7放射性廃棄物の再生利用「どんどんどんどん高い線量を全国民が強いられる状況」 11/10おしどりマコさん講演・南相馬(文字起こし)




FFTV<おしどりマコさん講演>
深刻化する福島の子どもたちの甲状腺がん
(南相馬20ミリ撤回訴訟支援連続セミナー)
2015年11月10日

文字起こし部分のYoutube →https://youtu.be/-j-gbbxZuKY?t=1h25m48s

本当に、20mSv撤回訴訟がね、問題で。
本当に思うんですけれども20mSvをね、原発事故の後受け入れるっていうのは、特定避難勧奨地点とか原発事故が起こった汚染地域の問題じゃなくて、本当ウチらに関わることで、どんどんどんどん、「全国どこでも20ミリぐらい当たり前になりますよ」みたいな話だと思うんですよ。

で、放射線廃棄物の特措法の取材をしていて、今年特措法のとりまとめが一旦夏に出て、その時に驚いたんですけど。
放射線廃棄物を調べていて、特措法ができる時の議論をずーっと調べていたんです。

「8000ベクレル/kgを国が責任を持って除染する」というそのラインを決めた時の、放射線審議会だったかな。
その法律ができた時に「数年後に施工状況を検討する」ということがもともと2012年に法律ができた時に決まっていて、それで施工状況検討会が立ち上がってとりまとめが9月に出たんですけど、私が取りまとめを取材してびっくりしたのは、突然今になって放射性廃棄物の再生利用ということが今年から言われ始めたんですね。
放射性廃棄物の再生利用、再生利用って一度でも利用したことがあったの?みたいなことでビックリして。

放射性廃棄物を「再生利用」!?
L.C.M.PRESS Oshidori Mako&Ken mako oshidori

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環境省
放射性物質汚染対処特措法の施行状況に関する取りまとめ(本文)


放射性物質汚染対処特措法の施行状況に関する取りまとめ
~資料編~



「中間貯蔵開始後 30 年以内の県外最終処分に向けて、除去土壌等の減容化」今までは減容化だけでした。
しかし今年から「再生利用」ということが、減容化と再生利用がセットで入っていました。

再生利用にできるだけ早い段階から取り組むことが重要である」と。

「減容化・再生利用に関する技術開発及び必要な環境整備を進めるとともに、情報の発信やモデル的な再生利用の取組等を通じ、安全・安心を確保しつつ、全国民的な理解の醸成を図っていく必要がある」と。

「特に除去土壌等の再生利用を推進していくためには、公共事業等での活用が重要であり、関係省庁・自治体と連携して進めて行く必要がある。」ということが出されたんですね。


「放射性廃棄物の再生利用」せっかく除去したものをまた使うみたいな話になってきていて、それで今年の1月に、まだ1回しかないんですけど、「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」というのが始まっていました。

環境省 中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会(第1回)

再生利用に関する技術的課題について



(↓マコケンのブログ 放射性廃棄物を「再生利用」!?より再生利用に関する技術的課題について
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「再生利用に関する技術的課題について」本当に議論が始まったばかりでまだ2回目はないんですけど、本当に議論の途上なんですけど、利用先の用途として道路用とか河川とか、鉄道や空港もあるんですけど、公園緑地造成、宅地造成にも利用される用途として入っているんですね。
それを、何をどこにどうやって使うかの議論が始まったところなんですけど、

じゃあどのレベルのものなの?」ということもまだ議論が始まったばかりで、

(↓マコケンのブログ 放射性廃棄物を「再生利用」!?より再生利用に関する技術的課題について
IMG_9142-1024x712.png

4300ベクレル/kgとか3000ベクレル/kg。
上層に30cmの遮蔽をして3000ベクレル/kg。
40cmの遮蔽で10000ベクレル/kgの再生資材という話になっていて。

8000ベクレル/kgのものを集めてきて減容化をして、それを薄めて全国に使うということが今年から話し合われています。

え?チェルノブイリでもこんなことしてたっけ?と思って、今同時に調べ始めているんですけど、放射性廃棄物の再生利用というのは、今後本当に注目しなければいけない議論で、どう広がっていくか?というのは重要だと思います。

それは「原発事故があってもなくても、どれくらいの線量を私たち国民が強いられるか」ということにつながっていくと思っていて、それが一部の地域では年20ミリとなると、もう本当になし崩し的に、どんどんどんどん高い線量を全国民が強いられる状況になっていくんだと思います。

なのでこの再生利用の話は本当に、ビックリするよね!
8000ベクレルのものを集めて3000ベクレル。そんなにそうそう変わらないんじゃないの?っていうのが驚きます。

ケン:地下がどうなるかわからない。
マコ:どうなるかわからないよ、そこを通った水もどうなるかわからない。
ケン:そうよね。
マコ:そこが崩れたらどうなるか、とかね。

本当に全然わからない話だと思いますよ。
こんな放射性廃棄物の再生利用というのは、今までやったことのない話だと思うので、とてもこれも問題だなと思います。



つづく



千葉県柏市 〜10月31日までの検査結果公表〜甲状腺に何も無い子供が少なすぎる


最新の柏市甲状腺超音波(エコー)検査判定結果が出ました。
柏市11

千葉県柏市甲状腺検査「173人中、B判定6人とC判定11人で1割になる異常な数字」11/6原子力規制庁前抗議(文字起こし)」のブログを書いた時の9月30日までの結果と比べると下記のようになります。


  ~平成27年9月30日 →~平成27年10月31日
A1        61 →  73
A2        95 → 108
B          6 →   7
C        11 →  11
合計      173 → 199


平成27年7~9月分測定結果に関するお問い合わせが多く寄せられたため、「よくある質問」を掲載しました。「よくある質問」はこちらをご覧ください」と初めに書かれています。
B判定+C判定で全体の1割になるということで、たくさんの問い合わせがあったようです。


よくある質問
Q1 C判定が福島県「県民健康調査」と比べて多いのはどうしてですか。
C判定につきましては、結節やのう胞に限らず、比較的よく見られる甲状腺の疾患が疑われる場合も含まれます。確実に二次検査が受けられるように判定の対象としたため多いと考えられます。現時点では最終的な結果は出ておらず、福島県「県民健康調査」 と単純に比較できるものではありません。また、現時点ではがんと診断された方はいません。今後も継続的な調査をし、結果につきましては、まとまり次第、ホームページ等で公表していく予定としています。

Q2 A2判定を経過観察しないのはどうしてですか。
A2判定につきましては、のう胞については良性であること、また、結節についても微小であること、検査機器の精度が向上したことによってようやく見つかるようになったものであり、そのほとんどは良性であること、今後すぐに大きくなっていく性質にないこと等から、今般の検査における経過観察対象には設定しないと判断しました。

Q3 所見、診断内容は公表しないのですか。 
この検査は一次検査(スクリーニング検査)をしているものです。検査の結果、より詳しく確認いただくために二次検査を受けていただくものです。

Q4 比較的よく見られる甲状腺の疾患にはどのようなものがありますか。
単純性甲状腺腫
思春期頃の若い女性に多く見られます。甲状腺機能に明らかな異常はありません。

腺腫様甲状腺腫
甲状腺に大小さまざまの結節が多発し、全体的に腫れます。

バセドウ病
甲状腺ホルモン過剰により、動悸、頻脈、疲れやすさ、指のふるえ、眼球突出等の症状を呈します。女性に多い傾向があります。

橋本病 
甲状腺ホルモン不足により、寒がり、動作緩慢、皮膚の乾燥、便秘等の症状を呈します。女性に多い傾向があります。



おしどりマコさんは南相馬の講演で「単純に福島県民健康調査とは比較できない」とおっしゃっていました。↓

5福島県以外の自治体の甲状腺検査「単純に比較はできない」 11/10おしどりマコさん講演・南相馬(文字起こし)
なので怪しいものは専門医に回すというのがC判定になっていて、なので、福島県の検査より柏市であったり他の自治体。
柏市であったりというのは人数に対してC判定の割合が多めに出がちなんです。
福島県はちなみに今、それもちょっと問題あるなと思うんですけど、137人の悪性ないし悪性疑いですけど、いまのところC判定は一人しか出ていないんです。
なのに他の自治体ではC判定が6人とか、結構たくさん出ている自治体もいるので。

なぜそういうことになっているのか?というと、枠組みをそのまま使っていない、考え方が違うから。
とりあえず、自分はあんまり詳しくないから専門医に診てもらって、お願いというのが全部C判定に入っているっていうのが問題点の一つでもあります。



甲状腺超音波(エコー)検査測定結果・年齢区分別一覧(平成27年7月1日~平成27年10月31日)も公表されていました。
柏市12

それぞれの年代でまとめてみました。

合計数字
合計
全女子
全男子

幼児
幼児男子
幼児女子
↑幼児はほかの年代に比べて異常のないA1の率が高いのに、C判定がとても多い。幼児のA2には今後の注意が必要なのではないか。

小学生
小学生男子
小学生女子
小学生になるとすでにA1とA1以外の割合が逆転している。
すでに結節やのう胞を持っている子供の割合が増え、今後の注意がとても大切に見える。



