470分の1に減少 港湾内、海水のストロンチウム90
資源エネルギー庁は25日、東京電力福島第1原発の海側遮水壁の完成前後で測った、港湾内の海水の放射性物質濃度を発表した。1~4号機の取水口周辺を調べた数値で、ストロンチウム90は1リットル当たり140ベクレルから同0.3ベクレル(約470分の1)まで減少した。
ストロンチウム90の減少効果は約50分の1と見込む東電の試算以上の値が示されたが、同庁は「長期的にデータを集め、効果を詳しく検証して行きたい」としている。
海側壁が完成する前の9月15~19日の平均値と完成後の値を比較した。ストロンチウム90については今月2日に採取した海水の値。
今月17日に採取した海水の値との比較では、ストロンチウム90を含むベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり150ベクレルから同17ベクレル(約9分の1)、セシウム137が同16ベクレルから同3.8ベクレル(約4分の1)、トリチウムが同185ベクレルから同38ベクレル(約5分の1)にそれぞれ減少した。
東電の試算では、海側壁によりセシウム137は約40分の1、トリチウムは15分の1に低減される。