田中美保、榊原謙
2015年11月24日05時04分
未来の技術として東京モーターショーでも話題となった自動運転車。事故減少や過疎地の交通手段への期待は高いが、実用化のめどとされる2020年の段階では究極の姿ではない。人がハンドルをまったく握らない時代が来るまでには、技術的にも社会的にも課題がある。
「この左折中もハンドルは握っていません。歩行者がいると、はい、自動でブレーキを踏みました」
日産自動車は10月末、東京・台場の一般道で、カメラやレーダーを載せた自動運転実験車に報道関係者を同乗させて走った。18年に高速道、20年に一般道で自動運転を導入する目標を掲げ、現時点では開発で先端的なメーカーだ。
実験では、前の車に合わせて減速し、交差点では歩行者を把握して止まった。ドライバーの日産技術者は、今回走った約17キロのほとんどでハンドルに触れなかった。自動運転の難易度では、すでに実用化されている自動ブレーキのような「レベル1」より技術的に難しい「2」と「3」の中間にあたる。
ただ、まだ自動で右折はできない。実験車は走っている景色から道路の白線や標識といった必要な情報を読み取りながら進む。右折の際、人間なら対向車の運転手と身ぶり手ぶりで譲り合えるが、開発担当の飯島徹也部長によると「自動運転車だけでこなすのは難しい」という。
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