中学生以上になると男女共検査人数がとても少ない。
少なすぎて表にする意味もないと思いましたが、作ったので一応載せておきます。
中学生は男子も女子もB、C判定はゼロだけど、A1よりもA2判定の人数の方が多くなっていることに注意したいと思います。
A2は「結節(5.0ミリメートル以下)またはのう胞(20.0ミリメートル以下)がある」ということです。
本来ならば、A1で「結節やのう胞は認められない」子供の方が多いのではないでしょうか?
小さくても、結節やのう胞が甲状腺に認められるということについて、もっと多くの子供達の検査の必要性を感じざるを得ません。

中学生
中学生男子2
中学生女子

高校生
高校生男子
↑合計4人のみの検査でA1が2人、A2が2人となっています。
高校生女子
↑高校生女子は、結節ものう胞も無い正常な甲状腺の子供が一人しかいません><。それ以外は全員結節やのう胞が認められています。

高卒程度
高卒程度男子
↑たった3人の検査のうち結節ものう胞も認められなかったのは一人だけです。
高卒程度女子


検査人数がとても少ない中、高校生女子、高卒程度女子に1名ずつC判定。
高卒程度には2名の女子にB判定も出ています。

なんらかの結節やのう胞を持っている子供が何もない子供に比べて多すぎると思います。

このような自主的な検診なので、心配に思っている人しか受けないという事実もあると思いますが、異常の全くないA1の率が非常に低いことが気になります。

単純に福島県や他県と比較はできないにしても、原発事故前にも、このように二次検査が必要になるような甲状腺の状態があったり、、または結節ものう胞もない子供がこれほどまでに少ないものだったのか?
「事故前は検査していないからわからない」と言われてしまったらそれまでですが、私は大変疑問に思いました。

私の個人的な感覚からすれば、結節やのう胞が無いA1と、結節やのう胞ができてしまっているA1以外の2種類に分けてもいいぐらいだとおもっています。
(それぞれの円グラフをA1とA1以外で見直してみると、何も無い子供が少なくてぞっとします)

多分、原発事故がなければ、子供達の甲状腺に、結節(しこり)とかのう胞(水の入った袋)なんて、できている人の方がダントツに少なかったはずだから。


癌にならなくたって、甲状腺の中にブツブツがあるというのは、そもそも健康な子供として考えた場合どうなんだろうか?


このような結果が出た以上、柏市は事故当時18歳以下の子供たち全員の甲状腺の検査をするべきです。








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6甲状腺学会「他の生き物と人間は違うのね」 11/10おしどりマコさん講演・南相馬(文字起こし)




FFTV<おしどりマコさん講演>
深刻化する福島の子どもたちの甲状腺がん
(南相馬20ミリ撤回訴訟支援連続セミナー)
2015年11月10日

文字起こし部分のYoutube →https://youtu.be/-j-gbbxZuKY?t=1h17m19s
2015111061


先週末に甲状腺学会があったんですね。
写真を撮ってもダメですし、録音もダメなので、必死に書き取るしかなかったんですけど。

私は、検討委員会と甲状腺評価部会で「数十倍のオーダーで多い」ということが出てから、「もともと潜在的に子供の甲状腺癌はいたんですよ」とずっと説明し続けていた、初代の検討委員会の座長、山下俊一先生に「今年検討委員会が出した甲状腺評価部会の取りまとめ、どう思いますか?」っていう、意見を一度聞きたかったんです。

「数十倍のオーダーで多い、スクリーニング効果ではない」というものが検討委員会の評価部会で出ていますよ」ということで、今年の8月に福島市で学術会議のシンポジウムがあって、そこに山下先生が出られるというのでバーッと走って行って、「山下先生〜!」って言って、聞きに行ったんですよね。
で、「甲状腺検査について少しお伺いしたいんですけど」っていうと、「おしゃべりマコ!!ノーコメント、ノーコメント!」ってダッシュで逃げられて、ね。
なんか、ちょっとびっくりしました。
「ノーコメント、ノーコメント!」で、全然コメントが取れませんでした。
ま、その学術会議もビックリな内容でしたけど。

それで、甲状腺学会ではどういうことをおっしゃられるのか?ということがとても興味があって、それで、山下俊一先生の最後のスライドのまとめの中からすごく書き取ったものがちょっと象徴的だったんですけど。

「マス・スクリーニングとがん登録の違い」もしくは
「放射線生物学と疫学のギャップを埋める努力」とか。
ま、簡単に言うと、山下俊一先生や県立医科大学の鈴木眞一先生は、今でも「スクリーニング効果で子供の甲状腺癌が増えているんだ」ということをおっしゃっていました。

それで「放射線生物学と疫学のギャップを埋める努力」という山下俊一先生のスライドと、ここの話は、今年出てきた数十倍のオーダーで多いという疫学者たちの検討を否定するような形での内容のお話でした。
「疫学、がん登録とスクリーニングは違うんだ」というお話を。

なので、今でも学会の方では「スクリーニングで多い」ということが話し合われていました。

すぐに私は山下俊一先生の言うことを岡山大学の津田先生にメールで「まだスクリーニングって言ってましたわ」って、送りました。

あと今年の学会でちょと。
会場が違っていたので私とケンちゃんと別れて行ったんで、私が話を聞いていた方には出てきていなかったんですけれども、
県立医科大の方で患者会を立ち上げるという発表がありました。
患者さんの対話の機会を設けるということが目的ということで、小児甲状腺癌の患者会を立ち上げるということが出されていました。
で、そのことについて県立医科大に色々と話を聞いているんですけれども、その回答は出てきていないという形です。

https://youtu.be/-j-gbbxZuKY?t=1h21m12s

甲状腺の話から少し逸れるんですけど、学会で海洋生物の国立環境研究所の堀口敏宏先生とおっしゃる方が発表されていて、甲状腺学会で海洋生物の発表?なんだろう?って思ったんですけど、国立環境研究所の堀口先生が、とても、こう、素晴らしい興味深い方で。

2013年に原子力規制庁の海洋モニタリング検討会というのがありまして、通称海モニって言うんですけど、そこに堀口先生は委員で来てらして、そこで取材をしていた時にとても色々話を聞いてくださって。

当時東京電力が原子炉の使用済み燃料にどれだけヒドラジンとホウ酸という化学物質を入れたのか?総量を発表していなかったんですね。
ヒドラジンやホウ酸など、そのほかいろいろな化学物質も放射性物質と同様、とても発ガン性の高い物質なので、それが海に垂れ流しになっているということで。
で、総量がどれだけなのかも出てこないというのがとても問題なので、この海モニという検討会で堀口先生に、「東京電力がどれだけホウ酸を入れたかヒドラジンを使ったか追及してくれませんか?」っていうことをお願いしたんですね。

そうすると堀口先生がとても聞いてくださって、規制庁や東京電力に突っ込んで、毎回毎回聞いてくださって。
で、結局、全5回だったんですけど。
わかったことは、「2011年事故発災当時はとても混乱していたのでホウ酸をどれだけ入れたかわかりません」ということが出てきました。

堀口先生は「それはさすがにおかしいだろう」と。
「何かしら、どこに何があったのか、メモとか、購入量とか、保管量とかすらないのか?」というと、
「津波で流されたものもあり、混乱の中どこにどれだけなのかわかりません」ということで、結局ホウ酸がどれだけ2011年に投入されたのか?というのは出てこなかったんですよね、驚きました。


で、その堀口先生が甲状腺学会で発表されることっていうのはどういうことなんだろう?
それが興味深かったですね、ケンちゃんが聞いてくれたんですけど。

イボニシという貝の調査についてだったんですね。
簡単に言いますと、
原発を中心にした広野町から双葉町を含む30kmのあたりでイボニシという貝がほとんど観察されないことがわかった。
ということだったんです。
宮城県や岩手県、福島県の北部の地点と比べると、
30kmのあたりでは全く見られないんですけど、その他では年月が経つにつれて、一旦津波で無くなったけれども。

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イボニシ

ケンちゃん:
最初は「津波で無くなっていなくなったんじゃないか」と言われていたそうなんですけど、原発の周辺で、30km以外の地域はどんどんどんどんイボニシが戻ってきたそうです。


マコ:
それで、堀口先生は有機スズ汚染の関連でイボニシの全国調査を25年続けてらして、とてもイボニシを見つけるのが上手なんですよね。

25年イボニシの調査をしてきたけれども、30kmの範囲でイボニシがほぼ全く採取されなかった経験は皆無である」ということでそういう発表をされていました。

これの原因が何なのか?というのはわからないんですけれども、海洋生物のあきらかな減少が見られるという報告をされておられましたね。

堀口先生、ま、ほんとうに海洋生物とか、イノシシとか農林水産系の学会では、原発事故の影響で海洋生物なり牛なり鳥なりなんらか影響があるということが既に発表されていて、学会ではそういう論調になんだけれども、甲状腺学会にこられて「人間の学会だけは絶対にに影響云々はないって今でも言ってるね」とおっしゃっていましたね。
「これだけ他の学会が違うと言っているのに、他の生き物と違うのね」みたいなことを堀口先生はおっしゃっていましたね。
それが甲状腺学会では一番異常だと思いました。



