ＥＵ 難民流入抑制でトルコに資金提供へ

11月25日 7時52分

ＥＵ＝ヨーロッパ連合はシリアなどからの難民の流入を抑えるため最大の経由地となっているトルコに対し、日本円で４０００億円近い資金を提供することを決め、難民たちがトルコ国内にとどまるよう支援を厚くするとしています。

内戦が続くシリアなどからヨーロッパに渡る難民や移民はことしに入って９０万人近くに上り、その多くがトルコを経由しギリシャに到着しています。ＥＵは難民の流入に歯止めをかけるため先月、トルコ政府と協力を強化することで一致しました。その一環としてＥＵの執行機関に当たるヨーロッパ委員会は２４日、トルコに対し、３０億ユーロ（日本円でおよそ３９００億円）を提供することを決め、トルコ国内に逃れたシリア難民などの支援に活用するよう求めています。トルコはシリアからすでに２００万人を超える難民を受け入れていますが、十分な支援が行き渡っていないことが、難民の多くがヨーロッパを目指す一因となっています。ＥＵとしてはトルコ国内の難民の生活を改善することで、難民がトルコにとどまるような環境を整えたい考えです。
ヨーロッパではフランスのパリで起きたテロ事件を受けてシリアなどからの難民に対する警戒感が強まっており、今月２９日に開くＥＵ各国とトルコの首脳会議で難民の流入を巡る協力策を改めて協議する方針です。