核フォーラム:願いは同じ「核のない未来を!」広島で開幕
毎日新聞 2015年11月21日 11時20分(最終更新 11月21日 11時25分)
◇最終日に「世界核被害者人権憲章」採択へ
被爆70年を迎えた広島に核被害に遭った世界のヒバクシャや専門家らが集う「核のない未来を! 世界核被害者フォーラム」が21日、広島市中区の広島国際会議場で始まった。23日までの3日間、核利用による被害の報告や被害拡大防止に向けたネットワークのあり方などを議論する。
世界の核被害者が集う国際会議は1987年に米国、92年にドイツで開かれた「核被害者世界大会」以来で、今回もその理念を継承して反核・平和団体でつくる実行委員会が被爆地で初めて開催した。フォーラムには、米国やインドなどのウラン鉱山周辺に暮らす先住民やオーストラリアなどでの核実験被害者、チェルノブイリ原発事故後に作業に当たった労働者ら、海外9カ国から招待ゲストを含む約80人が出席する。
開幕に先立ち、出席者らは原爆資料館を見学し、原爆慰霊碑に献花した。最終日は「世界核被害者人権憲章」を採択し、被害者同士の連帯を目指す。
実行委顧問の平岡敬・元広島市長は「軍事利用であれ平和利用であれ、核は私たちの生存を脅かしている。この構造を否定し、命を大事にする真の民主主義社会を作らなければならない」と話した。【加藤小夜、山田尚弘】