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 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界記憶遺産制度の透明化を求めている馳浩文科相は24日、松浦晃一郎・前ユネスコ事務局長と面会した。松浦氏は、イリナ・ボコバ事務局長と先週会談した際、「国際諮問委員会(IAC)の会議を公開することはできない」と伝えられたことを報告した。

 松浦氏によると、パリであったユネスコ70周年記念行事で、ボコバ氏に制度改革を訴えたところ、「透明性をどう具体化したらいいか、しっかり検討しなければならない」と改善に取り組む意向は示したものの、登録するかどうかを実質的に判断する専門家会議の公開は委員の反対もあり困難、との見方を示した。

 世界遺産の国際記念物遺跡会議(イコモス)など専門家による会議は通常、非公開のため、松浦氏はボコバ氏に対し、全面公開は行き過ぎだとしても、「(案件に関係する)当事国には申請書へのアクセス権を与え、意見は事前に文書で出させるべきだし、専門家会合の結論は、イエス・ノーだけではなく、もっと詳しいものを出すべきだ」と述べた。