医療と観光をセットとして国外から観光客を呼びこむ「医療ツーリズム」は、日本でもすでに大々的に取り組みが始まっているほか、韓国では美容整形と観光をセットにした取り組みが行われている。
日本で医療サービスを受ける中国人は現在はまだ富裕層が中心のようだが、ではなぜ中国の富裕層は日本で健康診断や医療サービスを受けようとするのだろうか。中国メディアの今日頭条は、中国の富裕層が国外で医療サービスを受けるケースが日に日に増えてきていると指摘する一方、中国国外であればどこでも良いというわけではないことを紹介している。
今日頭条によれば、医療サービスを受けるために国外を訪れる中国人富裕層の約7割が、渡航先を選ぶ際に「先進医療を受けられるか」、「医療サービスの品質は高いか」、「出国のための手続きが簡素か」、「気軽に旅行に行ける場所か」、「気候の良し悪し」、「飲食文化の違い」などを考慮している。こうした条件を考慮すれば、中国人から見て欧米諸国を訪れるよりも日本のほうが近くて気軽、さらには日本は医療のレベルも世界有数ということになるだろう。
記事はさらに、日本の医療技術が極めて高いレベルにあることを具体的な例や数字を示しつつ紹介。例えば日本人の平均寿命は84歳で長寿世界一の国であること、また人口100万人あたりのCT保有台数は日本は米国やドイツを抑えて世界一であることを伝えた。また、人口10万人あたりの癌による死亡者数は日本が米国、ドイツを下回っていることを紹介し、日本の医療技術であれば他国の医療レベルでは見つけられないごく初期の癌も発見できるためではないかと考察している。
中国人富裕層が日本で医療サービスを受けようとする背後には、中国国内では先進医療を提供できる施設の不足のほか、不完全な医療保険制度、中国の医療サービスのレベルの低さがある。
また、医療技術やハード面のクォリティの高さに加え、サービスという「ソフト」面でも日本の医療は非常に高い評価を得ている。中国のネット上でも、日本の医療サービスを受けた中国人が「医療スタッフは非常に親切で、細かい点にも配慮が行き届いていた」、「忘れがたい経験になった」などと日本の医療サービスの質を評価する声をしばしば見かける。現在、銀座などの百貨店では多くの中国人が買い物をしている姿を見ることができるが、今後は日本の病院も中国人患者で溢れるような時代が来るかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)