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ニュースリリース|2015

2015年04月30日

待望の赤肉、メロン「赤いアンデス」を開発、青果の流通始まる
代表的なネットメロン「アンデス」に38年ぶりの新顔登場、食べ頃が長く贈答に


 
サカタのタネは、日本の代表的なネットメロン「アンデス」シリーズの38年ぶりの新品種となる『赤いアンデス』=写真=を開発しました。同シリーズ初の赤肉タイプで、2015年5月上旬から都内などを中心に青果の流通が始まります。

「アンデス」シリーズは、それまで庶民には手が届かなかったネットメロンをより多くの人に食べてもらおうと1977年に当社が発表した品種です。「アンデスメロン」の愛称で世代を超えた全国的な知名度があります。今回、開発した『赤いアンデス』の最大の特徴は果肉の色。従来の「アンデス」シリーズの果肉は緑色ですが、『赤いアンデス』はその名前の通り、鮮やかなオレンジ色です。

食味は糖度が16度程度、果肉はメルティング質※1(舌触りがよく、口の中でとろけるような食感)です。また現在、広く流通している定番の赤肉メロンは、常温保存で食味や肉質が劣化しない期間が7~10日程度ですが、『赤いアンデス』は10~14日程度と長いです(当社調べ)。収穫後、間もないころから熟し切る直前まで、肉質は硬すぎず軟らかすぎず、食味も変化しにくく、いわゆる「食べ頃」の状態が長く続きます。メロンは外観から食べるタイミングが分かりづらいという課題がありますが、『赤いアンデス』は食べ頃の期間を長くすることで消費者や流通・青果店などの課題に対応しています。こうした肉質と食味から、核家族化や個食などを背景に、昨今、野菜や果物で増えているカット売り需要にも向いています。


 

 


■「贈って安心です」メロン、2色セットでお中元や縁起物に

「アンデス」の名前は「生産者が作って安心です」、「青果店が売って安心です」、「消費者が購入しても安心です」の3つのアピールポイントから、メロンを食べるときのように「安心です」の〝シン〟を抜いて「アンデス」としました。開発当時、一般的にメロンは糖度や食感に当たり外れが多く、また栽培してもネットが入らないなどの問題がありました。しかしその課題を解決した「アンデス」は高級な果物だったネットメロンを大衆に普及させることで需要を拡大し、メロンの消費を支えてきました。

経済の高度成長期以降、広く一般の方に食べられるようになったネットメロンですが、経済停滞期に入り個人消費が鈍る中、当社では贈答用としての手堅い需要があると考えています。日持ちがよく食べ頃の期間が長い特性をもち、かつ優れた食味と見た目で受け取った側にも喜んでもらえる「アンデス」シリーズに、「贈って安心です」という新たなアピールポイントを付け加えることで、市場を活性化させていく狙いです。例えば『赤いアンデス』と従来の「アンデス」を2色セットにしたお中元などの贈答用、誕生日や記念日など祝い事での縁起物としての利用なども提案していきます。なお店頭価格は時価ですが、一般的な赤肉のネットメロンは1玉600~1,200円(5~8月)程度です。



■早生性で低温期でも肥大、栽培管理の省力化にも貢献

『赤いアンデス』は早生で低温期の肥大力に優れています。低温でもつるがよく伸び、果実がよく肥大し、開花後55日前後で熟します。ネットの発生も従来の「アンデス」シリーズ同様、安定しており、育てやすいネットメロンです。つる割病※2(レース0、2)に抵抗性※3があり、メロン栽培の課題となるうどんこ病※4にも強いです。メロンの生理障害の1つである発酵果※5が発生しにくいのも特徴です。草勢がおとなしいため、つるに果実を付けた後も以降のわき芽をそのままにし、半放任で栽培できます。整枝やわき芽かきの作業が軽減されるため、生産者の省力化にも貢献できます。食味や風味、肉質、日持ち性など青果の品質に加えて、生産者の栽培のしやすさなどを両立させる点が難しく、開発まで約15年がかかりました。『赤いアンデス』は、「アンデス」シリーズの産地でもある熊本県、山形県などで栽培され、青果は5月上旬から7月末ごろまで流通します。種子は2016年から産地限定で販売する予定です。



■メロン『赤いアンデス』のロゴマーク(左)と従来の緑肉の「アンデス」(右)

 



※1  メルティング質:
舌触りがよく口の中でとろけるようなメロンの肉質。Meltingは「溶ける」の意味

※2  つる割病:
昼間に葉がしおれ、夕方には回復するが、数日後には株全体がしおれて枯れる。病株は抜きとり、持ち出し処分する。根が褐変腐敗し、茎の繊管束も褐変する。

※3 抵抗性:
抵抗性とは真性抵抗性ともいい、病害自体におかされない性質をいう。

※4  うどんこ病:
糸状菌、子のう菌類の一種の病原菌(Podosphaera xanthii)により主に葉に発病する。ふつう下葉から発生し、葉の表面に小麦粉をふりかけたような白いカビを生じる。これは後に灰白色となり、その中に黒色の小粒(子のう殻)が形成される。発病のひどいときは葉が枯れあがり、減収する。

※5  発酵果:
メロンの生理障害。果実中の酸素不足によるアルコール発酵が直接の原因で舌に刺すような刺激を生じ、重症になると食べられない。チッ素過剰やカルシウム不足、低日照などさまざまな原因で発生する。

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