テレビ朝日が主催するライブイベント「テレビ朝日ドリームフェスティバル2015」の3日目公演が、昨日11月23日に東京・国立代々木競技場第一体育館にて開催。関ジャニ∞、キュウソネコカミ、凛として時雨、aiko、椎名林檎、X JAPANが出演した。
最終日のトップバッターを務めたのは関ジャニ∞。Tシャツやネルシャツなど、カジュアルな服装で登場したメンバー7人はバンドセットにスタンバイして1曲目「ズッコケ男道」を披露する。力強く息の合ったロックバンドそのものの演奏に、オーディエンスは驚きつつも大いに盛り上がった。その後も彼らは「キング オブ 男!」、ストリングス隊を加えての「LIFE ~目の前の向こうへ~」などをすべてバンドスタイルで披露。錦戸亮は「今日はふざけずに、一生懸命音楽やります!」と宣言し、自身が主演するテレビ朝日系ドラマ「サムライせんせい」の主題歌である新曲「侍唄(さむらいソング)」をメンバーとともに熱唱した。後半の「High Spirits」と「勝手に仕上がれ」では、丸山隆平が華麗なスラップベースを奏でて客席から大歓声を浴びる。最後に昨年ソロで出演した渋谷すばるが「今年は7人でここに立てて、幸せに思っています」と挨拶。その思いを込めるように、昨年の渋谷のステージと同じく最後の曲として「オモイダマ」を全員で演奏した。
続くキュウソネコカミは、サウンドチェックでメンバー全員が登場し「伝統芸能」を演奏。サウンドチェックとは思えないパフォーマンスで会場を沸かせた。ライブ本番では「MEGA SHAKE IT !」「ファントムヴァイブレーション」などを次々と披露。MCではヨコタシンノスケ(Key, Vo)が「こんなデカいキャパでやったことないんですよ!」と会場の大きさに興奮した様子を見せた。後半の「DQNなりたい、40代で死にたい」ではヤマサキセイヤ(Vo, G)の煽りに応えて1万人のオーディエンスが「ヤンキー怖い!」と熱唱する。ラストナンバーの「お願いシェンロン」の途中にはヤマサキの「aiko! 昨日誕生日おめでとう!」という絶叫が響き、ダンボール細工のカブトムシのかぶりものをしたヤマサキが登場。客席が大爆笑に包まれる中、ヤマサキはメンバーの演奏に合わせてaikoの「カブトムシ」を歌い、場内をさらに盛り上げた。
凛として時雨のライブはレーザー光線が飛び交う中での「Who What Who What」でスタート。さらに「I was music」「DISCO FLIGHT」と、激しく熱いナンバーの連発で会場を制圧していく。そんな演奏から一転し、MCではピエール中野(Dr)が「急に激しいのが出てきてごめんなさいね? びっくりしたでしょ?」と語りかけて和ませる。そして「僕、X JAPAN観てドラム始めたんですよ。なので今日ここでどうしても飛びたいジャンプがある!」と叫び、観客を煽ってXジャンプを行った。場内の一体感が高まったあとも「SOSOS」「abnormalize」と強烈なサウンドをオーディエンスに浴びせていく。緩急のついた展開で観客を翻弄した「感覚UFO」を終えると、最後に「傍観」を演奏する。静謐なサウンドが徐々に熱量を増し、アウトロではTK(Vo, G)が何度もシャウト。最後にステージに残ったTKは激しくギターをかき鳴らし、観客を圧倒した。
イベント後半戦、aikoが最初に歌った曲は「カブトムシ」。曲が終わるとaikoは先程のキュウソネコカミのパフォーマンスを受け、「聴いていただきました曲は本物の『カブトムシ』でした(笑)。キュウソネコカミ、あとで本気でしばきたいと思います(笑)」と語り、双方のファンを爆笑させた。その後も「夢見る隙間」「二人」と歌い上げ、会場を幸福な空気で満たす。MCではこの日が40歳となって初のライブであることを話し、ファンから祝福の言葉を受けていた。「合図」「三国駅」でしっとりとした雰囲気に導いたあとは、恒例の「男子! 女子! そうでない人!」というコール&レスポンスへ。さらに「We Are X!」と叫んでのXジャンプまで加わり、観客は大いに盛り上がった。ラストは「ボーイフレンド」「愛の病」「あたしの向こう」といったナンバーを連発。aikoはステージ狭しと駆け回りつつ、全身でオーディエンスにその声を届けていた。
