原節子さんが出演した映画「魂を投げろ」の一場面(新潮社提供)【拡大】
ずっと若くてきれいなままのイメージだった-。昭和を代表する映画女優で、「永遠の処女」とも呼ばれた原節子さんが死去したとのニュースに、代表作のロケ地となった広島県尾道市の市民や映画関係者らは25日、落胆や驚きの表情を見せた。引退後は公の場にほとんど姿を見せなかった原さん。ファンからは「寂しい」との声が漏れた。
「東京物語」のロケ地となった、尾道市東久保町にある浄土寺は、今も観光客が訪れる。住職の妻は「最近、原さんがご存命だという記事を読んで、長生きされているんだなと思ったばかりだったのに」と驚いた様子。
東京・築地の映画館「東劇」では出演映画が上映中で、劇場前には原さんのポスターも掲示されている。劇場前を通り掛かった、映画業界で働く40代の男性は「仕事柄、代表作はだいたい見ていた。往年の大女優で、寂しい思いです」。
近くで飲食店を営む芦本まゆみさん(68)は「えっ、本当ですか」と口に手を当て、絶句。原さんの出演作はテレビなどでよく見たといい「引退後はミステリアスな印象だった。どんな晩年だったのかしら」と思いを巡らせた。(共同)