にっぽん紀行「僕らの“まちの味”探して〜島根 邑南町〜」 2015.11.23


「にっぽん紀行」。
今回は島根県西部にある山あいの町に来ています。
いや〜自然豊かで静かな町ですね。
こんにちは。
今回の物語の舞台はこの町でひときわにぎわいを見せるあちらです。
実はこちらイタリアンレストランなんです。
お客さんたくさんいらっしゃいます。
こんにちは。
地元の食材をふんだんに使った料理が評判を呼び全国から年間6,000人もの人がやって来るそうなんです。
ところがこの味を支えてきたカリスマ料理長が2か月前辞めてしまったんです。
残されたのは若き料理人たち。
レストランの味は守れるのでしょうか?島根県西部中国山地の山あいにある人口およそ1万1,000の邑南町です。
毎年人口が減り続け高齢化が進んでいます。
この人気のレストラン実は4年半前に町が地域おこしの一貫として作りました。
食材は地元産に徹底的にこだわっています。
4種類もの旬野菜を使ったテリーヌ。
のらぼう菜という野菜のパスタ。
のらぼう菜。
この人気の味を生み出してきた料理長。
町が都会の有名レストランから引き抜いてきたすご腕のシェフです。
料理を作るスタッフは町が全国から募った研修生たちです。
一流シェフのもとで料理を学びたいと東京や広島などから8人が移住してきました。
町では研修生をサポートしようとミーティングを開いています。
主催しているのは…仕事どうかい?だいぶ慣れてきたところです。
(寺本)途中で辞めようとか思わなかった?いやそれはないです。
仕事や生活について相談に乗り町での暮らしを支えています。
実は人気のレストランは寺本さんが作りました。
ここを拠点に一流シェフから学べる仕組みを作れば若者が多く移住してくれると考えました。
ようやく軌道に乗ったレストラン。
ところがこの日寺本さんは料理長から思いも寄らない言葉を聞きます。
(寺本)何で…どういう区切りを?区切りって何?何だろう…。
レストランを辞めて都会に戻りもっと高みを目指したいというのです。
まあちょっと不安はあるよね実際。
だってシェフがいないレストランになっちゃうじゃん。
いやいますよ。
寂しいのと不安。
残された8人の弟子たち。
多くは経験の浅い若者ですが店はさきざきまで予約がいっぱいです。
料理長のレシピとこれまでの教えが頼り。
人気の味を守ろうとしていました。
厨房を守る一人小竹将矢さん26歳。
去年東京からやって来たばかりです。
いつか自分の店を持つという夢を抱き都心のイタリアンカフェで働いてきました。
しかし毎日深夜まで働きづめの生活。
邑南町でならじっくり料理を学べると期待したのです。
小竹さんは邑南町で結婚。
妻のまどかさんも町で働いています。
この夏には子どもも生まれました。
生活を築くためにもこの町で料理人としての腕を磨きたかった小竹さん。
これからここで成長できるのか?いつまでいるのか?答えを見つけられずにいます。
料理長が去って2週間。
小竹さんたちは早速新たな課題と向き合う事になりました。
自分たちだけでそれぞれ新しい料理を考えるように言われたのです。
こんにちは。
寺本さんは都会から一流シェフを呼び若者たちの料理を評価してもらう事にしました。
やりたい料理表現したい事が伝わればいいなと思っています。
よろしくお願いします。
小竹さんが作るのはイノシシの肉を使った料理。
ソースには赤ワインや柿カリフラワーを使い3種類の旬野菜を盛りつけました。
小竹さんなりに邑南町の秋をイメージしました。
「この町で料理を作る意味が分かっていない」。
一番大事なものが欠けているという指摘でした。
これまで料理の技術を学ぶ事に夢中になってきた小竹さん。
食材そのものにどんな味わいがあるのか深く考えた事はありませんでした。
小竹さんが邑南町で初めて迎える実りの秋。
旬の有機野菜など週に1回店に届けてくれる…ところがこの日一つ収穫が間に合わない野菜があったといいます。
そこで小竹さんたちは畑まで直接取りにやって来ました。
もうねちょっとねかたくなってるかもしれんけどね。
でも使えん事はないと思う。
付け合わせに欠かせないヒモトウガラシです。
久しぶりに取れたてを味わう小竹さん。
その時でした。
持ってきてくれたのは秋えんどうの煮豆。
この季節地元で古くから食べられてきた料理です。
あっおいしい!ね?豆とってもおいしいんよ。
こんな色になってくるけえ。
レストランでは豆が膨らむ前の緑色のサヤを使ってきました。
大きくなった豆の味を小竹さんは初めて知りました。
大矢さんのおかげでこの町ならではの味を一つ見つけました。
またおいで。
はい。
また。
大切にレストランに持ち帰る小竹さんです。