つづく


5福島県以外の自治体の甲状腺検査「単純に比較はできない」 11/10おしどりマコさん講演・南相馬(文字起こし)




FFTV<おしどりマコさん講演>
深刻化する福島の子どもたちの甲状腺がん
(南相馬20ミリ撤回訴訟支援連続セミナー)
2015年11月10日

文字起こし部分のYoutube →https://youtu.be/-j-gbbxZuKY?t=1h3m20s
2015111011


つまり甲状腺に関する問題は、事故直後の線量評価が、実測値がほとんどないこと。
で、その上、今の段階で数十倍に増えているということに関して、疫学者であったり現場の先生方が、
「やはり南方向で少し気になる」と。
福島県を超えてもきになる傾向があるという。
全然違うアプローチから同じ答えを出しているということ。

南方向というのは、さっきの事故直後の1080人の被災者生活支援チームの調査でもあるんですけど、SPEEDIとか諸々の実測値で、「南方向への放射性ヨウ素の濃度の高いプルームが流れている」ということはもうわかっているので、やはり南方向がとても気になるということですね。

1080人の調査でもいわき市の4歳児が最高のマックスの値を出しているということ。
で、これは津田先生がおっしゃっていたんですけど、
南方向への濃いプルームが通った時は、いわき市や福島県内では比較的朝の早い時間だったんですね。
茨城県や東京に流れてくるにつれて、だんだん昼過ぎになっていくわけで、そして人口密度も高くなってきますし。

なので、「発生率は低くても人口密度が高く、そして比較的外に出ている時間帯にプルームが流れてきた方が、患者数としては、ひょっとしたら出てくる罹患者数としては多いかもしれない」ということを津田先生はおっしゃっていましたね。

今すごく取材しているのが、福島県以外の自治体で、どこが甲状腺調査をしていて、どういう結果を出しているのか?というのをずっと今いろいろ調べているんですね。

やっぱり茨城県が一番自治体で検査をしているところが多いです。
これは、北茨城市の今年の市議会を取材してきたんですけど、北茨城市の検査が一番福島県に近い枠組みで、ま、それぞれやり方が違うんですけれども。

茨城県で無料検査をしているのは、北茨城市と東海村と高萩市と、大子町町ですね。
甲状腺検査の助成をしているのは、無料検査じゃないんですけど、「甲状腺検査をするんであれば3000円、もしくは5000円助成をしますよ」という形にしているのが5つありまして、かすみがうら市とつくば市と牛久市と常総市、そして龍ケ崎市。

千葉県では、松戸市と柏市が助成をしていて、
栃木県は日光市と那須町。
宮城県の丸森町では無料検査をしていました。

今年、最近情報公開、結果を出してきたところ、北茨城市や松戸市や柏市に取材をしたんですけれども、結果から言いますと、北茨城市は本当に一番大きな検査をしていて、2011年3月11日に北茨城市にいた18歳以下全ての北茨城市市民に無料検査をしているんですね。

その上、福島県と同じように「甲状腺検査を無料にするから受けるように」という通知も全員に出しています。
そういう大掛かりな検査をしているのは、北茨城市のみです。


で、市議会も行ったんですけれども、1巡目の検査を終わってとりあえずとりまとめを出したんですけれども、2年後にもう一度2巡目の検査をするということを市長は明言をしています。

2巡目の時も市長は任期中ですので、議会の方もそれに異論はないということで、北茨城市はその全員に対する無料の検査を2巡目もするということまで決まっています。

そういう自治体は私が調べた限り、北茨城市だけだと思います。

その他助成をしているところもあるんですけれども、松戸市や柏市もこの間結果を出してきて。
で、しゅざいをしていて「いちばん問題だな」と思ったんですけど、
甲状腺検査の判定のところにA1 A2 B C 。

2015111051

福島県の検査でA1 A2 B C 判定という枠組み。
これは2011年に初めてできたものなんですね。
甲状腺の検査をするにあたってどういうふうな枠組みを作っていくか。
どういうふうな診断基準を作るかを2011年に議論があって決めたんです。
これは私は2011年の検討委員会で当時取材をしていて、この診断基準を作る別の非公開の委員会が行われていました。
なので、それを知らない人が各自治体の担当の中に多いんですね。
このA1 A2 B C というのは、甲状腺外科学会とか、日本の診療ガイドラインに元々あったものではなく、2011年の原発事故の後、福島県の子供38万人に検査をしていくためにどういうふうに分けていくか?という議論の時に作られた枠組みなんです。
福島の38万人の子供達のために作られたものなんです。

なのでこのA1 A2 B C を他の地域の地方自治体が使っているというのは。
そしてこのB判定 C判定が福島県のA1 A2 B C 判定と異なる自治体がいくつかあるんですね。

なので他の自治体がA1 A2 B C という測定結果を出してきたとしても、単純に比較は全然できない状況になっているんです。


で、福島県の検査の枠組みが、細かい枠組みがですね、
このA2 と B判定の間のラインをどうするか?だったんですね。
結節5ミリ以下のう胞20ミリ以下。
結節5.1ミリ以上、のう胞20.1ミリ以上。
ここのラインで区切っていいかどうか?というのが甲状腺の専門医たちの 議論でした。


で、4ミリ3ミリのいわゆる微小がんと言われるのは A2判定になってしまいますので、それでも問題のあるものは、怪しいものはBにするというのもあるんですけど、この結節5ミリというラインが微小がんだった場合どうするの?という議論があったんです。

でも、福島県の検査だと20歳以下は次の検査は2年後、20歳を過ぎたら5年後なので、A1 A2 判定になったとしても、経過観察は続くんですよ。
A1 A2 判定になったとしても2年後、もしくは5年後にずーっとエコー検査をしていくということなので、2年ごとにみるという前提のもとで5ミリ以下、20ミリ以下というラインが決まったんです。

なので、この福島県の枠組みを他の地方自治体がたまたま1回だけ検査をする時につかうと、福島県ではここは経過観察に当たるんですけど、経過観察がひょっとしたら必要になる人がいるかもしれないのに、一回こっきりの検査で「経過観察なし」になってしまうかもしれない、「異常なし」になってしまうという。

福島県の検査A1 A2 B C というのを他の自治体が使っているというので、そういう問題が出てきます。

実際いくつかの自治体の保健所であったり健康増進課の担当の方と話したんですけれども、このA1 A2 B C の枠組みが2011年に福島県で作ったということをご存知ですか?って。
今日も聞いたんですけど、「知りませんでした」と言われました。

「お医者さまがたに任せていて知りませんでした」
「子供の甲状腺のガイドラインだと思っていました」
というふうに答えていました。

なので、各自治体の検査はとてもありがたいですし、どんどんやっていっていただきたいんですけど、でも当地でやっているということで、検査をしても比較するデータに全然なってきていないという現状もあるんですね。

で、各自治体で検査をしている場合、大抵市立病院の小児科の内分泌科の先生がみることになったんですけど、とても嫌がっていて、「そんな検査とても責任を持ってみられない、子供の超音波エコーなんて」というふうに言って断られても「これは匿名で」と、どこの市かは言いませんけど。

なので、「サイズを見ることぐらいだったらできるから、とりあえず結節5ミリ以下のう胞20ミリ以下、このラインを振り分けるということ、一次スクリーニングだけで、怪しいものは全部専門医にまわす」という形の自治体もあるんですね。

なので怪しいものは専門医に回すというのがC判定になっていて、なので、福島県の検査より柏市であったり他の自治体。
柏市であったりというのは人数に対してC判定の割合が多めに出がち
なんです。

千葉県柏市甲状腺検査「173人中、B判定6人とC判定11人で1割になる異常な数字」11/6原子力規制庁前抗議(文字起こし)



福島県はちなみに今、それもちょっと問題あるなと思うんですけど、137人の悪性ないし悪性疑いですけど、いまのところC判定は一人しか出ていないんです。
なのに他の自治体ではC判定が6人とか、結構たくさん出ている自治体もいるので。

なぜそういうことになっているのか?というと、枠組みをそのまま使っていない、考え方が違うから。
とりあえず、自分はあんまり詳しくないから専門医に診てもらって、お願いというのが全部C判定に入っているっていうのが問題点の一つでもあります。



Q:福島県は検査の基準を「こういうことでやる」って全国に知らせたんですか?
A:それもないです。例えば東京でもそうですけど、東京で普通に子供の甲状腺をみてもらって、こういう枠組みの診断はされません。本当に福島の検査のみの枠組みなので、教科書であったり、2011年以降も診療ガイドラインにも別に盛り込まれていません。これは本当に福島県の38万人の子供の検査をするときに作られたもので、その他に流用するというのを考えてなかったんです。
Q:でも流用されている。
A:流用されているんです。
それで流用しているところが、2011年に作られたものだということを理解ぜずに使っている場合もあるんです。



