【ソウル聯合ニュース】韓国の与党セヌリ党所属の鄭甲潤(チョン・ガプユン)国会副議長は25日、集会で覆面の着用を禁止する「集会および示威に関する法律」改正案を発議した。改正案は同党の議員約30人が署名し、議員発議で提出された。
朴槿恵(パク・クネ)大統領は24日の閣議で、労働組合の全国組織「民主労働組合総連盟」が主導した14日の大規模集会に言及した際、過激派組織「イスラム国」(IS)を取り上げ、「ISもそうしているのでないか。(覆面で)顔を隠して」と述べ、集会で覆面着用を禁止する必要性を強調していた。改正案の発議により、同案成立に向けた動きが加速するとみられる。
ただ、憲法で保障されている集会や表現の自由を侵害するとの指摘があるほか、覆面の大きさなどに関する明確な基準がなく、賛否をめぐり議論が起こりそうだ。
改正案では暴力行為などで治安当局が秩序を維持できない集会の場合、身元の確認を難しくする覆面の着用を禁じるとしている。ただ、健康上の理由がある場合や、プライバシーの保護が必要とされる集会などでは例外を認める。非暴力的な集会なども例外とする。
鄭氏は「集会の自由は憲法上保障されている基本権で、積極的に守られなければならない」とした上で、「違法かつ暴力的な集会に対しては断固として対応し、法律を守る集会文化を定着させる趣旨」と説明した。