2015-11-25
■なかなか使いドコロにこまるiPad Proの実用的な使い方 
なんだろうな。iPad Proってやつは。
これ、往年のMacファンならわかると思うんだけど、イメージ的にはPowerBookG4の17インチ版だね。
その昔、MacBookと呼ばれるようになる前はPowerBookという名前だったのさ。
CPUさえ違った。
この頃は煽り文句もテンション高すぎて笑えるレベルだった。
まさにエンジニアリングの妙 — 17インチPowerBook G4は、厚さ2.6cm、重さ3.13kgと驚くほどスリム。17インチディスプレイを備えたノート型コンピュータとしては、市販製品(2004年4月現在)の中で最も薄く、最も軽いコンピュータです。
自分で言うか!!
マンションポエムもかくやの語り口である。
そして注目すべきは「17インチディスプレイを備えたノート型コンピュータとしては市販製品の中で最も薄く、最も軽いコンピュータです」って、17インチディスプレイ搭載したノートなんて後にも先にもこれ以外ほぼ存在しない。比較対象をものすごく絞ることで「最薄・最軽量」を名乗るところはさすがアップルポエム。
というか「ポータブルデスクトップ」なのか「ノート型コンピュータ」なのかハッキリして欲しい。
実際には3.4kgくらいするこのノートを持ち歩くには、普通のカバンには入らず、専用のバッグを買わなければならなかった。
僕はゼロハリバートンでぴったり来るアタッシェを見つけたので、それに入れると重量6kg。ちょっとしたダンベル並の重さ。
これを買うやつは明らかにどうかしてる、という目でみんなが見てくるが、むしろ逆にそれがカイカン。
そういう人にこそ、使って欲しい。
ちなみにこの頃はIntel化する直前で、Power Mac G5の説明とか今見ると腹を抱えて笑ってしまう。
AppleとIBMが総力を結集して作った世界で最も先進的なプロセッサだったはずだが、その数年後にはこうなってる
同じコア数であっさり2倍て・・・。
いかにPowerPC G5がお荷物だったかが分かる。
PowerPCの頃のAppleは明らかに胡散臭くて、もはや冗談一歩手前の製品ポエムでしかモノが売れないんじゃないかという感じだった。スティーブ・ジョブズも内心苦笑いをしながら製品発表してたと思う。そうでなければ密かにIntelMacなんか用意するわけがない。
この頃に比べると最近のAppleはおとなしい。
本当に性能がいい場合は、このように淡々と事実だけを書くのが最も効果的だ。
さて、閑話休題、PowerBookG4の17インチ版ほど信者力を試されるデバイスはそうはなかった。
さっきも言ったとおり、そもそも3kg以上もあるのである。
オンナコドモは相手にしねえ、そして時代錯誤の30万円オーバーのプライスタグも気にしねえ、かといって解像度が高すぎて文字が読めないとぬかす爺さんどももノーサンキュー、そんな硬派な、若手起業家、フリーランスの若手デザイナーだけがこの無駄と贅沢の極みであるPowerBookG4 17インチを買ったのである。
僕など、この3kgオーバー、カバンとあわせて6kgオーバーのノートを仕事で持ち歩くために、クルマを買ったほどだ。もちろんシルバーの。バウハウスデザイン的なAppleに経緯を評して、ドイツ車を買った。スティーブ・ジョブズがAppleを設立するために手放したのがドイツ車であり、Macintoshをデザインする時にイメージしたのもイタリア車ではなくドイツ車だったというのも何かの縁だろう。
でも、この17インチのど迫力画面は、ある種の魔力を秘めているのである。
というのは、客先でプレゼンをしたりデザインイメージを固めたりする場合、この画面の大きさ、文字通りポータブルデスクトップとしての存在感というのは圧倒的で、もともと僕も知人のデザイナーがPowerBook G4の17インチ版を使って打ち合わせしてるのを見て、正直「カッコイイ」と思ってしまったのが運の尽きだったのだ。
パワーと力の源。
ああ、買うよ。買ってしまうよ17インチ。
そう、あれはそういうモノだった・・・・。
さて、iPad Proである。13インチ(12.9インチ)という画面サイズは、ノートPCとして見れば決して大きすぎるものではない。
しかし、タブレットとして見ると異常とも思える破格の大きさである。
電車の中でこっそり「うしじまいい肉ニッコリ人生相談*1」なんかを見てるのを隣の妙齢のご婦人にバレたらいくらなんでも恥ずかしい。
大学のキャンパスでキニ速を読んでるのを学生に見られたら恥ずかしい。
分かりますか。
こんなとき、どうすればいいのか。
もういっそ英字新聞かな。
あの、無駄に飛行機に乗って、さも「さてさてNYSEの動向はどうかな」みたいな顔をしてキャビン・アテンダントに英字新聞をオーダーする、あの感じ。
全く無いようにキョーミないけど、俺英字新聞読んでます感。いっそ読んでなくても構わない感。
そういう感じで、もうiPad Proは、見せブラではないけれども、見られるためのタブレット、見せるためのタブレットとして使うのがどうもよろしいのではないか。
そこで最近見つけたiPad Proの実用的な使い方は、こうである。
視力検査か!!
というかこの場合、僕のプログラムが悪い。
文字を大きくすれば、みんなで盛り上がれるゲームをして遊ぶこともできる。
こんな感じ。
例えば、地図とか、部屋やイベント会場の見取り図とか、iPad Proでクライアントとオシャレに打ち合わせできたら便利かもしれない。いや、僕はウェディングプランナーでも建築家でもないからそういうシチュエーションは滅多にないんだけど。
あと、iPad Proを買うならSIMフリーがいいと思う。
というのは、iPad Proは常用品というよりはイベントや打ち合わせでたまに活躍する程度。そもそもSIMがいる状況で使うことは滅多にない。通常はWiFiで十分。しかしいざというときにSIMが入ると重宝する、という意味でね。
僕はPowerBookG4 17インチのつもりで買ったから128GBのセルラーモデルを買っちゃったけど、ここまで使用頻度が低いと32GBで十分ではないかと思います。
- 出版社/メーカー: Apple
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログ (1件) を見る
色はシルバーがオススメ。
やはりPowerBookG4だから(しつこい)
今売ってる週刊アスキー(Kindle)でもiPad Pro特集やってるよ
週刊アスキー No.1053 (2015年11月17日発行)<週刊アスキー> [雑誌]
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2015/11/17
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る