つづく



<甲状腺検査>北茨城市平成26年度の結果 3593人中3人が甲状腺ガン〜「放射線の影響は考えにくい」

<甲状腺検査結果>福島県と福島県以外〜2015年3月31日現在〜A1,A2,B,C

千葉県松戸市の甲状腺検査〜2015年7月末までの結果

千葉県柏市甲状腺検査「173人中、B判定6人とC判定11人で1割になる異常な数字」11/6原子力規制庁前抗議(文字起こし)



4住民の初期被ばく線量評価「まだオープンになっていないデータがある」11/10おしどりマコさん講演・南相馬(文字起こし)



FFTV<おしどりマコさん講演>
深刻化する福島の子どもたちの甲状腺がん
(南相馬20ミリ撤回訴訟支援連続セミナー)
2015年11月10日

文字起こし部分のYoutube →https://youtu.be/-j-gbbxZuKY?t=38m14s

清水先生がおっしゃる。
「福島の原発事故があって、住民の人たちはそんなに被曝していないから」という根拠になっている事故後の住民の方々の線量評価というのは、内部被曝を測っているもの、甲状腺を測っているものはほとんどないんです。

で、本当に福島県飯舘村の方々が2011年の3月4月から「村の子供を10人でいいから測ってくれ」と。
そういうことを本当にあちこちの厚労省、教育委員会などに要望書を出したんですけど。
自分たちでバスを手配して飯舘村の子供を運んでいくから、10人でも20人でもいいから、内部被曝をなんとか測ってくれ、甲状腺を測ってくれ」というのは、どこも聞いてくれませんでした。

甲状腺に影響がある放射線ヨウ素は8日で半分になってしまう。
半減期が8日なので、80日、8日の10倍ですね。
半減期が10回くると、1024分の1になるんです。
なので、どれだけ放射ヨウ素を吸い込んで被曝
をしても、数ヶ月、半年とか経って測っても、一切、その放射線ヨウ素がどれだけ体にダメージを与えたか、ということは測ることができないことを2011年の3月に飯舘村の若い方は気づいて、
「半年後とか1年後に測ってもしょうがないから、3ヶ月以内に村の子供たちを測ってくれ」
「ヨウ素がなくなる前に測ってくれ」ということを要望しまくったんですけど、どこも、本当に測ってくれなかった。

そのあとになって、
「健康被害を評価する住民の内部被曝の事故直後のデータが無いから推計しかできない」と、どこの検討会でも話をしているんですけど。
私は個人的に、本当に彼らと一緒に「頼むから子供の甲状腺を測ってくれ」「内部被曝を測ってくれ」というのをお願いしてまわって、ホールボディーカウンターが当時日本に何台あるのか?稼働率がどこなのか?使っていないホールボディーカウンターがどこの大学にあるのか?ホールボディーカウンターを外国から日本に入れているキャンベラ社の事務所がどこにあるのか?というところまで調べて、
キャンベラ社が西浅草かどこかにあったんですよね。
「申し訳ないけれども、貸してくれないか」とか、
「とにかく村の子供を測ってくれないか」とか、
本当に手当たり次第頼みに行って、どこもダメだったことがあって。

それはやっぱり「事故直後のデータが無いので推計しかできない」と言われることにはすごく腹がたつんです。

で、公的なデータ、そしてシンポジウム、こういう公的なもので、住民の事故直後の数少ない残っているデータというのは3つと言われています。

一つ目は、1080人当時の被災者生活支援という内閣府いわき市と飯舘村と川俣町の子供たちの甲状腺を測った1080人のデータがあります。
2011年の3月24日から夏までに、その三箇所で1080人測ったんですね、それが一つ。

甲状腺から放射性ヨウ素が見つかったニュース
子どもの被ばく検査結果 削除


子ども「甲状腺被ばく」、保護者に説明 と福島の子どもたち 文科省、保安院に会う 



もう一つは弘前大学の床次(眞司)先生が研究室の方々で福島に入って、事故直後の浪江町や南相馬の方々の甲状腺を測ってました
それが二つ目の内部被曝の結果です。

住民65人中50人から放射性ヨウ素を検出、5人が国際基準の50ミリシーベルト超え
甲状腺被ばく…弘前大調査


「不安あおる」と県に止められた甲状腺初期被ばく調査3/11報道ステーション(内容書き出し)



もう一つは長崎大学の松田先生が、事故直後長崎の方に避難してこられた方々をホールボディーカウンターでとったという、その三つが事故直後の内部被曝の実測値として存在していて、いろいろ議論の俎上に上がってくるんですね。

2011年には誰がどこで調べてきているのかっていうのは本当に無かったので、誰か測られた人いないですか?測ってた?みたいだったので、データが出てくる前にほぼすべての人に当たってたんですよね。

まず内閣府、被災者支援チームが測った1080人のデータ

まず長崎大学の松田先生なんですけど、

本当は住民の方々を測ったデータというのは、どの先生がいつどこに入って誰が測ったのか?というのを本当に手当たり次第当たったので、まだオープンになっていないデータってあるんですよ。
でもそれは論文にもなっていないし、発表もされていない。

でも手がかりを探していろいろ情報開示を精査してくださる方もおられて、
これは松田先生が雑誌に投稿している記事の中に出てくるんですけど、

201511107

事故直後、福島県立医大の保育園を訪問して、園児たちや職員の甲状腺線量を測った」という文章があったんですね。
それを見つけてくださった方がいて、これを情報開示請求しました。
これは表に出てきていないデータだったんで。

そうすると、いったん出てきたのが、ちょっと驚愕だったんですよね。
甲状腺検査の測定結果が、「データが保存されている可能性があるハードディスクが故障しているため不開示」だったんです(苦笑)
ドリルで壊したぐらいの、ね。
不開示の理由がなんか、ひどくないですか?
他に訪問しているところもあるでしょ、一箇所っていうことはないでしょ、というので思って、ま、一回目は不開示でした。

これはおかしくないか?コピーが絶対にどこかにあって、「ハードディスクが故障しているから不開示だっていうのはそれはひどいじゃないか」っていう記事を書いたんですね。
そうしたら情報開示請求の方のところにその後連絡を受けました。
「ハードディスクが直りました」という。
すごく、わかりにくい、読みにくいデータだったんですね。
結局、これが何か?どういう意味なのか?わからない。
3月17日に測った」とおっしゃっていました。
3月17日に測ったのがこちらなんですね。

201511108

いまお名前とか全部伏せていて。
で、気になったのは、これね、たぶんミスタイプなんですけど、
「バックグラウンドが高すぎる」というミスタイプを打ったんだと思ったんです。
これ、ミスタイプだからこそ黒塗りじゃなかったと思うんですね。
「位置からいっても低い場所がない」

これで長崎大学の松田先生に直接メールでいろいろ伺いました。
「この資料について教えてほしい」と。
「これはどういう意味なのか」ということを教わりました。

で、この1というのがバックグラウンドだそうです。
当時バックグラウンドが、室内なんですけど、「室内で測定した」とおっしゃっていたんですけど、毎時1マイクロシーベルトだと。
それでこっちが子供達やお母さんの喉にMRIシンチレーションをくっつけて測定した数字なんですけど、ちょと驚いたんですよね。


バックグラウンドが1で、喉が1.5なんですよ。1.15とか、

そんなに差があるということは、結構甲状腺の透過線量が高くないかなって驚いたんです。

なので松田先生に、「これがバックグラウンドでこれが測定値だとすると、かなり差がないですか?」と聞きますと、
松田先生は「測定の考え方として3倍程度は誤差なので、毎時1マイクロだと3マイクロぐらいまでは誤差の範囲内なので、問題はないです」って言われました。

「3マイクロまでは誤差だ」って言われるけれど、それで甲状腺に限らず測定されている方々にね、「これは本当に3倍程度誤差だから問題ないって言っていいのか?」っていろいろ聞いたんですけれども、「すごくセンシティブなデータなので、名前を出して名言することは避けたい」とおっしゃりながら、「3倍ぐらいは誤差という測定機器の考え方はあるけれども、人体の計測に関しては全く別で、もっときちんとした考えがあるので、そのまま当てはめるということ。これはすごく重要なデータなので少し乱暴すぎるのではないか」という意見が、やっぱり多かったですね。

松田先生は、このデータをお持ちなのに何故これを議論の俎上に出してこない?と。
使えないデータだとしても、一応本当に手がかりが何もないという今の状況で、少なくとも、「測定のやり方などいろいろ問題があったにしろ、何か、きちんと補正して使えるようにしてくださる研究者の方もいるんじゃないか」という話をしたんですけれど。

これ、3枚あるんですよ。
3月25日と。
3月25日はバックグラウンドが0.22になっていて、そんなに高い方はおられないんですね。

3月29日
バックグラウンドが0.3で、これももう、バックグラウンド程度なんですよ。

だから一番バックグラウンドと差があったのが3月17日の計測で、
バックグラウンドが1ぐらいで甲状腺調べると1.5というのはとっても差があるんじゃないかと思います。

