「GAIA」…それは息づく大きな生命体。
混沌の時代にも希望を見いだし再生を果たして未来へ向かう。
そこにきっと夜明けがやってくる。
飲食店がしのぎを削るこの地に店を構える大漁市場なるみ乃。
グルメ雑誌などで高い評価を得ている人気店です。
絶賛する客の目の前には大きな生け簀が。
大都会のど真ん中で活きのいい魚が泳いでいます。
注文が入ると生け簀から取り出しすぐ料理に。
こうして食べる直前まで生きていた魚は活魚と呼ばれています。
大分県の高級魚関サバの造り。
サバは傷みが早い魚ですがこれは鮮度抜群。
半身で3,580円と決して安くはありませんが…。
同じ形態の店を福岡に2店舗持つ去年11月東京に初進出を果たしました。
おっこのトラックでしょうか?曲がり切れるでしょうか?お〜。
この大きなトラックがですね魚を生きたまま運ぶための装置を備えているということなんですけど。
うわ〜でかいでかいでかい。
どうもこんにちは。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします鳴海です。
鳴海さんですか。
よろしくお願いします。
福岡ナンバーのトラックですけど今日はどちらから?今日はどのくらい自走してきてるんですか?なるほどお〜!いやでかいトラックですね。
うわうわ…。
1回酸素止めて魚を見ます。
もちろん海水ですよね?これ。
そうですね海水ですね。
何の魚がいるんですか?うわっホントだ。
すごいじゃないですか!うわ〜!もう新鮮なんてもんじゃないですね。
海から揚げたばかりの魚みたいな。
こちらまた違う魚ですか?こっち入ってます。
気をつけてください。
うわ〜すごい色もきれいだね。
これまたすげえな。
なんか潮のにおいがして船の上にいるみたいな気分になってきますね。
うお〜。
すげえ!すごいかかるんです。
うわうわ…。
こんな感じで。
今釣りたてみたいな感じですねこれ。
全然ダメージないんですね。
色といい…。
傷も入ってなく。
は〜ありがとうございます。
すごい!うわ〜。
見てみましょうか。
先ほどのカワハギですか?これ。
ホントだ。
これ何匹くらい入ってるんですか?今。
海の天然の水を入れるわけなんですか。
いくらくらいするんですか?これは。
ですよね。
それくらいかかるシステムですよね。
この活魚っていうんですか新鮮な魚を運ぶという…。
喜んでくれる方がいるという…。
そうですね。
新鮮なほどおいしいですもんね魚はね。
鳴海さんの会社のトラックが到着しました。
向かったのは築地でも特別な場所。
鳴海さんの会社では自分の店だけでなくこうして築地にも活魚を卸しています。
魚離れが進んでいるといわれるなか活魚は料亭や寿司屋などに根強い人気があります。
しかし生け簀を見ると輸送中に弱ってしまった魚が…。
これでは売り物になりません。
時には全滅に近いことも…。
活魚の輸送にはこうした大きなリスクが伴います。
鳴海さんの活魚の仕入れ拠点です。
そこに一人の男性がやってきました。
こんにちは。
こんにちは。
どうも。
久木野さんは活魚を輸送するまったく新しい技術を提案しに来たのです。
鳴海さんに見せたのは魚の映像。
横たわったままピクリとも動いていません。
このように普通に泳ぎだします。
まったく動かなかった魚が突然起き上がりました。
これを利用して新鮮なものを新鮮なまま消費者に届ける新しい運び方。
その挑戦を追いました。
外国人観光客を魅了する日本の果物。
未知の市場へ老舗が動きだす。
魚を眠らせる新しい方法で長崎から東京へ大移動。
それはトラブルの連続だった。
輸出の常識を覆す魔法のような技術。
日本の味と技で世界をうならせろ。
海沿いのこの建物に本社を置くベンチャー企業があります。
社員は7人。
3年前活魚を世界中に届けることを目的に設立されました。
社内の実験室にいたのは…。
休日を利用しこの会社に技術の提供をしています。
魚が泳ぐ水槽の横にはホースが入っている別の水槽が。
こういうのを使えば実際にホースがつながれた水槽に移されたのは高級魚のしばらく元気に泳いでいましたが…。
突然動かなくなり腹を上に向けてしまいました。
よく見るとエラは動いています。
この状態の魚をもとの水槽に戻します。
こちらは普通の海水が入っているだけ。
数分後。
目が覚めて動き出しました。
