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脱出中に撃墜パイロット1人死亡 ロシアが巡洋艦派遣

 【モスクワ=常盤伸】トルコによるロシア軍機撃墜で、ロシア軍参謀本部は二十四日、パイロット二人のうち、一人の死亡を確認した。ロシア国営テレビが伝えた。パラシュートで脱出中、シリアのアサド政権と戦闘を続ける反体制武装勢力に地上から射撃された。ロシアテレビは、トルコの通信社が公開したパイロットの遺体の映像を放送した。

 一九五〇年代に旧ソ連軍機が北大西洋条約機構(NATO)加盟国に撃墜された例はあるが、ロシア軍機が撃墜されるのは初めて。

 参謀本部は、撃墜された爆撃機パイロットの救出活動でシリア北部に派遣された軍用ヘリ二機のうち一機が、地上から迫撃砲による攻撃を受けて緊急着陸したと明らかにした。乗っていた兵士一人が死亡した。

 参謀本部によれば、撃墜を受けて、高度な防空システムを搭載したミサイル巡洋艦「モスクワ」がシリア北西部のラタキア沖に派遣されたほか、空爆に出撃する爆撃機には常時、戦闘機が援護に当たる。またロシアはトルコとの軍当局者同士の連絡を中断する。ロシア軍の安全を確保するためだとしている。

 ロシアのプーチン大統領は撃墜について「テロの共犯者に後ろから撃たれた」と厳しく批判した。ロシアとトルコとの間で軍事的緊張が高まる可能性があり、IS掃討に向けた包囲網づくりに影響が及ぶ恐れがある。

 内戦が続くシリアのアサド政権の処遇などをめぐり欧米とロシアの隔たりは大きく、今回の撃墜で双方が歩み寄る可能性は低くなったとみられる。

 

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