秋雨が降りしきる中、ポルシェセンターみなとみらいの担当氏にお誘いいただき、昨日ランボルギーニ・ウラカンの試乗に行って参りました^^。ランボルギーニに乗るのはかれこれ5年ぶりほどになりますでしょうか?その時はガヤルドとムルシエラゴに触れる機会に恵まれましたが、それ以来となります。600PSを超えるスーパーカーを試乗するのにはもう一つなお天気でしたが、ある意味では自制心が促されて良かったかもしれません。さすがに3000万円を超えるクルマをぶつけたらシャレでは済みませんからw。
昨日はNSX乗りの従兄と一緒にPCに行ったのですが、屋上のパーキングにクルマを入れるとイキナリ真っ赤で異様に車高の低い車体が目に飛び込んできました。先代モデルのガヤルドよりも精悍な顔つきで、いかにもスーパーカー然とした出で立ちは独特のオーラがあります。目が慣れていないせいか、歴代ランボルギーニの中でも特別感はかなりのモノです。舐めるようにクルマの周りを一周します。車高が低いのと、全長が短いおかげで、車幅がかなりあるにも関わらず、全体のフォルムとしてはかなりコンパクトに映ります(隣のボクスターと比べてもコンパクトなのが分かると思います)。
オーバーハングはF/Rいずれも短く、タイヤは車体の四隅に配置されています。一流の彫刻家が彫刻刀で削り出したような造形は極めてシャープで、ランボルギーニならではの存在感があります。フェラーリとも、もちろんポルシェともまったく違う世界観がそこにはあり、見る者の気持ちを高揚させます。ホイールはフロント、リアともに20インチが標準で、タイヤはピレリのPZeroを履いていました。リアのトレッド幅は305という超ワイドサイズ、フロントは意外に細く245サイズでした。ブレーキキャリパーはご覧の通りホイール内にギリギリ納まる形で、ローターはセラミックです。
ショールームに降り立つと一段と美しくなった受付の尾根遺産が席へと案内してくれます。PCの接遇は年々良くなりますね!コーヒーを2杯飲みほした所で担当氏登場。事故った時は免責20万円支払うように、という誓約書にサインをし、いよいよ試乗に出かけます。雨脚は一段と強くなり、こんな天気の中600馬力オーバーのクルマを乗り回して良いのか?という気持ちになりますが、ここまで来たら後には引けません!こういったエキゾチックカーを試乗させていただく機会なんてそうそうあるモノではありませんので、遠慮なく乗せていただくことにしました。
電子ロックを解除するとドアに埋まっていたドアノブがせり出して来ます(!)。この時点で興奮MAX!!ドアノブを引き、思っていたほど幅広くないサイドシルを跨ぎ、車内に乗りこみます。想像していたほど乗降性は悪くなく、着座位置は低いモノの、日常性は失われていません。まあ少なくともロータスS1に比べれば圧倒的な乗降性のしやすさです。ドアはガルウィング式ではなく、通常の横に開けるタイプ。ランボルギーニはどうやらガルウィングは12気筒モデルにしか与える気が無いようで、さりげない差別化が図られています。
車内はシンプルかつモダンな雰囲気。ムルシエラゴのようなエキゾチックな雰囲気はありませんが、写真で見るほどスイッチ類のごちゃつきも気にはなりませんでした。エアコンの吹き出し口など、所々プラスチッキーなパーツの質感が気になりますが、まあこの辺は或はアウディとのパーツ共有という所で仕方ないのかもしれません。エンジンスイッチはセンターコンソールにあり、戦闘機のようにフラップを上げてから押す形となります。配置の良いブレーキペダルを踏みながらエンジンスイッチを押すと「ガオン!」という轟音とともにV10エンジンが目を覚まします。
ここで少々スペックをおさらいしたいと思います:-
【エンジン】
タイプ:V10 90° IDS、40 バルブ
排気量:5,204 cm³
圧縮比:12.7 : 1
最大出力:610 PS @ 8,250 rpm
最大トルク:560 Nm @ 6,500 rpm
複合燃費:12.5 L/100 km
CO2 排気ガス:290 g/km
【パフォーマンス】
最高速度:>325 km/h
0-100 km/h加速:3.2 秒
0-200 km/h加速:9.9 秒
【ディメンション】
ホイールベース:2,620 mm
全長:4,459 mm
全幅:1,924 mm
全高:1,165 mm
乾燥重量:1,422 kg
パワーウェイトレシオ:2.33 kg/PS
4輪駆動を備え、これだけのハイパワーNAエンジンを積みながら1422㎏という車重は立派だと思います。どこぞのN○Xには爪の垢でも煎じて飲んでいただきたい。ただこの軽量ボディには秘密があって、通常のモノコック構造ではなく、アルミのフレームにカーボンのパネルを張り付けて作られているようで、先日のTMSで発表になったヤマハのライトウェイトコンセプトに似た構造のようです。この構造のお陰か、ウラカンには私が今まで経験した事が無いような独特な剛性感がありました。ポルシェが金庫ならこちらは丈夫なセラミックケースと言ったところでしょうか。