(寺本)いいものを作ってるんだからいい料理人に来てもらっていい料理人を育てていいレストランを作って都会の人も来てもらおうという取り組みを発信しています。
この町ならではの料理を考え続けていた小竹さん。
大矢さんの秋えんどうを味わえるスープを作ろうとしていました。
豆の甘みを引き立てるためにタマネギセロリなどと一緒に煮込んでみます。
素材の味を生かすために加えた調味料は塩だけです。
最初の一杯だし。
味は合格。
しかしお店で出すには一つ課題が。
彩りが足りません。
小竹さんの頭に浮かんだ食材はただ一つ。
やって来たのは大矢さんのもとです。
頼んだのは収穫の時期を過ぎた野菜。
どれほど残っているか分からないといいます。
ありました!欲しいのは秋えんどうの青いサヤです。
あっのせようと思って。
それで秋えんどうが欲しかったのね。
大矢さんが教えてくれた秋えんどうの味わい。
最後の彩りもこの畑で一緒に探す2人です。
その日の夜。
お客様ご来店です。
こんばんは。
今日のお食事をご説明させて頂きます。
小竹さんのスープがディナーのメニューに加わりました。
えんどうのサヤをちょっとゆでたものをおのせしてございます。
邑南町で料理を作る意味。
教えてくれたのは豊かな恵みを大切に育む町の人たちでした。
3日後。
小竹さんは大矢さんが野菜を届けてくれるこの日を心待ちにしていました。
あっすいません。
頂きます。
うわ〜うれしい。
こんな感じになりました。
あ〜本当すごい。
ありがとうございます。
おいしかった。
ごちそうさまでした。
ありがとうございます。
すごい。
すご〜い。
あっはい。
お願いします。
分かった!農家の人たちのところに足を運ぶようになった小竹さん。
この日見せてもらったのは初めて作ってみたという新しいカブ。
お〜!
(笑い声)この土地の味をまた一つ教わりました。
地域の人たちと一緒に作るこの町の料理。
一つまた一つ増えていきます。
ありがとうございます。
2015/11/23(月) 19:30〜19:55
NHK総合1・神戸
にっぽん紀行「僕らの“まちの味”探して〜島根 邑南町〜」[字]

島根県邑南町の大評判のイタリアンレストラン。この秋、有名料理長が辞めてしまった。残された都会から移住してきた若き料理人たちは味を守れるのか?挑戦の日々を見つめる

詳細情報
番組内容
中国山地に位置する島根県邑南町。ここに大人気のイタリアンレストランがある。有名料理長が作る料理は、地元産の野菜や肉をふんだんに使い、素材の持つ味を存分に堪能できると大評判。しかしこの秋、料理長が「新たな場所で成長したい」と辞めることに。残されたのは料理長に憧れ移住してきた若き料理人のタマゴたち。レストランの味を守ることはできるのか?都会から移住した若者が地域で生きる意味を探り、挑戦する日々を描く。
出演者
【語り】三倉茉奈

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント

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サンプリングレート : 48kHz

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