野球:ファンにも選手にも不便、韓国初のドーム球場に不満爆発

総工費290億円の高尺ドーム、目立つ設計ミス
急傾斜のスタンド・窮屈な座席・地下にブルペン・駐車場不足・交通渋滞…
もとはアマチュア用球場、設計8回変更してこのありさま

野球:ファンにも選手にも不便、韓国初のドーム球場に不満爆発

 「プロ野球の試合をすることになったら、この座席からどうやって抜け出してトイレに行けばいいんだ?」

 「電光掲示板を見るには望遠鏡が必要なのでは?」

 来年から韓国プロ野球のネクセン・ヒーローズが使用する高尺スカイドーム(ソウル市九老区)に対する懸念が高まっている。高尺ドームは韓国野球史上初のドーム球場ということで野球ファンに歓迎されていたが、今月4日に韓国とキューバの代表チームによる強化試合の際に正式オープンして以降、「プロの球場としては不十分」「ファンにとっても選手にとっても不便な球場」「二度と来たくない球場」という声が上がっている。

 大雨の中でも野球ができる韓国唯一のスタジアムである高尺ドームは、ソウル市が2713億ウォン(約290億円)という資金と6年間という時間を費やして建てた。ところが、実際に言ってみたファンはあまりにも不便なことが多いと不満を口にしている。高尺ドームの座席には一番多くて31席が一列に並んでおり、その真ん中の席から立って出る場合は15人に了解を求めなければならないという所がいくつもある。インターネット上では「おむつ(をして行かなければならない)座席」という皮肉も飛び交っていた。窮屈な座席のためにファウルが飛んできても逃げられないという安全上の問題も取りざたされている。

 当初はドームではなくアマチュアのための一般球場として計画されたが、ハーフドームという提案を経てドーム球場に設計が変更されたことから、プロの試合をするにはふさわしくない施設・構造を持つことになった点も問題視されている。電光掲示板は小さすぎて「望遠鏡を持ってこなければ野球が見られない」という人もいる。内野と外野の座席が一つにつながっているほかのプロ用球場とは違い、高尺ドームは内野席と外野席が完全に分かれている奇妙な構造だ。スタジアムで一般のファンが利用できるエレベーターは一つだけなので、高齢者や障害者の出入りが不便だとの指摘も出ている。

孫章薫(ソン・ジャンフン)記者
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