これは本当に全然出てきていないデータなので。
多分本当にまだ、測っていて外に出てきていないデータというのはあるので、全部データが出揃っている、ただでさえデータが少ないのに、持っている、実際にあるデータすら外に出てきていないというのは本当にひどいよね。

https://youtu.be/-j-gbbxZuKY?t=49m19s
先週末に甲状腺学会があって取材してきたんですけど、
そこで長崎大学の山下俊一先生が「内部被曝のデータも外部被曝のデータもすべて出揃ったのでもう議論の俎上に上がっています」と言っていて、出揃ってないデータがどれだけあるか言ってやろうと思ったぐらいでしたね、あの時ね。

少なくともこれ(長崎大学松田教授のデータ)は出てきていません。


それで、今一応外に出てきているデータが1080人の被災者生活支援チームのデータ、直後に測ったデータと、弘前大学の床次先生と長崎大学松田先生が長崎に来られた方々を測ってくれた。
で、2011年3月24〜30のデータが、まだ公にオープンになる前に物理学者のちらっと一瞬出てきたんですよね。

201511109

2011年3月24日〜30日
測定した順番が、いわき市、飯舘村、川俣町の順番で測定したんですね。
それで私はこの測定したものにちょっと驚いて、何故かというと当時福島県の飯舘村がとても空間線量が高くて、そこに住民の方々が住んでいたので、飯舘村の子供達が一番被曝しているんじゃないかと。
何故飯舘よりいわきの方を先にスクリーニングしたんだ?ということを当時取材しました。

そうすると出てきた回答は「甲状腺に一番影響を与える放射性ヨウ素は、飯舘ではなくいわき、南の方向に高濃度のプルームが一番に流れたので、甲状腺のダメージを測るのは、いわきを一番にするというのが順当だ」と。
「いわきの方が甲状腺の透過線量は高いだろうということで一番にした」と。
その当時1080人の子供たちをスクリーニングした中で、一番線量が高かった子供はいわき市の4歳児の男の子で、甲状腺の透過線量で35mSvでした。
それがMAXの値で。

これで、飯舘村でこの検査を受けたのが、そしてその検査を飯舘村の方面として手伝った方を取材したんですね。
そうすると、「空間線量が、バックグラウンドが高すぎて、測定する場所がない」ということが非常に問題になっていて、で、これは今でもわりと疑問に思っているんですけどね。
6月の段階で出た資料は「全員2マイクロシーベルト/hを超える値は観測されなかった」ということになっているんですよ。
で、その後に出てきた、結果を書いてきたデータは、これが2じゃなくて0.2になっているんですね。

何故2と0.2と数字が違うか?というと、
当初間違えて毎時2マイクロシーベルトというのをスクリーニングレベル、高いか低いかという境界線にしたけれども、それでは高すぎるので、その後0.2に下げたから、公に出ているデータはすべて0.2マイクロシーベルト毎時がスクリーニングレベル、境界線になっているんですけど、その飯舘村の測定を手伝った方に聞くと、当時本当に室内でも2マイクロ以下になるところがなかったので、0.2以下というのは本当に。
2マイクロ以下を探すのが大変だったので、0.2以下というのは有り得たんだろうか?」ということをおっしゃりましたね。

なので、結局スクリーニングレベルが2なのか?0.2なのか?ということを取材したんですよね。
それでこれを発表した先生、東京大学の先生だったんですけど、大塚(孝治)先生に聞いてみようと思って、「結局2だったんですか?0.2だったんですか?」みたいな。

↓写真をクリックするとpdfファイルが開きます
2015111010


記者会見で、この被災者支援チームの測定の回答をしてきた原子力安全委員会が「0.2です」ということをおっしゃるので、なので、じゃあ、この学会で発表された「2マイクロシーベルト/hがスクリーニングレベル」というのは違うんですか?って(原子力安全委員会に)聞くと、
多分、発表された先生がお間違いになったのでは」みたいなことを言われたので、VTRも持っていますよね。
東京大学の先生に電話して、「安全委員会が発表の数字を間違えて『大塚先生が間違えてる』って言っていますよ」みたいなことを、全然ね、東京大学は取材とか受け付けてくれなかったんですけど、「わかりました、じゃあ、伝言を大塚先生に伝えてください。原子力安全委員会が『発表の数字間違えている』って言っていましたよ」って言った2分後にすぐ電話がかかってきて、「いない」って言われたのに。

誰が間違ったって言ってるんですか!あれは確かに2なんですよ!!

東大の先生が間違っているというと、やっぱりすぐに怒って電話がかかってくるから面白いなって。
かかってきました。
確かに2だ」っておっしゃっていました。

「0.2だ」って安全委員会が言っているんですけどってことを言うと、
いやいやあれは確かに実施した、
ま、大塚先生が現場で実際に測られたわけではなく、他のチームがやったものを取りまとめて発表した。物理学者の取り組みとして発表して、実際に測った先生じゃなかったんですけど、何度も確認して。

物理学者が桁数を間違えるっていうのがどういうことかわかってますか!!!」って怒られて。

「そうですね、そうだと思いますよ」みたいな。
「2」だっておっしゃっていました。


それで、この検査の問題は、バックグラウンドが、さっきの松田先生もそうなんですけど、高すぎるんですよね。
飯舘村の方々が検査をして、結局3月に検査をしたんですけど、ずっと検査結果の数字が返ってこなかったんですよ。
なので「それはおかしい」ということで彼らと一緒に「検査結果を返してくれ」「なんで検査結果を返さないんですか?」と質問し続けると、2011年8月に説明会を開いて、甲状腺を測定した方々にその数字を説明して返す、という説明会が開かれました。

それも取材に行ってきたんですけど、そこで言われたことは、
当時の、事故直後の測定はバックグラウンドが高すぎたので、正確な数字ではない」と。

できるだけ部屋の除染をして、子供たちの服を脱がして、そして濡れタオルで拭って、できるだけ付着しているものを取って、3回線量計を喉に近づけて、3回測定して、その平均の値を測定結果とした」と。

「そういう考え方で測定をしたけれども、この検査で、」ま、こういうことを本当におっしゃったんですけど。
「この測定でゼロという値が出たからといって、たまたま、この考え方の測定でゼロという値になったのであって、被ばくしていないということではありません」という説明をされていました。

なので、「兄弟で甲状腺の透過線量が高いか低いかという傾向は、グラフの人数分布はあっているけれど、その人数分布の山が高い方に行くのか、低い方に行くのかはわからない」ということをおっしゃっていましたね。

なのでこの測定結果を持って健康問題は何も説明ができない、評価ができないということをおっしゃっていました。
それが1080人の結果。





https://youtu.be/-j-gbbxZuKY?t=57m35s

それで、弘前大学の床次先生が浪江町と南相馬の方々を測定して、発表したのは最高値の甲状腺の線量が87mSvというとても高いものだったんですよ。

住民65人中50人から放射性ヨウ素を検出、5人が国際基準の50ミリシーベルト超え
甲状腺被ばく:5人が50ミリシーベルト超…弘前大調査


そういう測定結果が発表されたのでちょっと驚いたんですけど、その数ヶ月後に80mSvから30mSvに下方修正されました。

それが、なぜ下方修正したのか?というのがとても疑問だったので、弘前大学の床次先生に甲状腺の評価部会のことを聞きに行きつつ床次論文についても聞いてみようと思って、ずっと聞きたかったことを聞いたんですよ。

なぜ80mSvから30mSvに下方修正したのか?

それは、その被験者が3月12日の被ばくだと。
放射性プルームに接触したのが3月12日だという計算をすると、80mSvになるけれども、3月15日に飯舘方向の北西方向への放射性プルームの濃いものがきて。なので3月15日に初期被ばくをしたという評価をすると、ヨウ素は半減期が8日と短くどんどんどんどん減っていくものなので、12日から15日、たった3日の補正で80mSvから30mSvに下がるんです
という説明をされました。

ほぉ〜、なるほど。「床次先生がそう説明されることは計算済みです」と思いながら。

じゃあ、その80mSvから30mSvに下がった方は、行動記録を詳細に調べて、3月12日のプルームには遭遇せず、15日のプルームに初めて当たったんですか?と聞くと、
そこに関しては床次先生はハッキリおっしゃらないんですよ。

それで、浪江町と南相馬の方々の測定だったので、
「じゃあその3月15日のプルームに初めてあったとおっしゃる方はどちらの方なんですか?」と聞くと、
「南相馬の方」だったんですね。

でも、南相馬の空間線量が一番初めに上がったのは3月12日なんです。
なので、「南相馬の方であれば、3月12日の放射性プルームに初めてあったと評価してもいいんじゃないですか?」とさらに聞くと、床次先生
3月12日に被曝したヨウ素と、3月15日に被曝したヨウ素と分けて測定することはできないんですよ

