はてな以外の読者が最近増えてきたので、できるだけはてなに言及するのはよそうと思っていたんだけども、はてな的な気持ち悪い文章を私も書きたいという欲求がむくむくと立ちのぼりどうにも止められなくなってしまったので、この気持ち大切に書ききりたいと思う。
ちるど氏に対する擁護
ちるど氏は最近悩んでいた
ちるど氏は卓越した文章力と豆なブックマーカーとして知られている。前者については私もかねてからのファンであり、全ての記事を読んでいる。
氏は私のようなファンを着々と獲得しつつ、最近のはてぶ仕様変更により、たびたびホッテントリするようになっていった。これはご存知の方が多いかと思う。そんな氏はかねてより、私からみれば絶望的とも思えるほどにネットで衆目を得る事を渇望していた。ライターを名乗ったり、ブログ飯的な話題は氏の大きな欲求ではないように思う。そんな中、最近ホッテントリ入りを繰り返すうちに強いプレッシャーにさらされている事を記事にしている。
安定的にホッテントリさせたいという気持ちと、衆目を得た後の自身の立ちふるまいに苦悩している事を読者に伝えている。
そんな不安定な日々の中、問題記事の直前には「炎上記事つくります」と予告しているようにも汲み取れる記事を投稿する。誰のせいでもないが、氏はそこまでには追い詰められていた。
僕は、真摯に、誠実に、いちブログ芸人として、はて、はて、はてブぅをっほの、み、みなさま方にっ!つ、常に話題を、話題を提供すべくウイッヒ、はふはふ、全力でぇ、邁進して参りました!
泣かず、飛ばずでえええ!ありました、はふはふ、泡沫の、ブログでありました、この「散るろぐを」をうっほ、多くの、読者のみなさまに、こうしでぇえ、お集まりいただき、ブログの未来を担うべぇくぅ、公私共に、粉骨砕身に、粉々に砕いて、石ウスでぇえッ!すり潰じで参りました!
こんな道化を演じつつも隠し切れない自意識がアーティスティックに露出するのが私は大変好きで、氏のブログを愛読している。
ちるど氏はもともと性癖を惜しげも無く披露していた
他にもいっぱいあるんだけども、性的なものをコンテンツとして採用する事の多かったちるど氏が、今回の記事にたどり着いたのは…妖怪アクセス天狗の仕業だと思われる。主張に関しては私も同意しないし、氏もきっと本心では無いだろう。そんな背景から考えるに…、やっぱり天狗のしわざでは無いだろうか。
はてなーと性について
ちるど氏のアート性の発露、もしくは天狗のしわざによって散るろぐの名文は生み出されるわけだけれども、内面を第三者にも伝わるように外部媒体に定着させるという作業は、絵画や音楽などのアートを生み出す行程とまったく同じである。そういう事を可能したらしめる才能に私は強いあこがれを覚えているし、引き続き更新を楽しみにしている。まあでも痴漢の言い分には同意できないし犯罪は犯罪だ。
今回の件とはまったく関係が無いんだけれども、同はてなブロガーである必需品 (id:hitujyuhin)氏も内面を文章に定着させるアート性と文章力を持った人として私はいつも楽しく読ませてもらっている。彼の場合は美少女へ執着しておりかつ自分は魔法少女になりたいと言い、結婚式はお断りだが新郎としてウェディングドレスを着たいという事を表明している。主張はまったく同意できないが同じく素敵な文章を書く人だなあと思っている。記事を書いてすぐ消したりするのもなんだかドキドキする。
そういうアートの発露としての性以外にも、はてなでは性癖をネタとしている事をしばしば目にする。面白い文章に仕上げるタイプのでも、世間的には眉を潜める事をまま書く。幼女うんぬん。読んでいると楽しいんだけどなんだか法整備をちゃんとしないといけない気持ちにさせられる事が稀にある。
はてなを広く定点観測しているサイバーメガネ (id:cyberglass)さん自身も、はてなのディープな文脈が失われつつある現状を例えて「おっぱい」を持ちだしたりして、こういった話題の取り扱いに対してかなりゆるい判定なんだなあと印象付けさせる。記事の内容ともリンクするんだけども「おっぱい」を持ち出す部室トーク感は、はてブはおたくと技術者が集まって始まった男社会だという背景を思い出さずにはいられない。