しばらくすると元どおりに泳ぎ出したのです。
いったいどうなってるのか?その仕組みは…。
ホースが入った水槽には高い濃度のCO二酸化炭素が溶けています。
そこに魚を入れると麻酔作用で眠ります。
このとき酸欠を防ぐため酸素をナノバブルと呼ばれる小さな泡にして水中に出すと魚が死ぬことなく眠ったままの状態を維持できるのです。
目を覚ますには普通の海水に入れるだけ。
今までにない技術です。
これまでの運び方だと魚どうしがぶつかったり老廃物で海水が汚れます。
そのため積載量の1割程度しか運べませんでした。
一方魚を眠らせればぶつかることはなくなり老廃物も少なくなります。
この時期旬を迎えるイサキが水揚げされていました。
ここは一本釣りのイサキをブランド化したことで知られる漁協です。
そこに久木野さんがやってきました。
漁協の職員の他ここに魚を卸している漁師が話を聞いてくれることに。
漁師の不思議そうな顔で見ていたのはあの眠った魚の映像です。
久木野さん魚を長時間眠らせて輸送する実証実験を考えていたのです。
輸送中他の魚や壁にぶつかるとすぐ死んでしまうというイサキ。
久木野さんは実験にあえてそのイサキを使うといいます。
漁師の山添さん。
眠らせて運ぶ技術に興味を持ったのには理由がありました。
この日は潮の流れが悪いのか夜通し漁を続けましたがほとんど当たりが来ません。
結局9匹しか釣れませんでした。
船の維持費などを考えると完全に赤字です。
港から程近くにある山添さんの家。
奥さんと2人暮らし。
3人いる子供は漁師の道を選びませんでした。
見せてくれたのは1週間の収入が記された漁協からの明細書。
13万6,000円です。
燃料代やエサ代などを引くと漁に出られないときもあり収入がゼロになることもあります。
全国の年々生活が厳しくなっています。
マリンバイオテクノロジー。
実証実験で使うコンテナ作りが始まっていました。
世界初の装置。
さまざまなメーカーから部品をかき集め一つひとつ久木野さん自ら手作業で組み立てていきます。
ゴールデンウイークをすべて費やし泊まり込みでの作業です。
実は久木野さん報酬は受け取っていません。
そこまでしてなぜ?食事のあとはまた作業。
深夜まで続きました。
マリンバイオテクノロジーに大きなトラックがやってきました。
いよいよ実証実験の日です。
トラックを手配してくれたのはあの鳴海さん。
実験にも駆けつけてくれました。
コンテナには酸素ナノバブルが入った海水が。
しっかりと蓋を閉めます。
実験はまず長崎の大瀬戸町漁協で魚を調達。
その後東京・銀座のなるみ乃を目指します。
移動距離およそ1200キロ。
鳴海さんこの技術に期待していました。
また自分らの…。
まずは長崎の漁港を目指します。
ところが…。
トラックの荷台から海水が漏れていました。
すぐにトラックを止めコンテナに駆けつけます。
水槽を見るといっぱいだったはずの海水がずいぶん減っていました。
これは走行中の映像。
蓋が浮いて大量の海水が漏れ出ています。
このままでは実験ができません。
久木野さんいきなりのピンチです。
急遽木材を調達し蓋を固定することにしました。
結局長崎の大瀬戸町漁協についたのは約束から5時間が過ぎた夜9時。
それでも漁協の職員は20匹のイサキを用意して待っていてくれました。
まず二酸化炭素が入った水槽に魚を入れ一気に眠らせます。
しばらくすると次々とイサキが浮いてきました。
衝撃に弱いというイサキ。
これをトラックにあるコンテナへと移します。
今のところ海水漏れはありません。
東京までの間眠っている状態を保てるのか?移動距離およそ1,200キロ。
実験が始まりました。
魚を眠らせて鮮度を保つ新しい技術。
長崎から東京まで運ぶ実証実験が行われていました。
出発から17時間後。
東京・銀座にある生け簀料理のなるみ乃に到着しました。
せ〜の。
実験を指揮するはい。
衝撃に弱いといわれるイサキは眠ったままのようです。
あとは通常の海水に入れて目が覚めれば実験は成功です。
果たして…。
早くもイサキが動き出しました。
久木野さんにようやく笑顔が。
こうなると次に気になるのが魚の味です。
食べてみます。
活魚を扱うプロは…。
いつもと変わらない。
久木野さん今後も実験を重ねコンテナの実用化を目指します。
実証実験から5か月後。
久木野さんのもとに大きなトラックがやってきました。
