朴大統領はさらに、現在指名手配中のハン・サンギュン全国民主労働組合総連盟(民労総)委員長が現場でデモを指揮し、直後に曹渓寺に逃れて再び違法集会の準備を進めていることにも言及し「公権力をばかにしている」と厳しく批判した。その上で朴大統領は「大韓民国の体制転覆を狙っていた統合進歩党(2014年に憲法裁判所により強制解散)の復活を主張し、李石基(イ・ソッキ)元統合進歩党議員の釈放を求めるスローガンも叫ばれていた」などとも指摘した。
朴大統領は「国民を不安に陥れ、経済を萎縮させて国際的な威信を引き下げる違法な暴力行為を根絶するため、政府は力強い対策を取らなければならない」「国務委員(閣僚)は強い覚悟を持ってほしい。今度こそ背後で違法行為を働き、暴力をあおる勢力に対しては、法律と原則に基づいて厳しく処罰し、悪循環を断ち切らねばならない」などとして閣僚にハッパを掛けた。
朴大統領の一連の発言を受けて政府の内外では「デモに甘い対応しか取らない一部の閣僚や政府機関のトップに対する叱責(しっせき)が込められている」との見方も聞こえてくる。今回の朴大統領の指摘を受け、12月5日に予定されている全国民主労働組合総連盟(民主労総)による都心でのデモの際には、警察を中心により厳しい対策が取られる可能性が高くなった。