところでその規範が築いてて少し外に出るとこっちに行きがちなのかもしれない…。
ああ。
そこのこううまく使い方バランスが必要かもしれないですね。
ホントに。
(母)あっお財布忘れちゃった!
(兄)えっ!?どうすんの?
(父)ああ大丈夫大丈夫。
ここのおやじとは10年来のつきあいなんだ。
任せとけ。
おやっさん!悪いんだけど。
(主人)今市場規範で動いてます。
ここまでね寄付の話をしてきましたけども実際にはお二人のような有名人って結構寄付しにくい面というのもあるんじゃないかなと思うんですよ。
それはそのボランティアにしてもね悪く言う人だったら何か偽善じゃないかとか結構有名な人が寄付したらこう売名行為じゃないかとかって言う人もいるじゃないですか。
そうですね。
まあ言われてきた事もありますしただだけどまあ寄付とかボランティアというのは本当に自分の満足というか自己満でいいかなというふうにはいつも思っていますけどもね。
なるほど。
周りが偽善って言ったとしてもなんかこうおなかすいてる人がおると。
飢えてる人がおるということは事実じゃないですか。
で偽善であってもそういう寄付をしたことによってその人たちが御飯を食べれるということも事実でそのことは誰も損しないんですよね。
もししなければ亡くなっていたかもしれない。
亡くなってた命かもしれない。
それを救える可能性があるということは何もたとえ偽善だったとしてもあの悪い事じゃないんですよね。
必要な事なんですよねむしろ。
でそもそも偽善かどうかというのはいい事と思ってやってるかどうか。
北澤さんが今自己満足でっておっしゃってるのがすごく僕正直というかまっすぐで。
僕もほとんど同じ気持ちなんですけど腹減ってる人を見るのはつらいんですよね。
腹減ってる人を見ながら自分だけおなかいっぱい食べてもあんまおいしくないですよね。
みんな同じように食べてでなんも気にせずに楽しかったなって思いたい。
それは偽善じゃなくて自分を気持ちよくする行為でもあるんです。
って思ってるんでそもそもが善かどうかですらも僕の中では怪しい。
寄付とかそういう行為そのものが。
やっぱりまあ自己満足っていう何か考え方でもいいしそんな難しく考えなくていいんじゃないかなというふうに僕は思いますね。
なるほどね。
私ね今お二人の話聞いてて自己満足でも結構いい面というのあると思うんですよ。
もしねこう自分が寄付した人が幸せにならなきゃいけないとかあるいはそれ返してくれなきゃ嫌だとかってなるとすごい狭い範囲でないと寄付ってできないじゃないですか。
はい。
こう「本当にその人が幸せになってるかどうか見ないと嫌だ」とかってなってくるとね。
でも自己満足でいいんだってなったらどうなっててもそれは悪くなることは絶対ないわけですからそのあげるということ自体がうれしいという考え方だと結構寄付の範囲とかボランティアの範囲って広がってもいい訳ですよね。
だから全く自分と関係ない人にでも寄付をしたりとかボランティアをしたりするという気持ちができるわけですから共同体の範囲を広げることにつながるんじゃないかなというふうにその逆に思いました。
うん。
そうですね。
あのもっとその寄付のしかたとかっていうお話になるのかなって思ったんですけど何かその研究されてる事が何かこの辺にあることをこう形にしてくれたので僕の中で何だろ?気持ちのところだけしか動いてなかったんで何かそこの整理のしかたが今回のこのお話でできたという事はすごくこれから先に向けてもなんかモチベーションとかそういうものにつながったなという感じは…。
ああ。
それはうれしいですね。
はい。
又吉さん今回は何を思ったのでしょうか?「またよし学習帳」。
(菊池の母)わざわざ虎丸堂に行ってきたっていうのがきくのよ。
2015/11/23(月) 22:00〜22:45
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「ホントは誰のため?寄付の経済学」[字]
見返りを求めず、他人にお金を差し出す、寄付という行為。改めて考えると、ちょっと不思議。人はなぜ寄付をするのか、見返りを求めないのか、そのナゾに経済学で迫ります。
詳細情報
番組内容
今回のテーマは“寄付”。自分が稼いだお金を、見返りを求めず、他人に差し出す…。経済学から考えると、寄付とはとても不思議な行為です。人はなぜわざわざ寄付をするのか、なぜ見返りを求めないのか?数々の実験結果を通して、そのナゾに迫ります。ゲストは、長年ボランティアでサッカー教室を行っている北澤豪さん。寄付をすることで、幸せになるのは誰か?思いやりの心が生む作用を、経済学で解き明かします。
出演者
【ゲスト】北澤豪,【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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