椎名林檎のライブはホーン隊のファンファーレからスタート。赤いミニドレスに王冠をかぶった椎名がステージに姿を現すと、大きな拍手が場内に響いた。椎名はバンドメンバーの圧巻の演奏をバックに、「マヤカシ優男」「真夜中は純潔」「殺し屋危機一髪」と歌い上げ、妖艶な歌声とオーラでオーディエンスを魅了する。「神様、仏様」では気だるげな声から迫力のハイトーンまで幅広いボーカルを聴かせ、「長く短い祭」では浮雲(G)がマイクを握り椎名とのデュエットで会場を盛り上げる。終盤、椎名が拡声器を握って歌い始めたのは東京事変の楽曲「群青日和」。イントロの高らかな歌声が響き渡ると、客席からは大歓声が起こる。最後に椎名は「今日はどうもありがとう! またどこかでお会いしましょう」と挨拶し、ギターを激しくかき鳴らしながら「NIPPON」を熱唱。MCなしのストイックなステージで、その世界観を存分にアピールした。
いよいよ3日間の大トリ、X JAPANの出番へ。ライブが始まる前から場内には「We Are X!」というファンのコールが響き渡る。世界各国での彼らのライブの様子を捉えた映像とオープニング曲「MIRACLE」が流れ、メンバーは順番にステージへ登場。怒号のような歓声がこだまする中、最初に「JADE」が演奏された。ステージ前方には炎が吹き上がり、PATA(G)、SUGIZO(G)が奏でるヘビーなギターとあいまって会場の熱気をさらに上昇させる。「RUSTY NAIL」に続いては、YOSHIKI(Dr, Piano)とSUGIZOのバイオリンから始まった「KURENAI」。名曲の連発に、1万人の観客は両手を上げて応えた。
中盤のMCでYOSHIKIはこの日の出演者たちの名前を挙げ、「いろんな人のファンの方が集まっていると思うんですけど、皆さんの好きな人を思いっきり応援してあげてください。僕らがここに立っているのは、何十年もファンの皆さんが応援してくれたからです。感謝しています」と涙ぐみながら話した。そんな言葉のあとに披露されたのは「FOREVER LOVE」。YOSHIKIのピアノとToshl(Vo)のボーカルのみのシンプルなアレンジで、会場を感動に導いた。最後は「BORN TO BE FREE」そして「X」を連続で披露。YOSHIKIのツーバスとHEATH(B)が刻むリズムに合わせ、オーディエンスは全力でXジャンプを繰り返した。
アンコールではToshlがX JAPANの今後について「来年の3月には20数年ぶりのニューアルバムが出るという噂を聞きました……本当に出るんでしょうか?(笑)」と冗談めかして話し、オーディエンスの笑いを誘う。そしてこのあと控えている日本国内ツアー、ワールドツアーに向け「今日が新しいX JAPANのスタートのステージだ! みんなこれからもよろしく頼むぜ!」と叫んだ。アンコールで披露されたのは「ENDLESS RAIN」。スクリーンにはHIDEやTAIJIといったメンバーも含む過去のライブ映像が映し出され、泣きながら見入るファンの姿も見受けられた。オーディエンスのシンガロングが響く中で曲が終わると、メンバー全員がセンターステージへ移動。全員で手をつないで笑顔でジャンプし、3日間にわたるイベントを締めくくった。
なお、このイベントの模様は2016年1月にCSテレ朝チャンネル1で放送されることが決定している。詳しい放送日時などは後日発表されるので、続報を楽しみにしておこう。