マニラ=佐々木学
2015年11月26日06時58分
フィリピンの首都マニラの空港で、観光客らが「手荷物から銃弾が見つかった」と空港職員に足止めされ、現金を要求される被害が相次いでいる。地元警察は、職員らが乗客の荷物に銃弾をしのばせた疑いがあるとみて、防犯カメラでの監視強化に乗り出した。
警察によると、今年1~10月にマニラ空港で押収された銃弾は514個、14年の92個と比べて5倍に増えた。目立つのは、身に覚えがないのに、「X線検査で見つかった」と空港職員に銃弾を見せられ、「問題にされたくなければ金を払え」と要求されるケースだ。9月には米国人観光客が3万ペソ(約7万8千円)を求められ、無実を主張して支払いを拒否したところ、6日間拘束された。日本人旅行者が疑われたケースもあるという。
警察は、少なくとも一部のケースでは、空港職員や関係者が事前に乗客の荷物に銃弾を忍び込ませていた疑いがあるとみている。一方で、乗客が実際に「厄よけのお守り」として銃弾を持ち歩いていたり、外国人観光客が射撃体験などの「お土産」として持ち帰ろうとしたりしたケースもあるという。空港警察は「どんな理由があっても銃弾を持ちこまないで」と注意喚起する。一方、アキノ大統領は「事件はごく一部」と、旅行者が過度に不安がらないよう呼びかけている。(マニラ=佐々木学)
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朝日新聞国際報道部
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