運輸審議会、富山ライトレールの富山駅乗入れなど軽微認定…2020年3月開業へ
鉄道 行政
富山市内の路面電車は現在、富山駅の南側が富山地鉄運営の富山軌道線、北側が富山ライトレール運営の富山港線に分かれている。一方、富山駅は今年3月、南側に北陸新幹線の高架駅が開業。北側の在来線ホームも高架化工事が進められている。
在来線の高架化工事が完成すると、新幹線と在来線の高架下を通って南北を通り抜けできるようになることから、富山市は富山軌道線と富山港線の富山駅高架下への乗入れと、両線の直通化を計画。まず軌道運送高度化実施計画の第1期区間として富山軌道線の富山駅乗入れ工事に着手し、今年3月には北陸新幹線の高架下に建設された富山駅停留場への乗入れを開始した。
3者が今回申請したのは、第2期区間の整備に向けた実施計画の変更。申請の概要によると、富山港線の富山駅停留場から奥田中学校前駅までの1.19kmを実施計画に追加する。このうち富山駅停留場から現在の富山駅北停留場までの約90mは、富山港線を延伸する形で軌道を新設。富山駅の高架下に乗り入れて富山軌道線の富山駅停留場に接続し、直通化を図る。
これに伴い、現在の富山駅北停留場は在来線高架下に移設され、名称も富山駅停留場に変更される。実質的には富山駅北停留場を廃止し、富山軌道線の富山駅停留場を拡張する格好となる。整備方式は上下分離を採用し、富山市が軌道を整備して富山ライトレールが電車を運行する。
一方、現在の富山駅北停留場から奥田中学校前駅までの既設区間も、上下分離方式に変更。富山市が軌道を保有して富山ライトレールが電車の運行を行う形に移行する。また、インテック本社前~奥田中学校前間にある八田橋の東詰付近に永楽町停留場(仮称)を新設。永楽町停留場付近から奥田中学校前駅付近までの区間を複線化する。このほか、富山ライトレールが保有している超低床式電車(TLR0600形7編成)を全て富山市に譲渡し、同時に超低床式電車1編成を増備する。
富山港線の富山駅乗入れ開始時の運行系統は、既存系統を富山駅停留場に乗り入れさせる岩瀬浜~富山駅間と、富山地鉄の富山軌道線に直通する岩瀬浜~富山駅~丸の内~中町~富山駅間が設定される。運行間隔はピーク時が10分、オフピーク時が15分で、オフピーク時は2本のうち1本が直通系統になる。所要時間は既存系統が約25分、直通系統が約55分。
運輸審議会の軽微事案認定により、国土交通大臣は近日中に実施計画の変更を認定する見込み。申請によると、2016年10月から工事に着手し、2020年3月の開業を予定している。
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