やけどの危険は生活のあらゆる場面にあります。事故が起こった時、初めの対処方法を誤るとその後の治療に影響し、重症であれば命にかかわることもあります。適切な応急処置を理解しておきましょう。
やけどとは
やけどは、医学専門用語で「熱傷」といいます。やけどは、熱によって生じる皮膚や粘膜の損傷で、その深さや範囲によって適切な応急処置の仕方が違います。
やけどをした直後から赤みや腫れが出て、その後も腫れや水ぶくれが数日続きます。細菌感染を合併するとやけどの深さが深くなることも知られています。
やけどの症状による分類
やけどの深さは、どのくらいの熱さのものが、どの程度の時間接触していたかで決まります。その深さによって1度熱傷から3度熱傷に分類されます。
表皮がひりひりして赤くなるが数日で治り、色素沈着もない。日焼けもこの一種。炎症を抑える作用のある軟膏が有効。
浅達性2度熱傷
表皮基底層まで損傷が及ぶ。赤くなり、水ぶくれができて痛い。医師の治療を受けると1~2週間で治る。治療後にしっかりケアしないとやけど跡が残る。
深達性2度熱傷
真皮深層まで損傷が及ぶ。赤くなり、水ぶくれができるが痛みはあまりない。水ぶくれの下の皮膚が白く変色している。やけど跡やひきつれが残りやすい。適切な治療を受けても治るのに1ヶ月以上かかる。
3度熱傷
皮膚全層の損傷。感覚が失われて痛みは感じない。水ぶくれもできずに肌の表面が壊死している。やけど跡がはっきり残り、赤く盛り上がってしまう。基本的に入院して植皮術などの外科的治療が必要。
応急処置の仕方
軽症から中症の場合
すぐに冷やす(やけどした部位を冷却する)ことが最も大切です。熱湯や油のやけどでも水道水などの流水で衣服の上から痛みがなくなるまで冷やします。冷やすことでやけどの進行を止め、痛みも押さえることができます。
手足のやけどは、水道水を出しっぱなしにして15~30分間冷やします。指先や脚のやけどのような場合は1時間くらい冷却することが必要です。
ただし、直接やけどに勢いよくかけるのではなく、患部の周辺に水を当てて流します。流水に当てるのが難しい場合は、洗面器などに水をためて冷やしても良いでしょう。
顔や頭のやけどは、シャワーなどで水をかけ続けます。目や耳のやけどは保冷剤や氷を包んだ冷たいタオルをこまめに替えて冷やします。
- あわてて衣服を脱がせない。衣服と一緒に皮膚がはがれ、水疱が破れる。
- やけどした患部は徐々に腫れてくるので、時計や指輪などのアクセサリーはすぐにはずす。
- 医師の診察治療を受けるまでは自分判断で軟膏や油など一切つけない。
- 水泡は患部を保護する働きがあるので、破らないようにする。
- 凍傷になるので、氷や氷嚢を直接患部に当てない。また、体温の低下を防ぐため、長時間冷やしすぎない。(特に寒い時期や、乳幼児・高齢者には注意が必要)
- 氷などを使う場合は清潔なガーゼ等でくるむ。
やけどをした皮膚は細菌感染しやすくなっています。患部を冷やしながら出来るだけ早く皮膚科医の診察を受けることが大事です。
特に、乳幼児は大人に比べて皮膚が薄いため、やけどの程度もひどくなる傾向があります。電気毛布やほっとカーペットなど、長時間使用することで低温やけどを起こすことがあります。
衣服の下のやけどを見逃してしまわないように注意しましょう。
重症の場合
広範囲に及ぶやけどや深いやけどの場合は、命にかかわることもあるので直ちに119番通報をしましょう。煙を吸い込んだ気道熱傷の場合も同様です。大きなやけどを負った場合は清潔なタオル、もしくはシーツなどの布で覆って、水をかけます。
衣服は無理に脱がしてはいけません。水で冷やす以外の処置はせず、救急隊員の処置に任せます。
やけどはその深さで治る時間も治った後の傷跡も大きく違います。やけどの深さは非常に重要で、早い時期にやけどの深さがどのくらいかを判断して適切な治療をやけどの跡も最小になります。