名古屋駅前:モニュメント「飛翔」移設へ…「2年以内に」
毎日新聞 2015年11月26日 14時30分
名古屋駅前のシンボル的存在となっている、桜通口ロータリーの円すい状モニュメント「飛翔」が、2年後をめどに移設される見通しとなった。26日の名古屋市議会一般質問で河村たかし市長が明らかにした。2027年のリニア中央新幹線開業に向けて名駅周辺の再開発計画を進める中で、底面の直径が21メートル、高さ23メートルの巨大なモニュメントの取り扱いが課題となっていた。【三上剛輝】
斎藤高央市議(自民)が「リニア新幹線の開業前に高層ビルの建設ラッシュが続いており、市としても次の時代にふさわしい新たな駅前の在り方を考えるべきではないか」と質問。河村市長が「市民などの意見を聞きながら、2年以内のモニュメントの移設を検討したい」と答弁した。
再開発計画ではロータリーの改良が検討されており、モニュメント移設後は現状よりも広い歩行空間を確保した交差点などが想定されているという。移設先は今後、費用がどれだけかかるかなどを踏まえて詰める。
飛翔は、ステンレスパイプをらせん状に組んだユニークなデザインで、縄文土器の模様をイメージしているという。市制100周年の1989年、市営地下鉄桜通線の開業に合わせて造られた。「過去から未来への発信」をテーマに109点の民間応募から選ばれた。地下街との連絡通路があり災害時の避難場所としての役割もある。
モニュメント設置当初は噴水の機能があったが、「水しぶきが車の往来に迷惑」として2001年に停止された。夜間のライトアップも、数年前の照明器具の不具合を機に中止されている。