「そんなことわかってますよ」みたいな感じだったんですよね。
「何を言ってるんだ」みたいな。

端的に言いますと、なぜ床次先生が当初発表した甲状腺の透過線量80mSvのものから30mSvに下方修正したのか?という、私は納得のいく回答はもらえませんでした。

ずーっと「プルームに接触した日にちが」とか、「当初はあまり情報がなかったから」みたいなことをおっしゃるんですけど、「12日のプルームだと思っていたら15日だった」とかおっしゃるんですけど、この時は妙に説明がおかしかったね。

行動記録を詳細にとって何時何分どうこうということで初プルームが15日だったのか?そこまで詰めての話なのか?と聞くと、それはお答えにならない。
「そうではない」ということでしたね。

床次先生も事故直後の測定について、「とても空間線量が高かったから苦労した」というこをおっしゃっておられました。

すごく興味深かったんですけど、その方々を測ったのも、
本当に空間線量が高すぎると喉が高いかどうかって、やっぱり測れないんですね。
周りが高すぎると。
で、ちょっとこれはいい知恵になったなと思って面白かったんですけど。

床次先生が探してなんとか見つけたホテルにスナックがあって、カラオケができるスナックで、防音がものすごくされているスナックだったんですね。
そのホテルはどこも線量が高かったんですけど、カラオケルームだけきちんと二重扉で防音だったから線量が低かったんですって。
「だから、ホテルのカラオケルームが測定するのちちょうどよかったんですよ」っていうことをおっしゃっていて、
「これはちょっとした豆知識だな」と思って、ね、これはびっくりしました。


つづく











3厚労省の報告書に記載「周辺の県の健康調査をフォローアップするべきだ」11/10おしどりマコさん講演・南相馬(文字起こし)



FFTV<おしどりマコさん講演>
深刻化する福島の子どもたちの甲状腺がん
(南相馬20ミリ撤回訴訟支援連続セミナー)
2015年11月10日

201511105

文字起こし部分のYoutube →https://youtu.be/-j-gbbxZuKY?t=28m28s
6月にオープンになったのは、厚労省の家計費事業の報告書なんですね。
「食品安全行政における政策立案と政策評価手法等に関する研究」
一見すると原発事故の雰囲気とか全然ないんです。全然ないんですよね、中身もね。
目次にも一切書かれていないんですよ、甲状腺癌のことが入っていることは。
でも、巻末のほうに入ってまして、

福島県甲状腺がんの発生に関する疫学的検討」という報告書が盛り込まれています。

(P53〜)↓クリックするとpdfが開きます。
201511104

これは渋谷健司 先生、東京大学の先生ですね。
すごく簡単に言いますと、先ほど説明した甲状腺評価部会、検討委員会の中で子供の甲状腺の超音波検査について評価する評価部会の中で、岡山大学の津田先生、疫学者として津田先生は県の検査や人数に対して別の考え方を持ってらっしゃるから、評価部会に読んでお話を聞いてはどうか?ということを春日(文子 )先生が提案されたんですけれども、実際それは実らなかったんですね。

評価部会のほうに津田先生を呼んで話を聞くということは成立しなかったので、その代わりといったような疫学検討会が行われました。

渋谷先生と春日先生、そして津金昌一郎 先生、先ほど数十倍のオーダーで多いという資料を出された方ですね。
国立がんセンターのセンター長です。
この3人が甲状腺評価部会の委員なんですね。

で、宮川(昭二)先生が名前を連ねていますけれど、いらっしゃらなかったです。
そこに岡山大学の津田(敏秀)先生。
先日海外特派員協会で会見された津田先生ですね。

津田教授の海外特派員協会での会見文字起こし
<甲状腺癌>「日本全国と比べ最も高いところで約50倍、低いところでも20倍の多発が起こっている」津田敏秀教授会見10/8(文字起こし)

<質疑応答>「福島県に住み続けなければならない人に詳細な情報を与えることで有害な曝露は桁違いに少なくなる」津田敏秀教授会見10/8(文字起こし)



熊谷(優子)さんはオブザーバー的な書記みたいなことをされていたということでした。

この検討会は3人の評価部会の委員の先生が、疫学をやってられる方々と、考え方の違う岡山大学の津田先生と同じ疫学の先生が福島の子供の甲状腺癌について意見を交わし合った要旨が書かれているんですね。

201511105

これは私はすごく驚いたんですけど、結局この後に岡山大学の津田先生に取材に行きまして、
「津金先生、渋谷先生、甲状腺評価部会の委員の側の疫学者の方々と、岡山大学の津田先生の意見が反するものではなかった」
と。
「やはりスクリーニング効果だけでは説明がつかない。やっぱり多いんじゃないか」というのが共通の見解だったそうなんですね。

私はこの報告書を見て驚いたんですけど、ここで度々文章に上がってくるのは、福島県だけじゃなくて、
福島県と周辺の県については、がん登録を推進し、がん登録と県民手帳(被ばく者手帳)を組み合わせフォローアップする必要があること」などなど、周辺県についての調査もこの報告書の中で度々文章としてあがっているというのが驚きました。

ここの報告書の中にも出てくるんですけど、「周辺の県、特に茨城県」というふうに県名があがっています。

で、津田先生に「茨城県はフォローアップが必要なんでしょうか?」と質問しますと、
津田先生の現場では、福島県の中で地域別に子どもの甲状腺がんの発生オッズ比というものを計算しますと、原発の南方向の方が発生オッズが高めだそうです。

なので、「南と接している県の茨城県、栃木県などをもう少しフォローアップする必要があるんじゃないか」ということをおっしゃっていました。

津田先生は「発生オッズ比というのを計算しないとダメなんだ。福島県ではパーセンテージだけを出して見ていて、パーセンテージを出してもダメなんだ」ということをおっしゃっていました。


一応この報告書が出たんですけれども、まあ本当に、表紙を出してもらえますか。


これは、周辺の県について初めて言及した、「周辺の県の健康調査をフォローアップするべきだ」という件で厚労省の科研費(厚生労働科学研究費補助金)事業、割と公のものとして出てきたとりまとめとして初めてものもじゃないかと思うんですけど、なんていうんでしょうね、
タイトルが「食品安全行政における政策立案と政策評価手法等に関する研究」なので、普通にGoogle検索なんかしても絶対に出てこないんです。
この文言を入れないと。
なので、これは私も今年はすごく注目しました。

201511106

茨城県についてなんですけど、清水一雄先生、甲状腺評価部会の部会長。
病院に取材に行った時に清水先生と積もる話をして、
福島県外での子供の甲状腺がんについて、私も取材をしていて聞きますので、清水先生に「そういう話はありませんか?」と。
「私は結構聞きます」みたいな話をしてたんですね。

やはり清水先生も、関東で甲状腺の専門医として長年にゃってらっしゃいますので、やはり「同じ業界の先生から聞く」と。
デイズ(DAYS JAPAN 7月号)にも書いているんですけれども、同業の医者と話していてやはり、「茨城県の県北はとても気になる」ということを清水先生はおっしゃっていました。

このあと各自治体の調査についての話もしようと思うんですけど、

この間北茨城市が、8月末に、北茨城市の子供の甲状腺癌を調査して、「3500人程度調査をして3人悪性な石悪性疑いが出た」ということの発表があったんですけれども。

<甲状腺検査>北茨城市平成26年度の結果 3593人中3人が甲状腺ガン〜「放射線の影響は考えにくい」



それ以外にも本当に、公の調査ではなく、茨城県の県北はちらほらと去年から甲状腺癌を聞きますので、「県北のフォロおーアップが必要じゃないか」ということをおっしゃっていました。

あと、千葉県の汚染されている辺りだったり、その辺も行くということをおっしゃっていましたね。

なので清水先生自体、「福島県だけでなく周辺の県のフォローアップも必要じゃないか」ということを現場の医師の立場からおっしゃっていました。

それで、福島県で38万人調査をして138人甲状腺の悪性ないし悪性疑いが子供達から出て、もし本当に潜在的にこの割合で摘出しないといけないサイズの甲状腺癌が子供達にあるのなら、それは本当に東京だったり他の地域だったり潜在的にいるとしたら、トータル、かなり日本で沢山の人数になってきますので、これはちょっと大変なことなんじゃないですかと。
他の地域ではどうなんでしょうか?ということもこの時に聞いたんですけど、それは清水先生も同感だと。
なので清水先生も一度福島県と同じような、かなり大規模な検査を他の地域でも、非汚染地域でもやって、それで、本当に潜在的な割合かどうか見るべきじゃないかということを何度か提案されておられました。

でも「それは負担になるからダメだ」というふうに言われて。

環境省の方で3箇所、500人ずつ程度長崎県と山梨県、青森県、3箇所でやっているんですけど、それはやはり、悪性ないし悪性疑いが何人かの検査をしている検査ではないことと、子供の甲状腺癌をみている時間が、福島県の検査と他の地域とかなり時間の長さが違うんですね。

福島県のエコー検査は、沢山人数がいますので短いので、なかなか丹念にみるものではないんですけれども、やはり人数が少ない検査だと、一人15分から20分かけるんです。
福島県の甲状腺検査は5分程度だったりするので、エコーでみる時間も結構関わってくるんじゃないかとおっしゃってますね。



