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奉仕の心 点訳30年 小松友の会 市図書館に寄贈700冊

点訳した文章の校正作業に励む会員たち=小松市向本折町のすこやかセンターで

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 点訳した本を小松市立図書館(丸の内公園町)に寄贈しているボランティア団体「小松市点訳友の会」が今年で丸三十年を迎えた。同会が寄贈した本は、視覚障害者の方を中心に貸し出しており、これまでに計七百冊にのぼる。会員たちはやりがいを感じながらも「点訳をやらせてもらっている」との気持ちで、ボランティアで点訳に励んでいる。(谷大平)

 一九八五年四月に発足した小松市点訳友の会は、現在五十、六十代を中心に六十人の会員が所属する。週に三回、小松市向本折町のすこやかセンターに集まるほか、会員がそれぞれ自宅で本や身体障害者向けの会報の点訳を受け持つ。

 「点字は視覚障害のある方にとって目となる大切なもの」。同会の村本ゆり会長(65)は、点訳に携わるやりがいと同時に責任も感じている。六つの点の配列で文字を表す点字には漢字がなく、間違えないように細心の注意を払わなければならない。難しい漢字は辞書をひき、一冊の本を点訳するまでに他の会員と校正を三回行う。一冊に三年かかることもある。

 事故で夫を亡くした村本会長は、近所の人や知り合いに励まされたことで「何かを社会に還元したい」と二十一年前に入会した。ただ点訳に没頭することで、「夫のことを思い出したくないという気持ちもあった」と打ち明ける。

 発足した年に入会した沢田時子さん(82)は「頭を使うので健康にいい」と笑顔。「今では生活の一部。これからも続けられる限り続けたい」と意気込む。

 

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