積まれていたのは…。
航空貨物用のコンテナ。
そこには日本航空のマークが。
実験の成果を聞きつけた日本航空が飛行機で実用化できないかと持ちかけてきたのです。
世界の裏側に届けるという久木野さんの夢が実現へ一歩近づきました。
一方こちらは8月桃がたわわに実っていました。
ここ中込農園には桃狩りを楽しむ大勢の客が。
なかにはシンガポールからの観光客も。
グッド!こちらはロシアからやってきた女性。
桃がなっているのを見るのも初めてです。
果樹園は外国人観光客の隠れた人気スポットになっているのです。
日本の豊富な果物。
その甘みやみずみずしさに驚く外国人の観光客は多いといいます。
こちらにあるのは日本から海外に輸出している主な果物の種類です。
リンゴナシブドウなんかも輸出されてるんですね。
これらの果物はどのあたりへ輸出されているのでしょうか?主な国や地域はこちらです。
1位は台湾。
全体のおよそ64%を占めています。
2位が香港。
3位が中国。
この上位3つで全体の9割以上にのぼります。
つまり日本の果物はごく周辺にしか出回っていないのが現状です。
その理由はというと例えば日本からヨーロッパへ輸出する場合船で運ぶとひと月半ほどかかります。
果物の鮮度を保つのはかなり難しい状況です。
一方飛行機で運ぶと出荷して現地の店に並ぶまで早ければ5日です。
これなら鮮度は保てますがコストは船の3倍以上となり採算が合いません。
こうした事情もあって日本からヨーロッパへは果物がほとんど輸出されていないそうです。
こうした課題があるなかある老舗が日本の技術を使って果物をヨーロッパへ届けようと動き出していました。
東京・中央区にある銀座千疋屋。
創業121年老舗の果物店です。
店内には高級な旬の果物がずらりと並びます。
例えば長野県産のリンゴシナノスイートは1つ1,300円ほど。
こちらの次郎柿は6個入りでこの値段。
1つあたり2,700円ほどです。
この価格でも客足は絶えません。
その品質を維持し続けるのが実家は果物店。
朝6時東京・大田市場。
石部さんの1日の仕事はここから始まります。
石部さん一つひとつメロンを指で弾きます。
(スタッフ)それでパチパチやるとだいたい…。
これは届いたばかりの桃。
まだ熟していない段階でおいしくなるかどうか判断しなければなりません。
石部さんの目利きは市場関係者からも折り紙つきです。
こうした確かな品質で信頼される銀座千疋屋。
しかしある懸念が…。
この日は新たな市場の開拓に向け会議が開かれていました。
日本の果物をヨーロッパへ持っていくというのです。
石部さんが目をつけたのは日本伝統の果物桃。
ヨーロッパではネクタリンという果肉の硬い桃が一般的。
そこに商機を見いだしました。
しかしヨーロッパには日本の果物がほとんど輸出されていません。
EU独自の食品安全規格をパスする必要があるからです。
更に生の果物を運ぶとコストが合いません。
石部さんなんとかして日本の果物のおいしさを世界に伝えたいと考えていました。
それを叶える秘策があったのです。
老舗果物店銀座千疋屋の仕入長石部さん。
日本の桃をヨーロッパに売り込もうとしていました。
この日石部さんが訪れたのは特殊な機械を製造している会社です。
早速自慢の機械を見せてもらいます。
中には何やら液体が。
ここで山田社長が用意したのは生の牛肉。
その液体の中へ浸します。
すると…。
たった数秒で表面が白くなってきました。
わずか3分後。
肉は完全に凍りました。
これは凍眠という機械。
テクニカンが特許を持つ冷凍機です。
普通の冷凍は空気を当てて凍らせますが凍眠ではアルコールを主体とした特別な液体につけることで20倍早く凍らせることができます。
続いて普通に凍らせた牛肉と凍眠で凍らせたものを焼き比べてみます。
普通に凍らせた牛肉からはうまみ成分が流れ出てしまいますが…。
凍眠で凍らせたものからはほとんどそれがありません。
冷たい空気で冷凍する方法では水分の結晶が食材が凍る前に大きくなってしまい細胞を破壊。
そこからうまみ成分が流れ出てしまいます。
しかし凍眠では結晶が大きくなる前に凍らせることができるためより生に近い味つまり鮮度を保つことができるのです。
こちら凍眠で。
2つを食べ比べてみると…。
いちばん違うのは噛んだときに…。
この技術を使った冷凍のおせちも。
