【社説】朴大統領がまたもや国会批判、極めて見苦しい

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は24日の国務会議(閣議に相当)で「国会はさまざまな口実をつくっては経済政策の足下をすくっている。これは職務怠慢であり国民への挑戦だ」「いつも椅子に座って口だけは達者だ。偽善だ」などと発言し、重要法案の審議や採決が進まない国会の現状を批判した。現在、国会では韓中自由貿易協定(FTA)批准同意案、労働改革のための5大法案、サービス業活性化のための4大法案など、重要法案の審議や採決が一向に進まないことから、朴大統領はこのことを厳しく批判したのだ。朴大統領は今月10日の国務会議でも同じ趣旨の発言を行い「国民の皆さんが抗議してほしい」と国民を扇動するかのように語る一幕もあった。

 朴大統領が審議の遅れを指摘した法案は、いずれも採決が待ったなしの状況にある重要法案ばかりだ。来年1月1日から輸出企業の関税負担を軽減させるには、韓中FTAは遅くとも来月初めまでには批准しなければならない。労働関係法も今回成立が見送られれば、いつまでも景気回復の足下をすくうのは誰の目にも明らかだ。しかし通常国会の会期はまだ2週間ほど残っており、韓中FTAの批准については与野党と政府の間で被害を受ける農家への補償など、さまざまな議論が今も行われている。野党も韓中FTAを最後まで阻止する考えはなさそうだ。労働関係法は韓国労働組合総連盟(韓国労総)が賛否を明確にできないことで審議を進めにくい状況にあり、全てが国会の責任とはいえない。

 朴大統領はこの日「経済政策は政府と国会が共同で責任を負うべきもの」とした上で「経済が困難な状況になれば、その時は誰もが政府にばかり責任を押し付けるだろう」と不満も漏らした。もちろん場合によっては大統領が国会に審議と採決を急ぐよう求めることもあり得るだろう。しかし今回のように大統領がたびたび非常に強い口調で国会と野党を非難するのは、誰にとってもプラスにならない。

 朴大統領は一昨日、議会制民主主義を守るために生涯をささげた金泳三(キム・ヨンサム)元大統領の葬儀に訪れ、その場で与野党の議員らとも顔を合わせた。朴大統領は自然な形で与野党の幹部らと言葉を交わすこともできたはずだが、わずか7分でその場を立ち去った。ところが自ら招集した国務会議では国会を厳しく非難している。大統領は頭ごなしに国会に文句を言うのではなく、むしろ積極的な対話に乗り出すべきではないだろうか。

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