福島原発:がれき除去に「巨大な掃除機」重さ20キロ吸引
毎日新聞 2015年11月23日 19時22分(最終更新 11月23日 19時46分)
東京電力は、水素爆発があった福島第1原発1号機の原子炉建屋上部で、巨大な掃除機のような吸引装置を使ってがれきを除去する作業を開始した。
1号機では10月に、事故後に設置した建屋カバーのパネル解体作業が終了。今月いっぱいかけて、吸引装置でコンクリート片など比較的小さいがれきを取り除く。その後、放射性物質を含むほこりの拡散防止のため、スプリンクラーのような散水設備を設置し、本格的な廃炉に向けて作業環境を整える。
吸引装置は、長さ6メートル、幅2.5メートル、高さ5.2メートルのコンテナに収められ、重量は約22トン。伸縮式のノズルがついており、大きさ25センチ、重さ20キロぐらいまでのがれきなら吸い込むことができる。吸引装置は建屋上部からクレーンでつり下げ、遠隔で操作する。吸い込んだがれきは放射線量に応じて保管する。
東電は2020年度中に、1号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出し開始を目指している。【斎藤有香】