プーさん:モデルのクマ頭蓋骨、英で初展示 虫歯が悩み?
毎日新聞 2015年11月24日 10時47分(最終更新 11月24日 11時21分)
世界中で読み継がれる児童文学で、ディズニーアニメでも人気の「くまのプーさん」のモデルになったクマの頭蓋骨(ずがいこつ)が、ロンドンの英王立外科医師会の博物館で初めて展示されている。原作者のミルンが息子と共にたびたび訪れたロンドン市内の動物園で人気を集めたメスのクロクマで、死後80年近く保管されていた。
医師会によると、クマは第一次世界大戦中、カナダ軍の連隊のマスコットとして英国に渡り、面倒をみていた軍獣医がフランスに派兵された際に動物園に預けられた。獣医の故郷の町にちなみ「ウィニペグ」と名付けられ、「ウィニー」の愛称で親しまれた。当時は子供たちが囲いの中に入って食べ物を与えることもできたらしい。
ミルンの息子で、原作に登場する男の子と同じ名前のクリストファー・ロビンがウィニーにハチミツを食べさせている写真も残る。ミルンは息子が「ウィニー」と名付けたクマのぬいぐるみから「くまのプーさん」(原題「ウィニー・ザ・プー」)を着想したとされる。
1934年に死んだウィニーの頭蓋骨は標本として保管され、研究の結果、歯の大部分を失っていたことが判明。高齢であったことや、子供たちに甘いものを食べさせられた動物園での食生活も理由と考えられるという。【八田浩輔】