アニメビジネスと地域活性化…自衛隊・埼玉・大洗・鷹の爪
地域
同イベントには、100名近くものアニメコンテンツ制作会社やテレビ局、地方自治体が参加。当日は、地域アニメビジネスに携わる3名から、事例を交えながら、地域発信のアニメビジネスを推進するポイントが紹介された。
まず登壇したのは、アニメイベントのプロデューサーとして活躍する柿崎俊道氏。柿崎氏からは、2015年10月17日にさいたま市・ソニックシティで開催された「第3回 アニ玉祭(アニメ・マンガまつりin埼玉)」が紹介された。同イベントには約32,000人が来場し、ステージ会場では歓声による地鳴りを感じるほどの盛り上がりを見せたという。
■地域とアニメ「世界観」を結びつける
当イベントでは、”アニメ”と”観光”をテーマにしたとのこと。会場は、アニメ会社が集まる「アニメ・キャラクターゾーン」と各市町村が集まる「地域観光ゾーン」が設けられた。「アニメ・キャラクターゾーン」では声優によるトークショーや握手会が開催されたほか、走り屋を描いたアニメ「頭文字D」の痛車を展示したり、異世界での自衛隊の活躍を描いたファンタジーアニメ「GATE」とコラボレーションするように、自衛隊に来てもらったりしたとのことだ。
柿崎氏によると、「自衛隊が来るとファンは大盛り上がり」とのこと。「本物の自衛隊がなぜかコスプレイヤーに見える」らしく、ファンに好評だったとのことだ。30代~40代をターゲットにしたため、”萌え”ではなく、”メカ”をコンセプトにしたという。”メカ”というコンセプトに基づいてアニメの世界感を実世界に表現したことが、イベントを成功に結びつけたポイントのようだ。
これと関連し、アニメの世界感を表現した飲食物が好評を博す場合も多いようだ。例えば、2015年11月15日に茨城県大洗町で開催された「大洗あんこう祭」。このイベントでは、大洗が舞台のアニメ「ガールズ&パンツァー」に関する飲食物が提供された。例えば、「あひる戦車コロッケ」「バレーボールたこ焼き」などである。アニメを知らない人からするとどのようなものかイメージがつかないが、柿崎氏いわく、「分かる人には分かる、ファンなら大喜びする」とことだ。
アニメビジネスを進める上では、”アニメ権利元”、”ファン“、”地域”の3者が密接に関わることになる。この内アニメ権利元は、アニメ制作委員会やアニメ制作会社、原作者などに分けられ、関係者が非常に多い。このため、アニメを活用したい地域の企業や自治体からすると、これらの関係者の違いが分からず、どこに話を持ちかけて良いか分からないケースが多いという。