それで、疫学の先生と現場で実際に甲状腺をみられている先生が、「ちょっと多いんじゃないか」と。
福島だけでなく周辺県もみなくちゃいけないんじゃないか」ということを今年、公的な報告書で出てきているということは、本当にずっと取材してきて、今年の流れとしてびっくりしたことですね。






つづく

2清水一雄先生「A1・A2判定から摘出するサイズの癌がどんどん見つかっている事にかなり驚いた」11/10おしどりマコさん講演・南相馬(文字起こし)




文字起こし部分のYoutube →https://youtu.be/-j-gbbxZuKY?t=19m49s

で、これが今年の5月に出まして、これが第19回なんですね。
第20日位の検討委員会が8月にありました。
このとりまとめを受けて、じゃあ検討委員会がどう動くか?ということだったんですけれども、

清水一雄先生の写真
201511103

で、この清水先生は、個人的に割と以前から取材していまして、清水先生は日本医科大の甲状腺の外科専門医の先生なんですけど、ボランティアで1999年からチェルノブイリ原発事故後現地に通って甲状腺の手術を、子供たちの手術をボランティアで毎年されている方なんですね。

なので、原発事故があって、甲状腺が問題になってきて、清水先生のお話を伺いに行ったほうがいいんじゃないかと思って日医大に行ったりしたことがあったんです。
なので、環境省とか福島県の委員になる前に清水先生の話を聞きに行っていたんですね。

清水先生は去年まで、「福島の原発事故で絶対に健康被害は出ない」と。
「健康に影響を与えるような線量じゃないから」ということを去年までおっしゃっていたんです。
で、すっと話をしていて、漫画のスピリッツの美味しんぼの鼻血の問題だとかこれはひどいとずっとおっしゃっていて、「絶対に健康被害は起きない」とおっしゃっていた清水先生が、少し今年、こう、なんとなく雰囲気と考え方が変わられて、病院にお話を伺いに行った時はこうおっしゃっていました。
出てきたデータを素直に受け止めて、今できることを全力でしなければいけない」ということをおっしゃっていました。

私は以前から話を伺っていたんで、
清水先生、でも昨年までは『全く健康に問題はない』とおっしゃっていましたよね?」とこの時に聞いたんですよ。
そうすると、
チェルノブイリに通った経験から子供達の甲状腺癌が増えている状況というのは、住民の方々が200ミリとか300ミリシーベルトを被ばくするような状況だからこそ健康影響が出たけど、福島の原発事故の後はそれほど高線量被ばくする住民の方々はおられなかったから、だから『健康に影響はない』と考えていた」と。

でも、今年本当に甲状腺評価学会とか、いろいろ風向きが変わってきたこと、考え方も変わってきた新しく出てきたデータというのは、検査をして100人を超える子供の甲状腺癌がどんどん見つかっていることと、健康調査で1巡目の検査が終わった後、2巡目の検査、2〜3年後にする本格検査の時に、1回目にA1判定とかA2判定とか。
甲状腺を見て何にものう胞も結節もなかった子供、それがA1判定なんですね。
そのA1判定だった子供が2〜3年後の検査で、もう10人悪性ないしは悪性疑いという診断がついているんですね。

甲状腺に何もない、のう胞も結節も何にもなかった子供が、2〜3年後に摘出しないといけないサイズの腫瘍になっているというのは、ありえるんですか?ってこの時に聞いたんですけど。
そうすると清水先生は「それは聞いたことがないと。
何十年も甲状腺の専門医をしているけれども、2〜3年で摘出するサイズのガン、甲状腺癌ができるというのは、自分は知らない」と。
「あり得るのかもしれないけれど、少なくとも自分は知らない」とおっしゃっていました。

「甲状腺癌はとても進行が遅いので、見つけて手術をしても転移が早いとかそういうものではないから大丈夫だ」という説明が繰り返されていたんですけど、今回本当に2巡目の検査でA1判定、A2判定、以前では問題なしとされていたグループから、どんどん摘出するサイズのものが見つかっているということが、清水先生は「かなり驚いた」ということをおっしゃっていました。

それで、今年の6月にお話を伺った時にかなり驚いたんですけれども。
なので、清水先生は、自分が福島の原発事故で多分住民の方々が大丈夫だと思っていたその根拠は「被ばく線量がみんな低かったからだ」と思っていたけれども、自分は線量の専門家ではないので、その報告すらきちんと評価し直さなければならないかもしれないと。
その「住民の方があまり被ばくしていないという、その報告書、とりまとめこそきちんともう一度精査したほうがいいのかもしれない」ということをおっしゃっていました。

あと、チェルノブイリでは4〜5年後から子供の甲状腺癌が増えたので、因果関係が、原発事故と子供の甲状腺癌にあるということを言っていて、
「原発事故があって4〜5年後から増える子供の甲状腺癌が原発事故の影響だ」ということに今まで、ま、今もですが、なっているので、今見つかる、「4〜5年より前に見つかる子供の甲状腺癌は原発事故と関係ない」という論拠の一つになっているんです。
もう、それ自体清水先生は疑ってらして。


チェルノブイリで原発事故があった時に、世界中の誰一人、子供の甲状腺癌が増えるということは知らなかったということ。
自分も当時も専門医だったけど、原発事故があって甲状腺癌が増えるなんて、子供の甲状腺癌が増えるなんて、因果関係がその後認められるなんて思いも至らなかったと。
なので、チェルノブイリの原発事故があって、当時どのように甲状腺検査をしていたかをもう一度疫学者がきちんと調査するべきだと。
『原発事故があって4〜5年後から子供の甲状腺癌が増える』というそのコンセンサス自体、きちんともう一度評価しなければいけない。疫学者が評価するべきではないか」ということをおっしゃっていましたね。

かなり本当に、この6月のインタビューではすごく突っ込んだことをおっしゃってらして、驚きました。
なので、甲状腺評価部会の部会長として、中間とりまとめに他の委員と混じって様々なものが盛り込まれたんですけれども、そのとりまとめに、もう一度線量評価をきちんとしなおすべきじゃないか、ということも入ってますんで。

その後の第20回の検討委員会で出てきたものは住民の方々の線量評価のプロジェクトだったんですけれども、
それは県が発案して、「今後こういうオーダーが出てきたので線量評価をやっていきます」みたいなことがあったんですよ。
第20回の検討委員会の議論では、それをまた、誰が、どういう考え方で、どの研究者が線量評価をしているのか?と。
または、福島県が福島県立医科大に委託事業としてやっていくだけだったら、他の日本の研究者であったり、世界の研究者であったり、そういう世界の指針が入らないので、県立医科大主体でやること自体、少し枠組みを変えたほうがいいんじゃないか。
というのが第20回の議論で上がりました。

それで、どうやって線量評価をしていくか?っていうのが、かなりいろんな意見が出て全然まとまらなかったんですね。

「このままやっちゃだめだ」とか、「もっと枠組みから話し合って決めるべきだ」とか、いろんな議論があって、最終的に第20回面白かったね。
第20回の検討委員会では、星座長が、星(北斗)先生という方が座長なんですけど、
「20回やってきて、今日は初めて議論らしい議論ができましたね」
いやいや、初めてじゃダメだろうってね。
ちょっと衝撃的でした。

それが今の検討委員会、福島県の表に出てきている状況の話ですね。




つづく


1子供達の甲状腺がん「多いです、確かに多いです」11/10おしどりマコさん講演・南相馬(文字起こし)



FFTV<おしどりマコさん講演>
深刻化する福島の子どもたちの甲状腺がん
(南相馬20ミリ撤回訴訟支援連続セミナー)
2015年11月10日



県民健康調査概要説明 満田
https://youtu.be/-j-gbbxZuKY?t=2m26s

現在の甲状腺癌 おしどりマコ
https://youtu.be/-j-gbbxZuKY?t=8m28s

201511101

今日はみなさん原発事故や甲状腺にすごく興味をお持ちの方だということで、本当にすごく今日はマニアックな、ものすごく専門的な話をしようかと思います。
先ほどザーッと説明をしていただいたんですけど、2011年から福島県の健康調査検討委員会をずっと取材しているんですけれども、放射線問題、ま、健康調査について。
2011年のオープンになってから、第4回からオープンになったんですけど、そこから取材していますと、やはり今年の第19回の検討委員会から少し雰囲気が変わってきた、風向きが変わってきたように思います。

検討委員会の中で、2011年3月11日、原発事故発災当時に福島県内にいる18歳以下の県民すべて、対象38万人に甲状腺の超音波エコーをする甲状腺検査、小児甲状腺検査が、50人を超えた段階で、甲状腺に関するものは検討委員会だけではなく、専門の人間が集まって部会を作ろうということで、甲状腺評価部会というのが立ち上がりました。