はてなと性で言えば、最近びっくりぽんだったのはシロクマ (id:p_shirokuma)先生がエロゲー(泣きゲー)に言及していたこと。オタクの話題をするのは知っていたけど、エロゲーまで踏み込むのは知らなかった。最近ちゃんと記事を読み始めて、画面の前で何度もうんうんうなずいてた私からしたらむちゃくちゃ驚いた。
海老のビスクをすくったスプーンでそのまま納豆かき混ぜちゃうようなその感覚は、先生が気になるその他の執着よりよっぽど私は戦慄を覚える。精神科医を名乗って社会派の本を何冊も出版しつつ、そのかたわらベースとなるプラットフォームでエロゲーに言及するのは、先生の感覚と世間的なもののズレそのものな気がしてやまない。いやもうそろそろそこは分けてよ。診察室で社会や執着の話は専門性の裏付けあるっぽいからいいけど、エロゲーの話は絶対に聞きたくないわ。ま、個人的には医者を名乗っておきながらグラスワイン揺らしつつ「お金稼ぎならもっとエレガントにおやんなさいよ」と言い放ったあの記事のほうが私の属性的に僻み根性を丸出しにさせる戦慄記事だったけども。
はてなの気持ち悪さ
男社会のはてなでは気持ち悪いおじさんたちが跳梁跋扈しており、ちらちらそれがかいま見える。はてなは一般大衆目線で本当に気持ちの悪い存在だと思う。それだけで世間は、はてなという存在を日陰に留めておくべきたという結論に達するだろう。
「うすら気持ち悪い」この感覚を侮っているインターネッターは本当に多い。とくにはてなーは論だってないという理由でこの手の世間的な気持ち悪さに鈍感なように思う。
こんな生粋のはてなーじゃなくても、ホッテントリにしばしばセクシャルな話題は掲載される。まとめサイトの「【画像あり】最近のAV女優がめっちゃエロ可愛い」みたいなやつやら性玩具の新商品の記事だったり。増田でのセクシャルな話題なんかはしょっちゅう目にする。他のニュースサイトの重み付けに利用されるようなナショナルサイトが未だに性に関するフィルタリングを行ってないのは、はてなにとって北米進出がまったく糧になってない事の証左のように思える。乳首出てなきゃセーフ、男性と女性向けのポータルを分けるみたいな判断も前時代的に思える。
個人の主張としてブログで性に言及するのは全然おっけーだと思うけど、影響力があるサービスなら性差で楽しめないコンテンツはフィルタすんのが普通じゃねーの? 技術的にどうにでもなるはずだけど、はてなは「集合知。双方向性。話題になっているものをそのまま」とWeb2.0からまったくバージョンアップをしないつもりらしい。編集はともかくフィルタリングは企業ポリシーとして陽に暗にやるのが今の時代当然なんじゃないだろうか。匿名掲示板じゃあるまいし。
こんな背景もあいまってホッテントリは、はてなの楽屋ネタとひとりごととおっさんの性癖をキュレーションするネット随一のきもちわるいウェブになっているように思う。かつては金色の雄獅子のような将来像を予感させた時代もあったのに。
いっそのこと「はてなブックマーク、10周年を機にリニューアル!」じゃなくてサービスを終了したほうがいいんじゃないだろうか。内輪ネタと性的嗜好キュレーションサイト。気持ち悪さの極みだと思う。
昨今のはてブの調整は結果だけみればこのように完全に失敗しており目も当てられない。そこに関しては、過激派じゃない皆さんにも同意くらいは得られるところかと思う。
というわけでホッテントリがクソだという誰も傷つけない結論が得られたところで筆を置きます。
最近ネットメディアにどこから差されたかわからないけど「もうステマしません」みたいな詫び文がぽつんと掲載される事が増えたよねえ。
— きりんの自由研究 (@giraffree) 2015, 11月 3