伊勢エビやアワビなどの高級食材を凍らせることで鮮度を保ったまま全国へ発送されています。
石部さんこの技術を桃に使うことにしました。
石部さん一方で冷凍用に目をつけている桃がありました。
向かった先は日本一の生産地訪れたのは生産者の石部さんこの人が作る桃に惚れ込んでいました。
これは浅間白桃という品種。
土屋さんが作る桃は数日後テクニカン。
土屋さんの浅間白桃を凍らせる実験です。
まずは桃をまるごと凍眠の中へ入れ急速冷凍させます。
続いてその桃を食べやすいひと口サイズにカットしていきます。
生の果物と違いつまり輸出がしやすくなるのです。
果たして世界に届く味に仕上がったのでしょうか?日本の桃を売り込みに来た石部さんの姿がありました。
向かったのは現地で最も有名な店のひとつ…。
厨房を預かるのははじめまして。
はじめまして。
この人に会いにきたのです。
早速あの急速冷凍した桃を食べてもらいます。
そう言うとニコラさんは石部さんを厨房に招き入れました。
突然焼きはじめたのは鹿の肉。
そして次になんとあの浅間白桃をバターで炒めはじめたのです。
生で食べてもらうことを想定していた石部さん。
予想外の展開に言葉も出ません。
みるみるうちに料理が完成しました。
意外にも日本の桃の味がしっかりと表現されていたのです。
更に桃を使ったデザートも。
シェフが気に入りすべての料理に桃を使ったコースがメニューに加えられることになりました。
そこには浅間白桃の文字が。
しかし石部さんどうしても桃そのものの味を知ってもらいたい。
10月ヨーロッパで日本の桃を広めようとしている向かった先はこの人だかり。
入場を待つ行列です。
これは年に一度フランスで開かれるチョコレートの祭典。
10万人もの人が訪れる一大イベントです。
銀座千疋屋もブースを出していました。
独自に開発したチョコレートを出品していたのです。
スイーツにはうるさい人が集まるこのイベントで石部さん日本の桃を味見してもらうことにしたのです。
日本から凍らせた桃なんですよ。
日本で桃を食べたことがあるというこの女性は…。
日本の桃のおいしさがヨーロッパの人たちに伝わったようです。
これまで安い海外産に押されがちだった日本の食材。
しかし鮮度を保つという技術があれば日本ならではの品質を武器に海外の市場で戦うことができるようになりそうです。
こうした攻めの姿勢によって国内の農業や水産業の可能性が更に広がっていくことを期待したいと思います。
2015/11/17(火) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
ガイアの夜明け【“鮮度”を運ぶ!】[字]
極度の鮮度を届ける!生きた魚の画期的な運搬法▽日本のおいしい果物に世界が驚く!鮮度と味を保ったまま運ぶ、驚きの技術とは。
詳細情報
番組内容
日本各地で四季折々の食材が手に入る今、消費者の新鮮さへのニーズはますます高まっている。そのニーズに応えようと、企業も“鮮度を運ぶ”という新たな発想で動き出した。これまでになかった技術で、地方から東京へ生きたまま魚を運ぶという画期的な運搬法と、日本の果物のおいしさで世界を驚かせようとする老舗の高級果物店を取材。日本の高品質な食材を、“鮮度”を保ったまま世界へ届けようとする挑戦に密着した。
出演者
【案内人】江口洋介
【ナレーター】杉本哲太
音楽
【音楽】
新井誠志
【テーマ曲】
◆オープニング曲
「鼓動〜ガイアの夜明け」(作曲/岸利至)
◆エンディング曲
「夜空の花」(作曲/新井誠志)
「ガイア」とは
ギリシャ神話に登場する「大地の女神」を意味し、後にノーベル賞作家のウイリアム・ゴールディングが「地球」を指して“ガイア”と呼んだことから「ガイア=地球」という解釈が定着している。「ガイアの夜明け」という番組タイトルには、地球規模で経済事象を捉えることで21世紀の新たな日本像を模索すること、そして低迷する経済状況からの再生=「夜明け」を目指す現在の日本を描くという意味合いが込められている。
関連情報
◆ホームページ
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◆公式Twitter
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