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H2A 海外受注の人工衛星 打ち上げ成功
11月24日 20時21分

H2A 海外受注の人工衛星 打ち上げ成功
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日本のロケットとして初めて海外の民間企業から受注した人工衛星を載せたH2Aロケット29号機は、24日午後4時前、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、およそ4時間半後の午後8時17分ごろ、高度およそ3万4000キロで衛星を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功しました。
H2Aロケット29号機は、1段目のメインエンジンに点火したあと、4本取り付けられた補助ロケットにも点火し、午後3時50分、ごう音とともに発射台を飛び立ちました。そして、燃焼を終えた補助ロケットや1段目のエンジンを切り離したあと、2段目のエンジンを3回にわたって点火して通常より大幅に長い4時間半にわたって飛行を続け、午後8時17分ごろ、高度3万4000キロで衛星を軌道に投入し、打ち上げは成功しました。
今回打ち上げたのはカナダの「テレサット」社の通信放送衛星で、日本のロケットが海外の民間企業から打ち上げを受注したのは初めてです。
これまで静止衛星の打ち上げでは高度300キロ付近で衛星を分離していて、ここから高度3万6000キロの静止軌道までは衛星に搭載された燃料でたどり着く必要がありました。これに対して今回は、衛星の燃料を節約して寿命を延ばすため、ロケットが静止軌道の近くまで衛星を運ぶという飛行時間・飛行高度ともに前例がない打ち上げとなり、2段目のエンジンなどに改良が施されていました。
衛星の打ち上げを巡る国際市場の競争が激化するなか、これでH2Aロケットは23回連続で打ち上げに成功したことになり、日本が悲願としてきた市場への参入に弾みがつくと期待されています。

三菱重工「無事打ち上げ安どした」

日本として初めて海外の民間企業から受注した人工衛星を載せたH2Aロケットの打ち上げが成功したことを受けて、打ち上げを行った三菱重工業とJAXAが午後9時45分から記者会見を開いています。
この中で、三菱重工業の阿部直彦宇宙事業部長は、「初めての海外商業衛星の打ち上げでしたが、無事打ち上げることができ、安どしています。今後も、安定的な打ち上げを提供できるよう細心の注意と最大限の努力をしていきたい」と述べ、日本悲願の衛星打ち上げビジネスへの参入に弾みをつけることができたという考えを示しました。

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