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「日本のクラウドファンディングが超イケてない」事情について

アメリカではすっかり定着した感のあるクラウド・ファンディング。ここから面白い製品やコンピューターゲーム、イベント、そしてアート作品が続々と生まれている。クラウド・ファンディングは、製品や作品を作りたいイノベーターやクリエーターが、インターネットを通じでアイデアを公開、アピールし、それを見た普通の人々に資金を提供してもらうというしくみ。資金提供はたいてい数ドルとか数10ドルといった単位の少額からできるので、個々人のリスクは小さく、けれども全体としては大きな額になる。それで、プロジェクトをスタートできるのがメリットだ。

クラウドファンディングによる自浄システム

そもそもクラウドファンディングでは、資金提供者と資金需要者がダイレクトに繋がることは少なく、多くの場合仲介者が介在する。クラウドファンディングでは、募集期間内に資金提供表明の総額が目標金額に達した場合のみ資金が提供される仕組み(All or Nothing方式)が採られることも多いです。このAll or Nothing方式が採られる趣旨は,質の悪い案件を「群衆の知恵」で排除するという点にあります。言い換えれば「群衆の知恵」による自浄作用の活用こそがクラウドファンディングの本質の1つ。All or Nothingを判断するのはパトロンであり、仲介者ではないということだ。 f:id:MILKWALKEE3:20151123232319p:plain

一部ツイッターのイラストレーター界隈で爆発的に流行ってるっぽいけど超心配なのがこのEntyというサービス。一般的にファンクラブプラットフォームとも言えるが、システム自体はゴール地点の設定もなく、月額課金でのサポートというビジネスモデルを打ち立てている。これでは自浄作用が働かないばかりか、クリエイターの立場が守られることもなく、ひたすら資金提供と需給のバランスでしかコンテンツの質を保てないことになる。まあ見た感じ十分怪しいけれどね。それでも海外の成功例はクリエイターの新しい経験と創作品質の向上を証明しているとか。 f:id:MILKWALKEE3:20151123232158p:plain

enty.jp

クラウドファンディングの失敗例

クラウド・ファンディングでしくじってしまうと、とても公に失敗をさらすことになる。しかも資金を出すのは普通の人々なため失敗に慣れておらず、反応も否定的になる人を何人も見てきた。

資金を出した人々から「ひどい失敗をした人」というレッテルを貼られてしまって、それが広まり、少なくともそのジャンルでは二度と立ち直れなくなるだろう。クラウド・ファンディングで資金が集まれば、その製品やプロジェクトは実現するかもしれないが、それが必ずしもいいプロジェクトの成功にすんなり結びつくわけではない。その後に続く違ったプロジェクトを支えていくだけの人的な環境の良し悪しは、クラウド・ファンディングだけでは見分けがつかないだろう。  

金銭が動機ならやるべきことは他にある

繰り返すが、普通の人々による現代のパトロンと美化されることも多いクラウド・ファンディングだが、ことはそれほど単純ではないということ。クラウドファンディングで集めた金って「金払ったんだから何を意見してもいい」みたいな奴が絶対に一定数存在するのでそいつらに耐えられない人はやるべきで無いし、顔が見えない奴にパトロンになってもらうのめちゃくちゃ怖いことですからね。そもそも金が欲しかったら自分の足で走り回ってプレゼンして頭を下げるべきだし、そういうところから美味い関係が生まれるので機会損失だよね、スマートでもなんでもないし、馬鹿みたい。あと@仕事募集中とかやめろ、絶対それ来ねえから。

マネーの虎

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