その甲状腺評価部会が、今年第6回で一旦中間とりまとめを出したんですね。
それが出てきたときから、なんか、風向きというか、雰囲気が変わってきたんです。

それは100人を超えてきた時点で。
しかし去年までは厚労省、環境省、原子力規制庁の住民の健康問題検討会では、100人を超えた甲状腺癌が出てきても「スクリーニング効果だ」と。
高性能の機械でたくさんの人数の検査をしてしまったから「見つけてしまったんだ」ということが去年までずっと言われてきました。

それは環境省の中間とりまとめでも「スクリーニング効果だ」と「原発事故の影響によるものじゃない」というようなことが書かれています。

しかし、第6回の甲状腺評価学会が3月にあって、そこの中間とりまとめ”案”の段階では、ほぼそういう、「検査を継続するように」というようなことだったんですが、今までにあちこちから出ているとりまとめと何も趣旨は変わら来ことが書かれていたんですね。

でもこの中間とりまとめ”案”が、今年の8月の検討委員回に正式なものとして出されてきたときに、一文が加わったんです。
それが、さっきご紹介していただいた、
「我が国の地域がん登録で把握されている甲状腺癌の罹患統計などから推定される有病数に比べて、」ここが本当に重要なんですけれども、すごくここが。
数十倍のオーダーで多い」と。
この一文が、”案”には無かったものが入っていたんですね。

で、これが出てきてから、第19回では「これが本当なのか?」ということが、甲状腺評価部会以外の委員からたくさん質問が出ました。
他の専門家は「高性能の機械でたくさん検査したから出てきたものだ」と。
「全然多くはない」と。
「潜在的にもともといる割合なので特に多くはない」という専門家もいるが、どうなのか?
ということが委員からたくさん出たんですけど、甲状腺評価部会会長清水一雄 先生、そして国立がんセンターの津金昌一郎先生が「多いです、確かに多いです」「あ、多い、多い」って、「多い」って何回言うんだろう?って言ってたんですよね。

これは津金昌一郎先生ですね。
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で、この中間とりまとめが今年出てきましたので、評価部会を取材している身としましては、急に入ってきたので驚いた、いつこれが盛り込まれたのか?どういう考えで盛り込まれたのか?確認しに清水先生や津金先生のところに取材に行きました。

そのあと病院いうか勝手取材時間を取っていただいたんですけど。
ちなみに「数十倍のオーダーで多い」という中身は、昨年の11月の第4回甲状腺評価部会のときに国立がんセンターセンター長の津金昌一郎先生が計算して出してきたものなんですね。

当時の第4回では、「国立がんセンターが持つがん登録のデータを使って、いろいろな研究者が子供の甲状腺癌が100倍に増えたとか、1000倍に増えたとか、とてつもない数字を出している。
国立がんセンターのがん登録の数字を使って計算をしている以上、うちが責任を持ってきちんと計算をしなければいけないと思って計算してきました」
というお話で資料を出されました。

2001年から2010年のがん罹患率、これは全国推定値なんですけれども。
それに基づいて福島県において18歳までに臨床診断される甲状腺癌は2.1人だと。
これは資料のいちばん後半の方のまとめに出てくるんですけれども、
2010年時点で、「原発事故前福島県において18歳までに臨床診断されている甲状腺癌はおそらく2.1人ほどの人数だろう」ということを計算されたんですね。

去年の11月、この資料を出した当時、ま、日本もまだそんなに上がっていないんですけど。
その検査対象者が38万人のうち80%程度の甲状腺検査が終わったということで、この2.1人がそのまま振られるのではなく、2.1人の80%ということでこれを8掛けして1.7人。
「これが比較する数字だ」ということで、去年の11月、この資料の当時では先行調査、一巡目の調査では104人が甲状腺癌悪性ないし悪性疑いという診断でしたので、「104人と1.7人を比較して61倍だ」という資料が去年の11月に出ました。


ご存知の通り、この104人という数字は今どんどん上がっていますし、そして、ここの2.1人という数字自体推定値ですので、ここの数字の正確性もそんなに、絶対値ではないということで、「数十倍ということに丸めた」ということでした。

ここ(事故前の罹患数)がもっとたくさんになることもないだろうし、100人を超えたあたりで数十倍だろうということを津金先生は話しておられました。

スクリーニング効果についてもがんセンターの津金昌一郎先生と、岡山大学の津田先生。
この間海外特派員協会で甲状腺癌に関する論文の会見をされていましたけれども、

津田教授の海外特派員協会での会見文字起こし
<甲状腺癌>「日本全国と比べ最も高いところで約50倍、低いところでも20倍の多発が起こっている」津田敏秀教授会見10/8(文字起こし)

<質疑応答>「福島県に住み続けなければならない人に詳細な情報を与えることで有害な曝露は桁違いに少なくなる」津田敏秀教授会見10/8(文字起こし)


疫学者のお二人にスクリーニング効果について、色々と教わったんですね。

確かに、高性能の機械でたくさんの被験者を検査すると、潜在的な疾患を見つけてしまいます。
スクリーニング効果自体は確実にあります。
で、ここからが肝心なんですけど、
スクリーニング効果というのは、もともと疫学の中では、たくさん論文も出ていて、教科書にも載っているレベルのよくある話で。
でも、スクリーニング効果で見つかるのはだいたい2倍から6倍、多くても10倍ぐらいだそうですね。
つまり、2.1人が4.2人とか。
10倍ぐらいになることはあっても、100人を超えることは「スクリーニング効果だけでは説明できない」ということが津金先生、津田先生、疫学者としての共通のご意見でした。

スクリーニング効果だけでは100人は確実に超えない。

問題は、津田先生もおっしゃっておられましたけれども、「スクリーニング効果だ」と主張される、この間の学会でも山下俊一先生だとか、県立医科大学の鈴木眞一先生とか、環境省でずっとスクリーニング効果に触れるとおっしゃっていたのは今県立医科大学にいる丹羽太貫(にわおおつら)先生ですけど、その先生方ご自身がスクリーニング効果の論文を一本も読んでいないんですね。

福島県立医科大学 丹羽 太貫.(ニワ オオツラ)
<完全に常軌を逸する行動>福島県立医科大学丹羽太貫「うるさいから黙れよ、お前!」環境省専門家会議11/26 OPTV(文字起こし)

3.「やはり、線量が低いと癌出ません!それは厳然たる事実です」丹羽太貫(福島県立医科大学)6/26第7回 健康管理のあり方に関する専門家会議(文字起こし)



だから「スクリーニング効果で何倍程度増えるか」ということを理解されておらずに「スクリーニング効果で増える」とおっしゃっていることは問題だと。
これは岡山大学の津田先生がおっしゃっていました。

津田先生がね、去年の環境省のあり方会議でものすごく口げんかみたいになった時におっしゃってますよね。
ぶら下がりで全部口げんかをね、動画を撮ってましたから。

津田先生が「丹羽先生、スクリーニング効果の本を何本読んだんですか?」
丹羽太貫「一本も読んでませんよ!」みたいな。
「せめて一本ぐらい読んでから話をしてくださいよ」おっしゃってましたね。

それはすごい問題だと思います。

今年の8月のこのまとめが出た段階では、、これが「数十倍のオーダーで多い」という根拠で、それが今年の5月に出てきたんですけれども、「これはスクリーニング効果だけでは説明ができない」と。「過剰診断の可能性がある」というふうになっているんですけれども。

その「過剰診断」と「スクリーニング効果」すごく翻弄されやすいんですけど、

スクリーニング効果」というのは、さっき説明したみたいに、たくさんの人数を高性能の機械でパッとみてしまう。
なので、数年後に診断されるはずの疾患を先に見つけてしまうという考え方なんですね。
つまり「早期発見」なんですよ。
数年後に見つけるはずのものを「早期発見」、2〜3年前に見つけてしまう。

過剰診断」は「早期発見」でもなくて、本来診断をしなくてよかった、病名をつけなくてよかったものを診断してしまうものは「過剰診断」なんです。

例えば、ほくろが出来てそれがひょっとしたら皮膚癌になるかもしれない、でも死ぬまで皮膚癌にはならなくてただのほくろのままかもしれない。
なのでこれは「ほくろの段階では皮膚癌の前段階で病名をつけてしまうのは過剰診断だ」というのが「過剰診断」なんです。
「早期発見」ではない。

で、「過剰診断」ということで言われているんですけれども、これは県立医科大の鈴木眞一先生が、直接甲状腺検査をしている専門医の先生方が「過剰診断ではない」と。
「悪性ないし悪性疑い」と診断した子供たちは、肺に転移をしていたり、リンパ転移をしていたり、サイズが大きかったり、気管や反回(はんかい)神経に近かったり、大人であっても手術するのに妥当な症例だということで、「過剰診断ではない」ということは、甲状腺を直接見られている現場のお医者様がおっしゃっています。

過剰診断じゃない!
<リンパ節転移>鈴木眞一「 病理組織学的に取ったものからみると、少なくても50% 多い施設では70%以上見つかります」6/10甲状腺評価部会(文字起こし)
明らかに肺に遠隔転移があるとか、リンパ節転移があるとか、明らかに悪性度が高いものや場所の悪いものだけを選んで細胞診をして、手術になっている





つづく