路面µの低さにややビビりながらアクセルペダルをゆっくり踏むとスルスルっと加速します。その変速のスムーズな事絹の如し、あまりの安楽さにやや拍子抜けしてしまいました。しかも乗り心地もこの手のクルマとしては極上です!以前試乗させていただいたガヤルドはかなりサスペンションがハードで、お世辞にも乗り心地が良いとは言えませんでしたが、ウラカンの乗り心地は抜群です。もちろん、ここでいう「乗り心地が良い」というのはふわふわと柔らかいという事ではなく、ロードインフォメーションをしっかりドライバーに捉えつつ、路面追従性が抜群に良いという意味です。
スロットルモードは3モードあり、通常モードの「STRADA」、よりレスポンスが良くなる「SPORT」そして一番上のレーシングモード「CORSA」です。今回は雨という事もあり「SPORT」までしか試しませんでしたが、それでも頭が軽く持っていかれる加速を見せてくれました。路面μが低かったため、「SPORT」モードだと、アクセルをガバッと開けた瞬間リアが暴れる所作が見られ、すぐにESCが介入し、車体をコントロールしてくれました。想像するに「CORSA」モードでサーキットを全開走行すればかなりの暴れ牛っぷりを発揮しれくれるのではないでしょうか?
V10のエンジンサウンドも素晴らしいモノです。4000回転を超えると粒の揃ったV10サウンドが車内を満たします。また、「SPORT」モードではアクセルオフすると派手なバックファイヤー音が響きます。これは痺れますね~。それでいて「STRADA」モードでは普通の乗用車のように扱えてしまうワケですから、正にジキルとハイドです。また新開発のDCTの電光石火の変速速度も特筆モノでした。今回は市街地走行をしただけですので、このクルマの性能の1/5も引き出せていませんが、十分凄さは伝わりました。機会があれば次は高速道路でエンジンをカチ回してみたいと思います。
ハンドリングについては想像していた以上に軽快感がありました。少なくとも同じ4WDのGT-Rや911ターボよりは遥かに軽快です。イメージ的には誤解を恐れずに言えばめっちゃパワフルなケイマンといった感じでしょうか?アイポイントが激低なため、フロントエンドはコクピットからはまったく見えないのですが、フロントオーバーハングが短く、タイヤが四隅に近いため車両感覚は極めて掴みやすかったです。車内からの後方視界はゼロに等しいのですが、サイドミラーの視認性と位置が絶妙なためか、車線変更や合流で恐怖を覚える事はほとんどありませんでした。
スーパーカーでありながら、フロントリフト機構まで備え、日常使いがまったく苦にならない(と想像される)のはこのクルマの大きな美点だと思います。一方で、内装のプラスチッキーさも含め、やや拍子抜けする部分も散見され、この辺は意見の分かれそうな所です。個人的にはこれだけのパフォーマンスとオーラがあれば少々の粗には目を瞑れますし、何より本当に「運転していて楽しい♪」と感じました。これだけハイパワーで限界の高いクルマにも関わらず、街中をちょっとコロがしただけで楽しいとドライバーが感じる事が出来るのは普通ではありません。
幸福な事にこれまで何度かスーパーカーというモノに乗せていただきました。例を挙げると360スパイダー、430スクーデリア、カレラGT、ガヤルド、ムルシエラゴ、SLS AMG、AMG GT、911GT2など。正直に告白すると、この中で身銭を切ってスーパーカーを買いたいと思った事は一度もありませんでしたが、そういう意味ではウラカンは先立つモノがあれば欲しいと思えた初めてのスーパーカーかもしれません。それだけスーパーカーという存在の立ち位置も変わって来ているのかもしれませんが・・これについては長くなるのでまた別の機会に書かせていただくとしましょう。
個人的に大変気になるのは近日アナウンス予定のウラカンの後輪駆動Ver.です。値段的にも2500万円前後というプライスレンジでウラカンよりもややお求めやすい価格となる予定だそうです。一方で、ブレーキローターはセラミック→鋳鉄となり、エンジンパワーも610PS→580PSへとデチューンされます。でも考えようによっては610PSの4WDよりも580PSのRWDの方がエキサイティングだと言えるので、期待しています。また4WD機構を廃する分、車重も軽くなるでしょうし、相当楽しいのではないか、と想像します。出来ればいつかマクラーレン570S/540Cと比較したいですね!
最後に、このような機会を与えてくださったPCみなとみらいおよび担当氏に深謝したいと思います。ありがとうございました!
Posted at 2015/11/09 13:53:03 | |
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